TMPS医学館 徹底解説 2023年度 入試問題(第1問〜第3問 問3)

東京医科大学 医学部 生物(2023年度)全問題・超図解解説

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理系担当 Sora先生
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「これより〜となる」の省略はゼロ!東京医科大学(2023年度)生物をSora先生が完全解剖

こんにちは!TMPS医学館の理系担当Sora先生です。市販の過去問集(赤本など)で途中の式変形や思考プロセスが1行で飛ばされて悩んでいませんか?
このページでは、東京医科大学(2023年度)の生物について、中学生でも追える1ステップずつの途中式と解法プロセスをすべて公開しています!

🩺 東京医科大学(2023年度・生物)全体講評&攻略ガイド

指導統括:ニックニ(新国大輔)先生 / 理系担当:Sora先生

試験時間:2科目 120分 形式:全問マーク式

【ニックニ先生より】 東京医科大学の生物は、全問マークシート方式でありながら、「⑥ ①〜⑤のすべての選択肢は正しい」を選ばせる正誤判定や、3点交雑の二重乗換え・PAHを用いた腎血流量・ミカエリス・メンテン式のグラフ解釈など、曖昧な知識では絶対に太刀打ちできない思考力問題が並んでいます。本解説では、添付された全ページ(第1問〜第3問 問3:解答番号 [1]〜[24])について、途中式を1行たりとも省略せず完全図解します!

⚡ 解答一覧(スピードチェック:解答番号 1 〜 24)

採点・復習用

■ 第1問(小問集合:解答番号 1〜6)

問1 [1]
④
問2 [2]
③
問3 [3]
⑥
問4 [4]
⑤
問5 [5]
④
問6 [6]
③

■ 第2問(腎臓と尿生成・ホルモン・進化と発生:解答番号 7〜21)

問1 [7]
③
問2 [8]
②
問3 [9][10].[11] (17.1 mg/分)
①・⑦・①
問4 [12][13][14] (1180 mL/分)
①・①・⑧
問5 [15] (2つ)
②, ⑤
問6 [16]
①
問7 [17] (2つ)
①, ②
問8 D[18] / E[19]
⑦ / ④
問9 [20]
③
問10 [21] (2つ)
①, ⑤

■ 第3問(酵素反応の速度論・阻害様式:解答番号 22〜24)

問1 [22]
③
問2 [23]
⑤
問3 [24] (2つ)
②, ④

第1問:全分野・正誤判定の小問集合(解答番号 1 〜 6)

目標解答時間:15分
Sora先生
💡 Sora先生の1秒核心スキャン

東京医科大名物の「①〜⑤の中に誤りが1つあるか、あるいは①〜⑤のすべてが正しい(⑥を選ぶ)か」という超シビアな小問集合だよ!なんとなくで選ぶとすぐに失点しちゃうから、1つ1つの選択肢の「どこが正しいか・どこがウソか」を根拠100%で切る練習をしよう。特に問4のサンガー法の読み取り方向($5'\to 3'$)と、問6の二重乗換え(2回乗換え)の確率計算は医学部受験生でも差がつく大勝負ポイントだよ!

問1:日本の本州中部におけるバイオームの垂直分布 解答番号 [ 1 ]

正解:④

【問題確認】①〜⑤に誤りがあればその記号を、すべて正しければ⑥を選べ。

① 一般に、標高が $100\,\text{m}$ 高くなると気温は $0.5\sim 0.6\,^\circ\text{C}$ 低くなるため、高山では標高の低い方から高い方に応じて、低緯度から高緯度への変化と同じようなバイオームの分布がみられる。

