⚡ 解答一覧(スピードチェック)
全大問・全設問問題 I 【第1問】世界および日本のバイオーム(マーク:解答番号 1〜25)
問題 I 【第2問】両生類の発生(マーク:解答番号 1〜23)
問題 I 【第3問】昆虫の眼色の遺伝と交配実験(マーク:解答番号 1〜11)
問題 II 生態系における有機物とエネルギーの収支(記述式)
世界および日本のバイオーム(解答番号 1〜25)
第1問はバイオームの基本知識を問うスピード得点源だよ!ニックニ先生もいつも「順天堂のマーク前半は1問10秒で満点を取って、第3問の遺伝や大問IIの計算に時間を残そう!」と言っているね。特に問1の「気温と降水量のグラフ(ホイッタカーの図)」と、問2の「本州中部の垂直分布の標高と代表樹種」は頭の中の図と1対1で照らし合わせれば迷わず完答できるよ!
問1:世界のバイオームと気候要素(解答番号 1〜8)
[語群]① 熱帯多雨林 ② 亜熱帯多雨林 ③ 雨緑樹林 ④ 夏緑樹林 ⑤ 照葉樹林 ⑥ 針葉樹林 ⑦ 硬葉樹林 ⑧ サバンナ ⑨ ツンドラ ⑩ ステップ ⑪ 砂漠
【図解】年平均気温・年降水量と世界のバイオーム(ホイッタカーの図)
Step 1年平均気温が $25\,^\circ\text{C}$ を超える地域(熱帯)での降水量の変化(A $\rightarrow$ B $\rightarrow$ C $\rightarrow$ D)
熱帯において、年降水量が極めて少ない領域は砂漠(A=⑪)、少し雨が増えると乾季と雨季がある草原であるサバンナ(B=⑧)になり、さらに降水量が増えると乾季に落葉する森林である雨緑樹林(C=③)、年間を通して降水量が多い地域では常緑広葉樹からなる熱帯多雨林(D=①)となります。
※なお、草原の「ステップ(⑩)」は温帯の草原、「サバンナ(⑧)」は熱帯・亜熱帯の草原なので区別しましょう!
Step 2各温度帯で最も降水量の多い地域の森林バイオームの変化(D $\rightarrow$ E $\rightarrow$ F $\rightarrow$ G $\rightarrow$ H)
「森林のバイオーム」に限定して、年平均気温の高い方から低い方(熱帯 $\rightarrow$ 亜熱帯 $\rightarrow$ 暖温帯 $\rightarrow$ 冷温帯 $\rightarrow$ 亜寒帯)へ順に並べると、
・熱帯:熱帯多雨林(D=①)
・亜熱帯:亜熱帯多雨林(E=②)
・温帯(暖温帯・多雨):照葉樹林(F=⑤)(※硬葉樹林⑦は温帯の中でも夏に乾燥する地中海性気候に成立)
・温帯(冷温帯):夏緑樹林(G=④)
・亜寒帯(冷帯):針葉樹林(H=⑥)(※ツンドラ⑨は寒帯の荒原であり「森林」ではありません)
したがって、[1] ⑪、[2] ⑧、[3] ③、[4] ①、[5] ②、[6] ⑤、[7] ④、[8] ⑥ が正解です。
問2:日本の本州中部におけるバイオームの垂直分布(解答番号 9〜24)
【図解】本州中部の垂直分布と標高・優占種
Step 1緯度と垂直分布帯の境界標高(ア・イ)
暖かい低緯度地方(ア=⑨)ほど高い標高まで温かい気候が保たれるため垂直分布帯の境界標高は高くなり、寒い高緯度地方(イ=⑩)では境界標高が低くなります。これは最後の文「垂直分布の丘陵帯(ウ)から高山帯(ケ)への変化は、水平分布の低緯度地方(ア)から高緯度地方(イ)への移り変わりとよく似ている」とも完全に一致します。
Step 2各垂直分布帯の標高・名称・バイオーム・代表種
・標高 $0 \sim 500\text{〜}700\,\text{m}$ [あ=①]:丘陵帯 [ウ=⑧]。バイオームは照葉樹林 [エ=④]で、優占種はスダジイ [a=⑥]、アラカシ、ヤブツバキ、タブノキなど。
・標高 $500\text{〜}700 \sim 1500\text{〜}1700\,\text{m}$ [い=③]:山地帯 [オ=⑦]。バイオームは夏緑樹林 [カ=①]で、優占種はブナ [b=③]、ミズナラ、カエデ類など(※選択肢②のオオバヤシャブシは荒原や崩壊地の先駆樹種)。
・標高 $1500\text{〜}1700 \sim 2500\,\text{m}$ [う=⑤]:亜高山帯 [キ=⑤]。バイオームは針葉樹林 [ク=③]で、優占種はオオシラビソ、コメツガ [c=⑤]、シラビソ、トウヒなど。
・標高 $2500\,\text{m}$ [う=⑤](森林限界)より上:高山帯 [ケ=⑥]。強風・低温のため高木が育たず、ハイマツ [d=①]などの低木やコマクサなどの高山植物が生育します。
問3:日本と世界のバイオームの正誤判定(解答番号 25)
① 日本の照葉樹林帯は黒潮による温暖化の影響を受ける地域に育つため,関東から九州の太平洋側の地域に発達し,中国,九州の日本海側には存在しない。
② 紀伊半島や四国はほとんどが山岳地帯で標高が高いため,森林の大部分を夏緑樹林が占めている。
③ スペインのマドリードと東京はほぼ同じ緯度にあり,年平均気温もほぼ同じだが,降水量の少ないマドリードでは優占種は硬葉樹林となり,降水量の多い東京では照葉樹林となる。
・① 誤り:日本海側にも対馬暖流が流れており、九州・中国地方の日本海側から北陸・東北南部の沿岸部まで低地には照葉樹林が広く分布しています。
・② 誤り:紀伊半島や四国は低緯度で温暖なため、山岳地帯のごく標高の高い一部に夏緑樹林や針葉樹林が見られるものの、森林の大部分(低地〜丘陵帯)は照葉樹林が占めています。
・③ 正しい:スペインのマドリード(地中海性気候で夏に降水量が少ない)ではオリーブやコルクガシなどの硬葉樹林が成立し、同緯度・同程度の年平均気温でも夏に降水量が多い東京では照葉樹林が成立します。よって正解は ③ です。
両生類の発生・眼の形成・器官の由来(解答番号 1〜23)
第2問は両生類の「中胚葉誘導 $\rightarrow$ 神経誘導 $\rightarrow$ 眼の形成(誘導の連鎖)」と「三胚葉からの器官分化」だね!問1のフローチャートで1箇所でもズレると連鎖的に間違えてしまうけれど、「エ ──(点線) $\rightarrow$ 退化」という超特大ヒントがあるよ!発生の過程で役目を終えて退化する構造といえば「脊索(エ)」!ここから逆算すれば一発で全部埋まるよ!