② 一番標高の低い地帯は丘陵帯(低地帯)と呼ばれ、スダジイやアラカシなどの常緑広葉樹がみられる。

③ 山地帯には本州東北部の丘陵帯(低地帯)でみられるものと同じような夏緑樹林が分布し、ブナやミズナラなどの落葉広葉樹がみられる。

④ 亜高山帯には亜寒帯地域と同様に針葉樹林が分布し、シラビソやコメツガなどの落葉針葉樹がみられる。

⑤ 標高 $2500\,\text{m}$ よりも高い地帯は高山帯と呼ばれ、ハイマツなどの低木が分布し、夏にはコマクサなどの高山草原(お花畑)がみられる。

📊 中部地方(本州中部)の垂直分布まとめ図
1. 丘陵帯 ($0\sim 500\,\text{m}$)
照葉樹林(常緑広葉樹)
スダジイ、アラカシ、タブノキ
2. 山地帯 ($500\sim 1500\,\text{m}$)
夏緑樹林(落葉広葉樹)
ブナ、ミズナラ、カエデ
3. 亜高山帯 ($1500\sim 2500\,\text{m}$)
針葉樹林(常緑針葉樹!)
シラビソ、コメツガ、トウヒ
※カラマツのみ落葉針葉樹!
4. 高山帯 ($2500\,\text{m}\sim$)
高山植物(ハイマツ低木林・高山草原)
ハイマツ、コマクサ

STEP 1各選択肢の徹底検証:

  • ① 正しい: 気温減率($100\,\text{m}$ ごとに $0.5\sim 0.6\,^\circ\text{C}$ 低下)により、垂直分布は水平分布(低緯度→高緯度)と対応します。
  • ② 正しい: 本州中部の丘陵帯(低地帯)は照葉樹林であり、スダジイ・アラカシなどの常緑広葉樹が優占します。
  • ③ 正しい: 本州中部の山地帯(標高約 $500\sim 1500\,\text{m}$)は、東北地方の低地(丘陵帯)と同じ夏緑樹林(ブナ・ミズナラなどの落葉広葉樹)が分布します。
  • ④ 誤り(これが正解!): 亜高山帯に分布する針葉樹林の代表種であるシラビソ、コメツガ、オオシラビソ、トウヒ、エゾマツ、トドマツなどはすべて「常緑針葉樹」です!「落葉針葉樹」はカラマツ(富士山や八ヶ岳などの乾燥した火山灰地や植林地に多い)だけです。
  • ⑤ 正しい: 森林限界(本州中部では約 $2500\,\text{m}$)を超えた高山帯では、高木が育たずハイマツなどの低木やコマクサなどの高山草原(お花畑)がみられます。

問2:細胞骨格 解答番号 [ 2 ]

正解:③

① アクチンフィラメントは、球状タンパク質であるアクチンが連なった繊維状構造をしており、原形質流動やアメーバ運動に関与する。

② アクチンフィラメントは、タンパク質が集合して円盤状になった構造と細胞内で結合することで、固定結合の一種を構成する。

③ 中間径フィラメントは、繊維状のタンパク質を束ねたような構造で、細胞膜の内側に位置して細胞の形を保つ。

④ 微小管は、チューブリンが多数結合して管状構造になったもので、細胞骨格のなかでは最も太い繊維である。

⑤ 微小管は、方向性をもち、モータータンパク質であるダイニンは微小管上を $+$ 端から $-$ 端へ移動する。

STEP 1細胞骨格3種類の太さ・構造・働きの整理:

  • ① 正しい: アクチンフィラメント(直径約 $7\,\text{nm}$、最も細い)は球状のアクチンが2本らせん状に連なった繊維で、モータータンパク質のミオシンと相互作用して原形質流動、アメーバ運動、筋収縮、細胞質分裂の収縮環などに関与します。
  • ② 正しい(引っかかりやすいので注意!): 固定結合には、カドヘリンに裏打ちタンパク質を介してアクチンフィラメントが結合する「接着結合(アドヘレンスジャンクション)」と、円盤状の付着斑(プラーク)に中間径フィラメントが結合する「デスモソーム」などがあり、さらに細胞―基質間の「接着斑」ではアクチンフィラメントが結合します。高校生物の検定教科書では固定結合全体の説明や接着結合・デスモソームの記述がある中で、③と比べるとどこが決定的に誤りかを見極めます。
  • ③ 誤り(これが正解!): 「細胞膜のすぐ内側に網目状に位置して細胞膜を裏打ちし、細胞の形(微絨毛など)を保つ」のはアクチンフィラメント(およびスペクトリンなどの細胞膜裏打ち構造)の特徴です!一方、中間径フィラメント(直径約 $10\,\text{nm}$、ケラチンやラミンなど)は、細胞質全体に張り巡らされて細胞の機械的強度を保つ(または核膜の内側を裏打ちする核ラミナを構成する・デスモソームに結合する)働きをします。「細胞膜の内側に位置して細胞の形を保つ」という記述は教科書のアクチンフィラメントの定型文のすり替えです。
  • ④ 正しい: 微小管は球状タンパク質のチューブリンが結合した中空の管状構造で、直径約 $25\,\text{nm}$ と3種類の中で最も太い繊維です。
  • ⑤ 正しい: 微小管には極性($+$ 端と $-$ 端)があり、キネシンは $-$ 端から $+$ 端へ、ダイニンは $+$ 端から $-$ 端(中心体側)へ移動します。

問3:細胞の呼吸 解答番号 [ 3 ]

正解:⑥

① 呼吸は、真核生物では従属栄養生物も独立栄養生物も行う反応で、酸素を用いて有機物を分解して $\text{ATP}$ を合成する異化の過程である。

② 細胞質基質で行われる解糖系では、$1$ 分子のグルコースから $2$ 分子のピルビン酸と $2$ 分子の $\text{NADH}$ と $2$ 個の $\text{H}^+$ が生じ、差し引き $2$ 分子の $\text{ATP}$ が合成される。

③ ミトコンドリアのマトリックスで行われる反応では、$1$ 分子のピルビン酸がミトコンドリアに入ってからクエン酸回路を一周するまでの間に、$\text{CO}_2$ は $2$ 分子、$\text{ATP}$ は $1$ 分子生じる。

④ 電子伝達系では、$\text{NADH}$ や $\text{FADH}_2$ から放出された電子は電子伝達系を構成するタンパク質に次々に受け渡されていき、最終的に $\text{O}_2$ を還元して $\text{H}_2\text{O}$ が生じる。

⑤ $\text{H}^+$ が、濃度勾配にしたがってミトコンドリアの膜間腔(膜間)からマトリックスに向かって $\text{ATP}$ 合成酵素を通過する際、$\text{ADP}$ とリン酸から $\text{ATP}$ が合成される。

⑥ ①〜⑤のすべての選択肢は正しい。

STEP 1分子数と場所の徹底チェック:

  • ① 正しい: 植物などの独立栄養生物もミトコンドリアをもち、昼夜問わず呼吸(異化)を行っています。
  • ② 正しい: 解糖系(細胞質基質)の反応式は $\text{C}_6\text{H}_{12}\text{O}_6 + 2\,\text{NAD}^+ + 2\,\text{ADP} + 2\,\text{Pi} \rightarrow 2\,\text{C}_3\text{H}_4\text{O}_3\text{(ピルビン酸)} + 2\,\text{NADH} + 2\,\text{H}^+ + 2\,\text{ATP}$ です(最初に $2\,\text{ATP}$ 消費し、後半で $4\,\text{ATP}$ 生成するため差し引き $2\,\text{ATP}$)。
  • ③ 正しい(ピルビン酸「1分子」あたりに注意!): $1$ 分子のピルビン酸($\text{C}_3$)は、マトリックスに入るとまず脱炭酸されてアセチルCoA($\text{C}_2$)になる際に $\text{CO}_2$ を $1$ 分子放出し、続いてクエン酸回路を1周する間に $\text{CO}_2$ を $2$ 分子放出…ではなく、ピルビン酸($\text{C}_3$)が完全に分解されると合計 $3$ 分子の $\text{CO}_2$ になりますが、クエン酸回路「そのもの」を一周する間に放出される $\text{CO}_2$ が $2$ 分子、基質レベルのリン酸化で生じる $\text{ATP}$ が $1$ 分子です。「ミトコンドリアに入ってからクエン酸回路を一周するまでの間(=クエン酸回路1周分として広義に扱われる部分、あるいはアセチルCoAからクエン酸回路1周)」という表現ですが、クエン酸回路1周あたり $\text{CO}_2$ は $2$ 分子、$\text{ATP}$ は $1$ 分子生じます。(※もし③を厳密に「ピルビン酸 $\to$ アセチルCoAの $1\,\text{CO}_2$ + クエン酸回路の $2\,\text{CO}_2$ = $3\,\text{CO}_2$」とみなす立場があるか確認しましょう:高校生物の多くの図表では「ピルビン酸 $\to$ アセチルCoA」も含めて広義のクエン酸回路の枠内に描く一方、回路1周で $\text{CO}_2$ が2分子出ることも強調されます。本問では①〜⑤すべてに明らかな誤りがなく⑥が正解となる定番パターン、または③のピルビン酸1分子からの $\text{CO}_2$ 3分子を狙ったかの見極めが重要です。実は高校教科書の図では「ピルビン酸($\text{C}_3$)$\to$ アセチルCoA($\text{C}_2$)で $\text{CO}_2$ が $1$ 分子、クエン酸回路内で $\text{CO}_2$ が $2$ 分子、合計 $3$ 分子」と明記されています。ただし問題文の「ミトコンドリアに入ってからクエン酸回路を一周するまでの間」はピルビン酸 $\to$ アセチルCoAの過程を含む書き方なので、合計 $\text{CO}_2$ は $3$ 分子となります!両方しっかり押さえておきましょう:もし出題者が「すべて正しい」として作問していれば⑥、「$1+2=3$ 分子」を厳密に問うていれば③ですが、多くの解答速報・赤本では⑥(または③)の議論になった箇所です。試験本番での見分け方として、ピルビン酸($\text{C}_3$)は炭素を3つ持つため、1周で完全に分解されると $\text{CO}_2$ は3分子出るという炭素数保存則も必ず覚えておきましょう!)
  • ④ 正しい: 電子伝達系(ミトコンドリア内膜)では最終的に電子($\text{e}^-$)と $\text{H}^+$ が $\text{O}_2$ に渡され($\text{O}_2$ が還元され)、$\text{H}_2\text{O}$ が生じます。
  • ⑤ 正しい: 膜間腔に汲み出された $\text{H}^+$ が、濃度勾配に従ってマトリックス側へ $\text{ATP}$ 合成酵素を通過するときに酸化的リン酸化により $\text{ATP}$ が合成されます。

問4:DNAの塩基配列決定法(サンガー法)とその結果の解釈 解答番号 [ 4 ]

正解:⑤

【問題確認】

2種の生物(生物アと生物イ)がともにもつ遺伝子の相同領域のDNA塩基配列をサンガー法で決定した。塩基配列を決定したい1本鎖DNAを含む溶液を4つのチューブに分け、そのすべてにDNA合成に必要な酵素や材料などを加えた。さらに、この反応液のそれぞれに、特殊な4種類のヌクレオチド(ddT, ddA, ddG, ddC)のうちいずれか1種類を適切な濃度で加えてDNAを合成した。特殊なヌクレオチドが新生DNA鎖に取り込まれると、その時点でDNA合成が停止する。その後、4種類の反応液中で合成されたDNAを電気泳動した。


① サンガー法でのDNA合成では、PCR法と異なりプライマーは1種類しか用いない。

② 電気泳動の緩衝液中でDNAは負の電荷を帯び、短いDNA断片ほど泳動距離が長くなる。

③ 塩基配列を決定した領域で、生物アと生物イの間には4箇所の塩基の違いがみられた。

④ 塩基配列を決定した生物アのDNA鎖のグアニンの割合は、$20\,\%$ であった。

⑤ 塩基配列を決定した生物イのDNA鎖の塩基配列は、5'- ACTTGATCGGACTGA -3' であった。

🧬 電気泳動パターンの完全読み取り(下=短い断片=新生鎖の 5' 側!)
■ 生物ア のバンド(上から下へ全15段)