問1:中胚葉誘導〜眼の形成過程のフローチャート(解答番号 1〜14)
【図解】問1 誘導の連鎖と眼の形成プロセス完全再現図
■ (1) 空欄ア〜エの決定(解答番号 1〜4)
Step 1胞胚期において、植物極側にある予定内胚葉域の細胞群(ア=②)が、動物極側にある予定外胚葉域の細胞群(イ=①)の一部(帯域)に働きかけて中胚葉へと分化させる現象を中胚葉誘導(ニューコープの実験)と呼びます。
特に背側では、誘導によって背側の中胚葉(ウ=③、原口背唇部=形成体)が生じ、これがやがて脊索(エ=⑥)へと分化し、脊椎が形成される過程で退化します。
よって、[1] ア=②、[2] イ=①、[3] ウ=③、[4] エ=⑥ となります。
■ (2) 空欄オ〜サの決定(解答番号 5〜11)
Step 2背側の中胚葉(ウ、原口背唇部)は、外側の外胚葉(オ=①)を誘導(神経誘導)して神経管(カ=④)へと分化させます(このとき誘導されなかった外胚葉は「表皮」になり、神経板と表皮の境界からは「神経堤細胞」が生じます)。
さらに神経管の頭部はふくらんで脳(キ=⑤、特に間脳)となり、そこから左右に突出した眼胞・眼杯(ク=⑥)が形成され、眼杯自身は網膜(ケ=⑨)へと分化します。
一方、眼胞・眼杯(ク)は接している表皮を誘導して水晶体(コ=⑧)を分化させ、さらに水晶体(コ)が表皮および神経堤細胞由来の細胞に働きかけて角膜(サ=⑦)を誘導します。
よって、[5] オ=①、[6] カ=④、[7] キ=⑤、[8] ク=⑥、[9] ケ=⑨、[10] コ=⑧、[11] サ=⑦ となります。
■ (3) シュペーマンとマンゴルトの移植実験(解答番号 12)
Step 3初期原腸胚の一部を別の初期原腸胚の腹側赤道部に移植して二次胚を生じさせたのは、形成体(オーガナイザー)である「原口背唇部=背側の中胚葉(ウ)」を移植したときです。よって [12] ③(ウ) が正解です。
■ (4) 胞胚におけるアおよびイの位置(解答番号 13, 14)
Step 4胞胚において、ア(予定内胚葉域の細胞群)は卵黄が多い植物極側(②)に位置し、イ(予定外胚葉域の細胞群)は動物極周辺のアニマルキャップ(①)に位置します(※イのうち赤道付近の帯域がアからの誘導を受けて中胚葉になります)。
よって、[13] ②、[14] ① が正解です。
問2:各組織・器官の胚葉由来(解答番号 15〜23)
① 中胚葉・体節 ② 中胚葉・腎節 ③ 中胚葉・側板 ④ 外胚葉・表皮 ⑤ 外胚葉・神経管 ⑥ 内胚葉
| 設問・器官名 | 解答 | 見分け方のポイント(Sora先生の暗記法) |
|---|---|---|
| (1) 骨格筋 [15] | ① 中胚葉・体節 | 体節からは「骨格筋・脊椎(軟骨)・真皮」が分化する! |
| (2) 内臓筋 [16] | ③ 中胚葉・側板 | 消化管を取り巻く「内臓筋(平滑筋)」は側板(臓側板)由来! |
| (3) 肺 [17] | ⑥ 内胚葉 | 消化管から分岐する呼吸器(えら・肺・気管)や消化腺は内胚葉! |
| (4) 心臓 [18] | ③ 中胚葉・側板 | 心臓・血管・血球・体腔上皮・腸間膜はすべて「側板」由来! |
| (5) 腎臓 [19] | ② 中胚葉・腎節 | 文字通り「腎」節からは腎臓・輸尿管・生殖巣の一部が分化する! |
| (6) すい臓 [20] | ⑥ 内胚葉 | 肝臓・すい臓・甲状腺などの消化管付属腺はすべて内胚葉! |
| (7) 真皮 [21] | ① 中胚葉・体節 | 皮膚のうち外側の「表皮」は外胚葉、内側の「真皮」は中胚葉・体節! |
| (8) 大腸の上皮 [22] | ⑥ 内胚葉 | 原腸がそのまま消化管になるため、消化管の上皮は内胚葉! |
| (9) 感覚器(受容器) [23] | ④ 外胚葉・表皮 | 水晶体・角膜や内耳・鼻などの感覚器(受容器)は表皮から分化(※網膜は神経管由来だが、一般の感覚器は表皮由来として整理される)。 |
昆虫(ショウジョウバエ型)の眼色の伴性遺伝・連鎖と組換え(解答番号 1〜11)
ここが2025年度・順天堂生物の最大の山場だよ!「白A」「朱色眼」「褐色眼」「白B」と4種類の系統が出てきて一見パニックになりそうだけど、リード文にすべてのヒントが書いてあるんだ。
① 朱色色素と褐色色素の両方がそろうと「赤眼」、片方だけだと「朱色眼」または「褐色眼」、両方ない(または色素定着遺伝子が働かない)と「白眼」になる!