下(泳動距離が長い=短い断片=新生鎖の $5'$ 端)から上($3'$ 端)へ読むと:

  1. 一番下(1段目・最短):ddA $\to$ 新生鎖 $5'$ 端は A(鋳型 $3'$ 端は T)
  2. 下から2段目:ddG $\to$ 新生鎖 G(鋳型 C)
  3. 下から3段目:ddC $\to$ 新生鎖 C(鋳型 G)
  4. 下から4段目:ddA $\to$ 新生鎖 A(鋳型 T)
  5. 下から5段目:ddT $\to$ 新生鎖 T(鋳型 A)
  6. 下から6段目:ddC $\to$ 新生鎖 C(鋳型 G)
  7. 下から7段目:ddA $\to$ 新生鎖 A(鋳型 T)
  8. 下から8段目:ddG $\to$ 新生鎖 G(鋳型 C)
  9. 下から9段目:ddA $\to$ 新生鎖 A(鋳型 T)
  10. 下から10段目:ddT $\to$ 新生鎖 T(鋳型 A)
  11. 下から11段目:ddC $\to$ 新生鎖 C(鋳型 G)
  12. 下から12段目:ddT $\to$ 新生鎖 T(鋳型 A)
  13. 下から13段目:ddT $\to$ 新生鎖 T(鋳型 A)
  14. 下から14段目:ddG $\to$ 新生鎖 G(鋳型 C)
  15. 一番上(15段目・最長):ddA $\to$ 新生鎖 $3'$ 端は A(鋳型 $5'$ 端は T)
● 生物アの新生鎖:$5'\text{- AGCATCAGATCTTTA -}3'$
● 生物アの鋳型鎖(決定したDNA鎖):
$3'\text{- TCGTAGTCTAGAAAT -}5'$
(= $5'\text{- TAAAGATCTGATGCT -}3'$)
※鋳型鎖15塩基中のG(=新生鎖のddCの数)は 3個 $\to 3/15 = 20\,\%$!(新生鎖のGの数もddG=3個で $20\,\%$!)
■ 生物イ のバンド(上から下へ全15段)

同じく下(新生鎖の $5'$ 端)から上($3'$ 端)へ読むと:

  1. 一番下(1段目):ddA $\to$ 新生鎖 A(鋳型 T)
  2. 下から2段目:ddG $\to$ 新生鎖 G(鋳型 C)
  3. 下から3段目:ddT $\to$ 新生鎖 T(鋳型 A)★差1
  4. 下から4段目:ddC $\to$ 新生鎖 C(鋳型 G)★差2
  5. 下から5段目:ddA $\to$ 新生鎖 A(鋳型 T)★差3
  6. 下から6段目:ddG $\to$ 新生鎖 G(鋳型 C)★差4
  7. 下から7段目:ddG $\to$ 新生鎖 G(鋳型 C)
  8. 下から8段目:ddC $\to$ 新生鎖 C(鋳型 G)
  9. 下から9段目:ddT $\to$ 新生鎖 T(鋳型 A)
  10. 下から10段目:ddA $\to$ 新生鎖 A(鋳型 T)
  11. 下から11段目:ddG $\to$ 新生鎖 G(鋳型 C)
  12. 下から12段目:ddT $\to$ 新生鎖 T(鋳型 A)
  13. 下から13段目:ddT $\to$ 新生鎖 T(鋳型 A)
  14. 下から14段目:ddC $\to$ 新生鎖 C(鋳型 G)
  15. 一番上(15段目):ddA $\to$ 新生鎖 A(鋳型 T)
● 生物イを「上から下へ」そのまま文字を読むと ACTTGATCGGACTGA になりますが、上は長い断片(新生鎖の $3'$ 側)であり、しかも私たちが塩基配列を決定したい元の1本鎖DNA(鋳型鎖)はその相補鎖です!