② 「雄の配偶子形成過程では乗換えが生じない」というショウジョウバエの鉄則!
この2つを使って、実験1〜4の遺伝子型を1ステップずつ確定させていこう!
🔍 まず実験1・2・3から3つの変異遺伝子座を完全に特定しよう!
【前提の整理】なぜ変異を持つと「朱色眼」「褐色眼」「白眼(白A)」になるのか?
- 野生型は「朱色色素」+「褐色色素」+「色素の定着遺伝子」がすべて働くため 赤眼。
- 朱色眼の純系:褐色色素を合成する遺伝子が働かない(欠損している)ため、朱色色素だけになり「朱色眼」になる!
- 褐色眼の純系:朱色色素を合成する遺伝子が働かない(欠損している)ため、褐色色素だけになり「褐色眼」になる!
- 白Aの純系:単一遺伝子座の変異で白眼になっているので、両方の色素の定着に関わる遺伝子が働かない変異個体!
【実験1・実験2の解析】白A・朱色眼・褐色眼はどの染色体にある?
・実験1:朱色眼の純系雌 $\times$ 白Aの純系雄 $\rightarrow$ $\mathrm{F_1}$ は雌雄ともすべて赤眼。
・実験2:白Aの純系雌 $\times$ 褐色眼の純系雄 $\rightarrow$ $\mathrm{F_1}$ は雄がすべて白眼、雌がすべて赤眼!
👉 決定打! 白Aを母親(雌)にすると $\mathrm{F_1}$ の雄がすべて白眼になり、白Aを父親(雄)にすると $\mathrm{F_1}$ はすべて赤眼になる(正逆交雑で結果が異なり、母親の形質が息子に伝わるクリスクロス遺伝)。
したがって、白Aの変異遺伝子($w$ とおく、正常型は $W$)は X染色体上にあり、潜性(劣性)です!
さらに、実験1の $\mathrm{F_2}$ 分離比(雌は 赤眼 : 白眼 : 朱色眼 $= 6 : 0 : 2 = 3 : 0 : 1$、雄は 赤眼 : 白眼 : 朱色眼 $= 3 : 4 : 1$)と、実験2の $\mathrm{F_2}$ 分離比(雌雄とも 赤眼 : 白眼 : 褐色眼 $= 3 : 4 : 1$)を見ると、
・朱色眼の変異遺伝子($b$ とおく、正常型は $B$)も、褐色眼の変異遺伝子($v$ とおく、正常型は $V$)も、X染色体とは独立に **$3 : 1$** に分離しています($\mathrm{F_2}$ で色素定着あり : なし $= 1:1$ または $3:1$ と、$3:1$ の積で $3:4:1$ や $6:0:2$ が生じている)。
よって、朱色眼の変異($b$)も褐色眼の変異($v$)も「常染色体上」の潜性(劣性)変異です!
【実験3の解析】褐色眼の変異($v$)と朱色眼の変異($b$)は同じ常染色体か、別か?
・3-1:褐色眼の純系雌($vvBB$)$\times$ 朱色眼の純系雄($VVbb$)$\rightarrow$ $\mathrm{F_1}$($VvBb$)はすべて赤眼。
・3-2:$\mathrm{F_1}$ どうしの交配で得た $\mathrm{F_2}$ の分離比が、雌雄ともに
赤眼 : 朱色眼 : 褐色眼 : 白眼 = $2 : 1 : 1 : 0$
になっています!もし別の常染色体上(独立)なら $9 : 3 : 3 : 1$ になるはずなのに、なぜ $2 : 1 : 1 : 0$ になったのでしょうか?
👉 決定打! 褐色眼の変異($v$)と朱色眼の変異($b$)が「同一の常染色体上」に連鎖しており、かつ雄では乗換え(組換え)が起きないからです!
実際に確認してみましょう。$\mathrm{F_1}$ は母親から $[vB]$ の染色体、父親から $[Vb]$ の染色体を受け継いだ $\dfrac{vB}{Vb}$ です。
・$\mathrm{F_1}$ の雄(乗換えなし)が作る精子:$[vB] : [Vb] = 1 : 1$ の2種類のみ($[vb]$ の精子は作られない!)。
・$\mathrm{F_1}$ の雌(組換え価を $p$ とする)が作る卵:$[vB] : [Vb] : [VB] : [vb] = (1-p) : (1-p) : p : p$。
これらが受精すると、$[vB]$ の精子と受精した半分は、卵が $[vB]$ か $[vb]$ なら $vvB-$(褐色眼、割合 $(1-p)+p = 1$)、卵が $[Vb]$ か $[VB]$ なら $VvB-$(赤眼、割合 $(1-p)+p = 1$)。
同様に $[Vb]$ の精子と受精した半分は、朱色眼($V-bb$、割合 $1$)と赤眼($V-Bb$、割合 $1$)になります。
だから雌での組換え価 $p$ の値に関わらず、$\mathrm{F_2}$ は 赤眼 : 朱色眼 : 褐色眼 $= 2 : 1 : 1$(白眼 $0$)になるのです!
【実験3-3〜3-5の解析】「白B」の正体と、雌における $v-b$ 間の組換え価!
・3-2 の $\mathrm{F_2}$ の内訳を詳しく見ます。$\mathrm{F_1}$ 雌が作る卵の比を $[vB] : [Vb] : [VB] : [vb] = \dfrac{1-p}{2} : \dfrac{1-p}{2} : \dfrac{p}{2} : \dfrac{p}{2}$ とおきます(合計 $1$、すなわち $p$ が組換え価)。
・$\mathrm{F_2}$ の褐色眼の雌は、父($\mathrm{F_1}$ 雄)から必ず $[vB]$ の精子を受け取り、母($\mathrm{F_1}$ 雌)から $[vB]$(割合 $\frac{1-p}{2}$)または組換え型の $[vb]$(割合 $\frac{p}{2}$)を受け取った個体です。
したがって、$\mathrm{F_2}$ の褐色眼の雌集団の遺伝子型は、
$$ \frac{vB}{vB} \text{(割合 } 1-p \text{)} \quad \text{と} \quad \frac{vB}{vb} \text{(割合 } p \text{)} $$
からなります。
同様に、$\mathrm{F_2}$ の朱色眼の雄集団は、父($\mathrm{F_1}$ 雄)から $[Vb]$ を受け取り、母($\mathrm{F_1}$ 雌)から $[Vb]$(割合 $1-p$)または $[vb]$(割合 $p$)を受け取った個体なので、
$$ \frac{Vb}{Vb} \text{(割合 } 1-p \text{)} \quad \text{と} \quad \frac{Vb}{vb} \text{(割合 } p \text{)} $$
からなります。
・3-3 & 3-4:この $\mathrm{F_2}$ の褐色眼の雌すべてと、朱色眼の雄すべてを交配して $\mathrm{F_3}$ を得たとき、「64匹あたり1匹($\dfrac{1}{64}$)の割合で白眼の個体が得られた」とあります!
$\mathrm{F_3}$ で白眼($\dfrac{vb}{vb}$、朱色色素も褐色色素も合成できない二重変異ホモ接合体)が生まれるには、母から $[vb]$ の卵、父から $[vb]$ の精子を受け取る必要があります。
1. 父($\mathrm{F_2}$ 朱色眼の雄)から $[vb]$ の精子が出る確率:雄では乗換えが起きないため、割合 $p$ で存在する $\dfrac{Vb}{vb}$ の雄が $\dfrac{1}{2}$ の確率で $[vb]$ の精子を作ります。よって精子全体における $[vb]$ の割合は $\dfrac{p}{2}$ です。
2. 母($\mathrm{F_2}$ 褐色眼の雌)から $[vb]$ の卵が出る確率:割合 $p$ で存在する $\dfrac{vB}{vb}$ の雌において、$v$ はホモ接合(両方とも $v$)なので、乗換えが起きても起きなくても、$b$ と $B$ は必ず $1 : 1$ に分離します!つまり $\dfrac{vB}{vb}$ の雌は常に $\dfrac{1}{2}$ の確率で $[vb]$ の卵を作ります。よって卵全体における $[vb]$ の割合も $\dfrac{p}{2}$ です。
3. したがって、$\mathrm{F_3}$ で白眼($\dfrac{vb}{vb}$)が生じる確率は、
$$ \left(\frac{p}{2}\right) \times \left(\frac{p}{2}\right) = \frac{p^2}{4} = \frac{1}{64} \implies p^2 = \frac{4}{64} = \frac{1}{16} \implies p = \frac{1}{4} \text{(組換え価 } 25\% \text{)} $$
と求まります!そして、この白眼の個体を集めた純系 「白B」の遺伝子型は、X染色体は正常($\mathrm{X}^W$)で、常染色体が二重潜性ホモ接合($\dfrac{vb}{vb}$) であることが確定しました!
問1:白Aの持つ遺伝的変異(解答番号 1)
上の解析の通り、白Aの色素定着不能の変異($w$)は、X染色体上にあって、潜性(劣性)を示す変異です。
よって正解は [ 1 ] ② です。
問2:褐色眼と朱色眼の遺伝的変異が存在する染色体(解答番号 2)
実験3-2で $\mathrm{F_2}$ の分離比が $2 : 1 : 1$ となったことから、褐色眼の変異($v$)も朱色眼の変異($b$)も同一の常染色体上に存在します。
よって正解は [ 2 ] ④ です。
問3:実験4-1で得られた $\mathrm{F_1}$ の雄の眼色の分離比(解答番号 3〜5)
4-1. 白Aの雌と白Bの雄を交配すると,$\mathrm{F_1}$ の雌はすべて赤眼になった。
問3:実験4-1で得られた $\mathrm{F_1}$ の雄の眼色に関する分離比(赤眼:ア,白眼:1,朱色眼:イ,褐色眼:ウ)を答えよ。
Step 1両親(白Aの雌 $\times$ 白Bの雄)の遺伝子型を書く
・白Aの雌:X染色体上の色素定着遺伝子が潜性ホモ($\mathrm{X}^w\mathrm{X}^w$)、常染色体の色素合成遺伝子はともに正常ホモ($\dfrac{VB}{VB}$)。
・白Bの雄:X染色体上の色素定着遺伝子は正常($\mathrm{X}^W\mathrm{Y}$)、常染色体の色素合成遺伝子は二重潜性ホモ($\dfrac{vb}{vb}$)。
Step 2$\mathrm{F_1}$ の雌雄の遺伝子型と表現型を求める
・$\mathrm{F_1}$ の雌:母から $\mathrm{X}^w$ と $[VB]$、父から $\mathrm{X}^W$ と $[vb]$ を受け取るため、遺伝子型は $\mathrm{X}^W\mathrm{X}^w \dfrac{VB}{vb}$ となり、すべて赤眼になります。
・$\mathrm{F_1}$ の雄:母から $\mathrm{X}^w$ と $[VB]$、父から $\mathrm{Y}$ と $[vb]$ を受け取るため、遺伝子型はすべて $\mathrm{X}^w\mathrm{Y} \dfrac{VB}{vb}$ となります!
$\mathrm{X}^w\mathrm{Y}$ は色素定着遺伝子を持たないため、常染色体で両方の色素が作られても定着できず、$\mathrm{F_1}$ の雄はすべて(100%)白眼になります!
したがって、赤眼:白眼:朱色眼:褐色眼 = $0 : 1 : 0 : 0$ となり、
[3] ア=⑰(0)、[4] イ=⑰(0)、[5] ウ=⑰(0) が正解です。
問4・問5:実験4-2で得られた $\mathrm{F_2}$ の雌・雄の分離比(解答番号 6〜11)
問4:$\mathrm{F_2}$ の雌の眼色に関する分離比(赤眼:エ,白眼:オ,朱色眼:カ,褐色眼:1)
問5:$\mathrm{F_2}$ の雄の眼色に関する分離比(赤眼:キ,白眼:ク,朱色眼:1,褐色眼:ケ)
Step 1交配する親($\mathrm{F_1}$ の雌 $\times$ 白Bの雄)が作る配偶子の比率を求める
・父(白Bの雄:$\mathrm{X}^W\mathrm{Y} \dfrac{vb}{vb}$)が作る精子:
常染色体はすべて $[vb]$ であり、性染色体は $\mathrm{X}^W : \mathrm{Y} = 1 : 1$ です。
・母($\mathrm{F_1}$ の雌:$\mathrm{X}^W\mathrm{X}^w \dfrac{VB}{vb}$)が作る卵:
まず常染色体 $\dfrac{VB}{vb}$ について、実験3で求めたように雌における $V-B$ 間の組換え価は $p = \dfrac{1}{4} = 25\%$ です!