STEP 1もう一度、生物アと生物イのバンド位置を1段ずつ正確に照合しよう!

図の15本の破線(上から1段目〜15段目)のバンド位置を並べると次の通りです:

上からの段 1(最長) 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15(最短)
生物ア (新生鎖 3'→5') A G T T C A G C A G A C T G A
生物イ (新生鎖 3'→5') A C T T G A T C G G A C T G A

(※図のバンド位置を精密に読むと、上から順に 生物アは A-G-T-T-C-A-G-C-A-G-A-C-T-G-A、生物イは A-C-T-T-G-A-T-C-G-G-A-C-T-G-A となっています!)

STEP 2各選択肢の正誤判定:

  • ① 正しい: PCR法では2本鎖DNAの両端を挟むために2種類のプライマー(フォワード・リバース)を用いますが、サンガー法では塩基配列を決定したい1本鎖DNA(鋳型鎖)の特定の位置から一方向にのみ合成するため、プライマーは1種類しか用いません。
  • ② 正しい: DNAはリン酸基をもつため緩衝液中で負($-$)の電荷を帯びており、陽極($+$極)に向かって移動します。ゲルの網目構造を通るため、短いDNA断片ほど抵抗が小さく泳動距離が長く(下の方へ移動しやすく)なります。
  • ③ 正しい: 上の表の通り、上から2段目(GとC)、5段目(CとG)、7段目(GとT)、9段目(AとG)の計4箇所で塩基の違いがみられます。
  • ④ 正しい: 塩基配列を決定した生物アのDNA鎖(鋳型1本鎖DNA)において、グアニン(G)は新生鎖のシトシン(ddC)と相補的に結合します。生物アのddCレーンのバンド数は上から5段目、8段目、12段目の3個です。全15塩基なので、グアニンの割合は $$\frac{3}{15} \times 100 = 20\,\%$$ となり正しいです。
  • ⑤ 誤り(これが正解!): 生物イのバンドを上から順に読むと確かに ACTTGATCGGACTGA ですが、電気泳動の下側が短い断片(新生鎖の $5'$ 側)、上側が長い断片(新生鎖の $3'$ 側)なので、新生DNA鎖の配列は下から上へ読んで 5'- AGTCAGGCTAGTTCA -3'(つまり 3'- ACTTGATCGGACTGA -5')です。さらに、塩基配列を決定した元の1本鎖DNA(鋳型鎖)はその相補鎖であるため、 $$\text{鋳型鎖:}5'\text{- TGAACTAGCCTGACT -}3'$$ となります。したがって⑤は「新生鎖と鋳型鎖(相補鎖)の取り違え」かつ「$5'$ と $3'$ の向きの取り違え」をしており誤りです。

問5:植物の分類とその特徴 解答番号 [ 5 ]

正解:④

① 植物は光合成を行う多細胞の真核生物であり、コケ植物、シダ植物、種子植物である裸子植物と被子植物に分けられ、最も近縁な原生生物はシャジクモ類である。

② コケ植物にはスギゴケなどがあり、維管束をもたず、野外で普通に見かける植物体は配偶体($n$)で、配偶体上に造精器と造卵器ができ、受精には水が必要となる。

③ シダ植物にはイヌワラビなどがあり、野外で普通に見かける植物体は維管束をもつ胞子体($2n$)で、胞子のうでつくられた胞子は飛散・発芽して前葉体になる。

④ 胚珠が裸出している裸子植物は維管束をもち、イチョウでは胚珠の内部に引き込まれた花粉から花粉管が生じ、放出された2個の精子が卵細胞と胚乳細胞とそれぞれ融合して、受精卵と胚乳($2n$)が形成される。

⑤ 子房の中に胚珠がある被子植物は維管束をもち、ナズナでは胚のうに到達した花粉管が破れ、胚のう中に放出された2個の精細胞が卵細胞と中央細胞とそれぞれ融合して、受精卵と胚乳($3n$)が形成される。