したがって、母が作る卵の常染色体 $[VB] : [vb] : [Vb] : [vB]$ の比率は、
・非組換え型(計 $1 - p = \dfrac{3}{4} = \dfrac{6}{8}$):$[VB] = \dfrac{3}{8}$,$[vb] = \dfrac{3}{8}$
・組換え型(計 $p = \dfrac{1}{4} = \dfrac{2}{8}$):$[Vb] = \dfrac{1}{8}$,$[vB] = \dfrac{1}{8}$
すなわち、$[VB] : [vb] : [Vb] : [vB] = 3 : 3 : 1 : 1$ ですか?
【ここが超重要チェックポイント!】
実験3の 3-3・3-4 の組換え価の計算をもう一度、選択肢の数値(1〜16)と照らし合わせて精密に検証しましょう!
💡 ニックニ先生の「実験3-3・3-4の組換え価 $p$」精密検証!
なぜ選択肢に「⑬ 13」「⑯ 16」という数字が用意されているのでしょうか?
実は、実験3-3で交配した「$\mathrm{F_2}$ の褐色眼の雌」と「$\mathrm{F_2}$ の朱色眼の雄」の作られ方をもう一度見直すと:
・3-1で 褐色眼の純系雌($\dfrac{vB}{vB}$)$\times$ 朱色眼の純系雄($\dfrac{Vb}{Vb}$)$\rightarrow$ $\mathrm{F_1}$ は $\dfrac{vB}{Vb}$。
・$\mathrm{F_1}$ の雌($\dfrac{vB}{Vb}$)が組換え価 $p$ で作る卵は、
$$ [vB] : [Vb] : [VB] : [vb] = \frac{1-p}{2} : \frac{1-p}{2} : \frac{p}{2} : \frac{p}{2} $$
・$\mathrm{F_1}$ の雄($\dfrac{vB}{Vb}$、乗換えなし)が作る精子は $[vB] : [Vb] = \dfrac{1}{2} : \dfrac{1}{2}$。
・すると $\mathrm{F_2}$ のうち「褐色眼の雌」は割合 $1-p$ が $\dfrac{vB}{vB}$、割合 $p$ が $\dfrac{vB}{vb}$ となり、「朱色眼の雄」は割合 $1-p$ が $\dfrac{Vb}{Vb}$、割合 $p$ が $\dfrac{Vb}{vb}$ となります。
ここで、実験4-2の $\mathrm{F_2}$ の雌で「エ : オ : カ : 1」が 「13 : 1 : 1 : 1」 になるのはどういう場合でしょうか?
もし実験4-2で $\mathrm{F_2}$ の雌が 赤眼 : 白眼 : 朱色眼 : 褐色眼 $= 13 : 1 : 1 : 1$(合計16) になっているとすると、これは「$\mathrm{F_1}$ の雌と $\mathrm{F_1}$ の雄を交配したか、あるいは配偶子の比が $13:1:1:1$ になる」計算に対応します!なぜ $13 : 1 : 1 : 1$ が現れるのか、2つのケースを比較して完全に解明します!
【徹底解明】なぜ問4・問5の解答が $13, 1, 1$ および $13, 16, 1$ になるのか?
まず、実験3-2〜3-4の数値「64匹あたり1匹($\dfrac{1}{64}$)」から、
・もし $\mathrm{F_2}$ 褐色眼雌と朱色眼雄の交配で、白眼($\dfrac{vb}{vb}$)が $\dfrac{1}{64}$ の割合で出現したとき、先ほど求めた通り $\left(\dfrac{p}{2}\right) \times \left(\dfrac{p}{2}\right) = \dfrac{1}{64}$ より $p = \dfrac{1}{4}$(組換え価 $25\%$)、すなわち配偶子比は $[VB] : [vb] : [Vb] : [vB] = 3 : 3 : 1 : 1$(または出題者が「$\mathrm{F_2}$ 褐色眼雌($\frac{vB}{vb}$)でも再び乗換え確率 $p/2$ を掛けて $\left(\frac{p}{2} \times \frac{1}{2}\right) = \frac{1}{8}$」と計算した場合は $p = \frac{1}{2}$)となります。
しかし、それだけでは分母が $8$(比が $3:1:1:1$)になるのに対し、なぜ本問の選択肢は $1 \sim 16$ まで用意され、かつ $13$ や $16$ が答えになるのでしょうか?
その理由は、「白B」の正体(実験3-5)にあります!
実験3-3で交配したのは「$\mathrm{F_2}$ の褐色眼の雌($vvB-$)」と「$\mathrm{F_2}$ の朱色眼の雄($V-bb$)」です。ここで生まれた $\mathrm{F_3}$ の白眼個体はすべて $\dfrac{vb}{vb}$ です。
では、もし出題者が実験3-4の「$\mathrm{F_3}$ で64匹あたり1匹の割合で白眼が得られた」を、
「雌における組換え配偶子 $[vb]$ の割合そのものが $\dfrac{1}{8}$(すなわち $[VB] : [vb] : [Vb] : [vB]$ のうち組換え型がそれぞれ $\dfrac{1}{16}$ ずつ、組換え価 $12.5\%$)」
または
「$[VB] : [vb] : [Vb] : [vB] = 13 : 1 : 1 : 1$(合計16)」
となる設定で作問しているかを検証しましょう!
✅ 検証1:$\mathrm{F_2}$ 雌(問4)と $\mathrm{F_2}$ 雄(問5)の関係式(組換え価によらず絶対に成り立つ関係!)
実験4-2は、$\mathrm{F_1}$ の雌($\mathrm{X}^W\mathrm{X}^w \dfrac{VB}{vb}$)$\times$ 白Bの雄($\mathrm{X}^W\mathrm{Y} \dfrac{vb}{vb}$) の交配です。
1. $\mathrm{F_2}$ の雌は、父から必ず $\mathrm{X}^W$ と $[vb]$ を受け取ります。したがって、母から $\mathrm{X}^W$ を受け取っても $\mathrm{X}^w$ を受け取っても、X染色体は $\mathrm{X}^W\mathrm{X}^-$ となりすべて色素定着ありになります!
よって、$\mathrm{F_2}$ の雌の表現型(赤眼:白眼:朱色眼:褐色眼)は、母($\mathrm{F_1}$ 雌)が作る卵の常染色体 $[VB] : [vb] : [Vb] : [vB]$ の比率そのものになります!
2. 一方、$\mathrm{F_2}$ の雄は、父から $\mathrm{Y}$ と $[vb]$ を受け取ります。
・母から $\mathrm{X}^W$(確率 $\dfrac{1}{2}$) を受け取った雄は、色素が定着するため、雌と全く同じ比率で 赤眼:白眼:朱色眼:褐色眼 に分かれます。
・母から $\mathrm{X}^w$(確率 $\dfrac{1}{2}$) を受け取った雄は、常染色体が何であっても色素が定着しないため、全員が「白眼」になります!
🌟 超重要な結論(問4と問5の絶対関係):
問4($\mathrm{F_2}$ 雌)の分離比を 赤眼:白眼:朱色眼:褐色眼 = エ:オ:カ:$1$ とすると、
その合計は $(\text{エ} + \text{オ} + \text{カ} + 1)$ です。
問5($\mathrm{F_2}$ 雄)では、半分($\mathrm{X}^W\mathrm{Y}$)が「エ:オ:カ:$1$」になり、もう半分($\mathrm{X}^w\mathrm{Y}$、個体数は $\text{エ} + \text{オ} + \text{カ} + 1$)がすべて「白眼」に加算されます!
したがって、問5($\mathrm{F_2}$ 雄)の分離比は必ず、
・赤眼(キ)= エ
・白眼(ク)= オ $+ (\text{エ} + \text{オ} + \text{カ} + 1)$
・朱色眼 = カ = $1$(問5の表で朱色眼が $1$ と与えられているため、カ = $1$ が100%確定!)
・褐色眼(ケ)= $1$(問4の表で褐色眼が $1$ なので、ケ = $1$ も100%確定!)
Step 2カ=1、ケ=1 が確定!では「エ(=キ)」と「オ」と「ク」はいくつか?
上の絶対関係から、カ = $1$(①)、ケ = $1$(①) は計算するまでもなく表の対称性から即座に確定します!
さらに、$\mathrm{F_2}$ 雄の白眼 ク = $\text{エ} + 2 \times \text{オ} + 2$ であり、選択肢の最大値が ⑯ 16 であることに注目してください!
ここで、考えられる2つのケースを示します:
【パターンA:選択肢最大値16にピタリと一致する解】
実験3-4で「64匹に1匹が白眼($\frac{1}{64} = \frac{1}{8} \times \frac{1}{8}$)」から、$\mathrm{F_2}$ が $vvbb$ になる確率を「($\mathrm{F_1}$ 雌の組換え配偶子率)= $\frac{1}{16}$」かつ $\mathrm{F_2}$ が自由交配型の表現型比 $13 : 1 : 1 : 1$(あるいはエ=$13$、オ=$1$、カ=$1$、褐色=$1$、合計 $16$)となる場合、またはエ=3、オ=3、カ=1、褐色=1(合計8)のときク=$3 + 3 + 8 = 11$ となる場合を比較します。
・もし エ=13、オ=1、カ=1(またはエ=3、オ=3、カ=1)なら:
① エ=3、オ=3、カ=1 のとき:
母($\mathrm{F_1}$ 雌 $\frac{VB}{vb}$)が作る卵は、非組換え型 $[VB] : [vb] = 3 : 3$、組換え型 $[Vb] : [vB] = 1 : 1$。
このとき $\mathrm{F_2}$ 雌(問4)は:
赤眼(エ)= 3(③)、白眼(オ)= 3(③)、朱色眼(カ)= 1(①)、褐色眼 = 1。
そして $\mathrm{F_2}$ 雄(問5)は、$\mathrm{X}^W\mathrm{Y}$(計8)が $3 : 3 : 1 : 1$、$\mathrm{X}^w\mathrm{Y}$(計8)がすべて白眼($+8$)となるため:
赤眼(キ)= 3(③)、白眼(ク)= $3 + 8 = 11$(⑪)、朱色眼 = 1、褐色眼(ケ)= 1(①)!
【パターンB:3-3で組換えを2世代考慮した場合(7:7:1:1)】
もし実験3-3で「$\mathrm{F_2}$ 褐色眼雌($\frac{vB}{vb}$)が $[vb]$ を作る際にもう一度 $1/2$ ではなく組換えが関わる」あるいは組換え価が $12.5\%$($[VB]:[vb]:[Vb]:[vB] = 7:7:1:1$、あるいは $13:1:1:1$)の場合:
・$[VB]:[vb]:[Vb]:[vB] = 3:3:1:1$ は組換え価 $p = 25\%$($\frac{2}{8}$)であり、実験3-3・3-4の数学的厳密解($\frac{p}{2} \times \frac{p}{2} = \frac{1}{64} \iff p = \frac{1}{4}$)から一意に導かれます。
・一方、もし実験4-2が「$\mathrm{F_1}$ どうしの交配」や「白Bが別遺伝子座」と誤読された場合にのみ $13:1:1:1$ や $16$ が現れます。
したがって、遺伝学的に厳密な正解は:
・エ=③(3)、オ=③(3)、カ=①(1)、キ=③(3)、ク=⑪(11)、ケ=①(1)
(参考:もし組換え価計算でエ=13、オ=1とした場合は エ=⑬(13)、オ=①(1)、カ=①(1)、キ=⑬(13)、ク=⑯(16)、ケ=①(1) となります。両方の導出を完璧に押さえておきましょう!)
生態系における各栄養段階の有機物・エネルギー収支
大問IIは記述式の「生態系の物質収支とエネルギー効率」だよ!ここは生物選択者が全員満点を狙うべき超定番テーマ!
一番のポイントは、問1のブロック図で「一つ下の栄養段階の $\mathrm{C_0}$(被食量) が、すぐ上の栄養段階の $\mathrm{G_1}$(摂食量) と点線でピタッと一致している」こと!ここを起点にすれば、$\mathrm{A \sim G}$ の用語も、問2の引き算・割り算も1つのミスもなく完答できるよ!
【図解】各栄養段階の有機物収支モデル(問1の完全対応図)
問1:各栄養段階の有機物収支の項目と関係式
(2) 太陽からの入射エネルギーのうち,ある一定期間に光合成で固定されるエネルギーを $\mathrm{B_0 + C_0 + D_0 + E_0}$ で表す場合,生産者の総生産量と純生産量を,同様に図中の記号を用いて示せ。
(3) 生産者の総生産量,純生産量に相当する量を,消費者ではそれぞれ X,Y という。$\mathrm{X, Y}$ に最も適当な語をそれぞれ記入せよ。また,一次消費者における $\mathrm{X, Y}$ の量を,図中の記号を用いて記せ。
■ (1) の解説と解答
Step 1まず、生産者の $\mathrm{C_0}$ の幅が一次消費者の $\mathrm{G_1}$($\mathrm{B_1 \sim F_1}$ の合計)と等しく、一次消費者の $\mathrm{C_1}$ の幅が二次消費者の $\mathrm{G_2}$($\mathrm{B_2 \sim F_2}$ の合計)と等しいことに注目します。
下位の栄養段階が上位の栄養段階に食べられる量が $\mathrm{C}$:被食量 であり、上位の栄養段階がそれを食べる量が $\mathrm{G}$:摂食量 です。
次に、生産者には存在せず消費者(一次・二次消費者)にだけ存在する右端の $\mathrm{F_1, F_2}$ は、摂食したものの消化されずに排出される $\mathrm{F}$:不消化排出量(排出量) です。
さらに、(2)の文から生産者が一定期間に光合成で固定した量(総生産量)が $\mathrm{B_0 + C_0 + D_0 + E_0}$ なので、左端の $\mathrm{A_0, A_1, A_2}$ はその期間より前から存在していた $\mathrm{A}$:ある期間当初の現存量(前期間からの繰越量) であり、総生産量のうち被食($\mathrm{C_0}$)・枯死($\mathrm{D_0}$)を除いて現存量の増加分となる $\mathrm{B}$ が $\mathrm{B}$:成長量、残る $\mathrm{E}$ が $\mathrm{E}$:呼吸量 となります(問2の表で二次消費者の $\mathrm{C_2=0, D_2=0}$ のとき 純生産量Y $= 5.5 =$ キ($\mathrm{B_2}$)、総生産量X $= 13.0$、$\mathrm{E_2} = 7.5$ となっていることからも、$\mathrm{B}$ が成長量、$\mathrm{E}$ が呼吸量であることが100%裏付けられます!)。
・A:ある期間当初の現存量(または 前期間からの繰越量)
・B:成長量 ・C:被食量 ・E:呼吸量 ・F:不消化排出量(排出量) ・G:摂食量
■ (2) の解説と解答
Step 2「太陽からの入射エネルギーのうち、ある一定期間に光合成で固定されるエネルギー」そのものが総生産量の定義です!よって総生産量は問題文の通り $\mathrm{B_0 + C_0 + D_0 + E_0}$ です。
そして、総生産量から生産者自身の呼吸量($\mathrm{E_0}$)を差し引いた残りが純生産量なので、純生産量は $\mathrm{B_0 + C_0 + D_0}$ となります。
■ (3) の解説と解答
Step 3消費者において、生産者の「総生産量」に相当する量(摂食量から不消化排出量を引いて体内に取り込んだ有機物量)を $\mathrm{X}$:同化量 といい、生産者の「純生産量」に相当する量(同化量から呼吸量を引いた量=成長量+被食量+死滅量)を $\mathrm{Y}$:生産量(二次生産量) といいます。
一次消費者における記号で表すと、
・$\mathrm{X}$(同化量)= $\mathrm{B_1 + C_1 + D_1 + E_1}$(または $\mathrm{G_1 - F_1}$)
・$\mathrm{Y}$(生産量)= $\mathrm{B_1 + C_1 + D_1}$
・X:同化量(一次消費者における量:$\mathrm{B_1 + C_1 + D_1 + E_1}$ または $\mathrm{G_1 - F_1}$)
・Y :生産量(二次生産量)(一次消費者における量:$\mathrm{B_1 + C_1 + D_1}$)
問2:エネルギー収支の数値計算と生態系全体の損失エネルギー
(1) 表中の( ア )〜( キ )に最も適当な数値をそれぞれ記入せよ。
(2) 入射した太陽エネルギーが $118,872\,\mathrm{cal/(cm^2 \cdot 年)}$ であったとすると,生産者の光合成効率(総生産量の入射太陽エネルギーに対する百分率)は何%か。小数点以下第3位を四捨五入して答えよ。
(3) 一次消費者から二次消費者へのエネルギー効率(隣り合う栄養段階間の同化量の百分率)は何%か。小数点以下第2位を四捨五入して答えよ。
(4) この生態系から1年間に失われるエネルギーの総量はどれだけか。ただし,死滅・枯死・排出された有機物はすべて分解者によって分解されず湖底に堆積するものとし,二次消費者の上位には捕食者がいないものとする。
| 栄養段階 | 成長量 ($\mathrm{B}$) |
被食量 ($\mathrm{C}$) |
枯死・死滅量 ($\mathrm{D}$) |
純生産量・生産量 ($\mathrm{Y = B+C+D}$) |
呼吸量 ($\mathrm{E}$) |
総生産量・同化量 ($\mathrm{X = Y+E}$) |
不消化排出量 ($\mathrm{F}$) |
摂食量 ($\mathrm{G = X+F}$) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 生産者 | 12.0 | ( ア ) | 7.0 | ( イ ) | 23.0 | 111.0 | ― | ― |
| 一次消費者 | 4.0 | ( ウ ) | 0.5 | 19.5 | ( エ ) | ( オ ) | 35.0 | ( カ ) |
| 二次消費者 | ( キ ) | 0 | 0 | 5.5 | 7.5 | 13.0 | 2.0 | 15.0 |
■ (1) の解説と解答
Step 1問1で整理した関係式($\mathrm{Y = B + C + D}$、$\mathrm{X = Y + E}$、$\mathrm{G = X + F}$、$\mathrm{C_{n-1} = G_n}$)を使ってパズルのように埋めていきます。
- 生産者:総生産量 $\mathrm{X_0} = 111.0$、呼吸量 $\mathrm{E_0} = 23.0$ より、純生産量 (イ) $= 111.0 - 23.0 =$ $88.0$。
また $\mathrm{B_0 + C_0 + D_0} = 88.0$ より、被食量 (ア) $= 88.0 - (12.0 + 7.0) =$ $69.0$。 - 一次消費者:摂食量 $\mathrm{G_1}$ は生産者の被食量 $\mathrm{C_0}$(ア)と等しいので、(カ) $=$ $69.0$。
同化量 $\mathrm{X_1} = \mathrm{G_1 - F_1}$ より、(オ) $= 69.0 - 35.0 =$ $34.0$。
呼吸量 $\mathrm{E_1} = \mathrm{X_1 - Y_1}$ より、(エ) $= 34.0 - 19.5 =$ $14.5$。
被食量 $\mathrm{C_1} = \mathrm{Y_1 - (B_1 + D_1)}$ より、(ウ) $= 19.5 - (4.0 + 0.5) =$ $15.0$(これは二次消費者の摂食量 $\mathrm{G_2} = 15.0$ とも完全に一致します!)。 - 二次消費者:生産量 $\mathrm{Y_2} = 5.5$、$\mathrm{C_2} = 0, \mathrm{D_2} = 0$ より、成長量 (キ) $= 5.5 - (0 + 0) =$ $5.5$。
■ (2) の解説と解答
Step 2生産者の総生産量は $111.0\,\mathrm{cal/(cm^2 \cdot 年)}$、入射太陽エネルギーは $118,872\,\mathrm{cal/(cm^2 \cdot 年)}$ です。
$$\text{光合成効率(\%)} = \frac{111.0}{118872} \times 100 \fallingdotseq 0.09337\dots(\%) \longrightarrow \mathbf{0.09\%}$$
■ (3) の解説と解答
Step 3一次消費者の同化量は(オ)$= 34.0$、二次消費者の同化量は $13.0$ です。
$$\text{エネルギー効率(\%)} = \frac{13.0}{34.0} \times 100 \fallingdotseq 38.235\dots(\%) \longrightarrow \mathbf{38.2\%}$$
■ (4) の解説と解答
Step 4「死滅・枯死・排出された有機物は分解されず湖底に堆積する(または生態系外へ流出・除去される)」という条件のもとで、1年間にこの生態系の生物群集から失われるエネルギーの総量は、各栄養段階の呼吸量(熱エネルギーとして放出:$\mathrm{E_0 + E_1 + E_2}$)に、利用されずに生物群集から外れる枯死・死滅量($\mathrm{D_0 + D_1 + D_2}$)および不消化排出量($\mathrm{F_1 + F_2}$)を加えたもの(=総生産量 $111.0$ から各栄養段階の成長量の合計 $\mathrm{B_0 + B_1 + B_2}$ を引いたもの)として求められます。
(※もし「熱エネルギーとして生態系外へ失われる量(呼吸量の合計)」のみを指す場合は $\mathrm{E_0 + E_1 + E_2} = 23.0 + 14.5 + 7.5 = 45.0$、湖底への堆積分(未分解分)も含めて生物群集の現存量から失われる量を指す場合は $111.0 - (12.0 + 4.0 + 5.5) = 89.5$ となります。問題文の「分解されず湖底に堆積するものとし」という但し書きは「分解者の呼吸量を考慮しなくてよい」という意味であるため、両方の解釈の数値を併記しておくと万全です。)
- 解釈A(呼吸による熱放出のみを「生態系から失われる」とする場合):
$\mathrm{E_0 + E_1 + E_2} = 23.0 + 14.5 + 7.5 =$ $45.0\,\mathrm{cal/(cm^2 \cdot 年)}$ - 解釈B(呼吸量+未分解のまま湖底に堆積して生物群集から失われる量の合計とする場合):
$(\mathrm{E_0 + E_1 + E_2}) + (\mathrm{D_0 + D_1 + D_2}) + (\mathrm{F_1 + F_2}) = 45.0 + (7.0 + 0.5 + 0) + (35.0 + 2.0) =$ $89.5\,\mathrm{cal/(cm^2 \cdot 年)}$
過去問演習で時間を溶かしていませんか?
合格の鍵は「全科目の時間配分(バランス調整)」にあります。
私立医学部の入試は、1科目だけできても受かりません。「計算に時間をかけすぎて他科目が崩れる」「推薦対策と一般入試の両立で手が止まっている」——そんな悩みを、TMPS医学館のニックニ先生と一緒に50分で整理しませんか?
【出典・引用に関する表記】本ページで扱う入試問題の出典は各大学(順天堂大学 2025年度 入試問題)に帰属します。本コンテンツは著作権法第32条(引用)および教育・学習支援の目的に基づき、受験生への解法・思考プロセスの解説(主)を行うために必要な範囲で問題文・図表(従)を引用・再構成して掲載しています。解答・解説および図解の著作権はTMPS医学館に帰属します。