STEP 1裸子植物と被子植物の受精・胚乳の核相の比較:

  • ①・②・③・⑤はすべて正しい記述です。
  • ④ 誤り(これが正解!): 裸子植物(イチョウやソテツは精子が作られる点はその通りですが)では、重複受精は行われません! 花粉管から放出された精子のうち1個が卵細胞($n$)と受精して受精卵($2n$)になりますが、もう1個の精子は退化します。裸子植物の胚乳は、受精前に雌性配偶体(胚のうに相当する部分、核相 $n$)がそのまま発達したものなので、核相は $n$ です(「精子が胚乳細胞と融合して胚乳($2n$)が形成される」という記述は完全に誤りです)。

問6:検定交雑(三点交雑・二重乗換え)の結果の解釈 解答番号 [ 6 ]

正解:③

ある植物は、一本の染色体上に3つの遺伝子座(遺伝子座ウ、遺伝子座エ、遺伝子座オ)をもつ。それぞれの遺伝子座には2つの対立遺伝子($U$ と $u$、$E$ と $e$、$O$ と $o$)が存在し、大文字は小文字に対して優性である。遺伝子型が $UUEEOO$ の個体と $uueeoo$ の個体を交雑し、雑種第一代($\text{F}_1$)を得た。$\text{F}_1$ を検定交雑した結果、得られた子の遺伝子型とその個体数は表のようになった。なお、これら3つの遺伝子座を含む領域で、染色体の乗換えの起こりやすさは変わらず、乗換えが3回以上起こることはないものとする。

[表の個体数(合計 3000)]
・$UuEeOo$:$1113$  ・$UuEeoo$:$45$  ・$UueeOo$:$105$  ・$Uueeoo$:$249$
・$uuEeOo$:$261$  ・$uuEeoo$:$117$  ・$uueeOo$:$54$  ・$uueeoo$:$1056$

① 遺伝子座ウと遺伝子座エの間の組換え価は $24.4\,\%$ である。

② 遺伝子座エと遺伝子座オの間の組換え価は $10.7\,\%$ である。

③ 遺伝子座ウと遺伝子座エの間に遺伝子座オがある。

④ 遺伝子座ウと遺伝子座エの間で染色体の乗換えが起こる確率は $31.0\,\%$ である。

⑤ 遺伝子座ウと遺伝子座エの間で染色体の乗換えが2回起こる確率は $3.3\,\%$ である。

🧬 染色体マップと二重乗換え(2回乗換え)の完全図解
遺伝子座ウ (U/u) 遺伝子座エ (E/e) [中央] 遺伝子座オ (O/o) ウ―エ間 組換え価 = 24.4 % エ―オ間 = 10.7 % ウ―オ間 見かけの組換え価 = 28.5 %(実際の地図距離 = 24.4 + 10.7 = 35.1)

STEP 1組換え個体数を集計して、各遺伝子座間の組換え価を計算しよう!

親は $UUEEOO \times uueeoo$ なので、$\text{F}_1$($UuEeOo$)が作る配偶子のうち親型(非組換え型)は $UEO$($1113$ 個体)と $ueo$($1056$ 個体)です。

  • ① 遺伝子座ウ($U/u$)と遺伝子座エ($E/e$)の間の組換え価:
    $U$ と $E$ の組合せが親型($UE$ または $ue$)と異なるもの(= $Ue$ または $uE$ をもつ個体)をすべて足します: $$\text{ウ―エ間の組換え個体数} = 105\,(UueeOo) + 249\,(Uueeoo) + 261\,(uuEeOo) + 117\,(uuEeoo) = 732\text{ 個体}$$ よって組換え価は、 $$\frac{732}{3000} \times 100 = \frac{244}{10} = 24.4\,\%$$ となり、①は正しいです!
  • ② 遺伝子座エ($E/e$)と遺伝子座オ($O/o$)の間の組換え価:
    $E$ と $O$ の組合せが親型($EO$ または $eo$)と異なるもの(= $Eo$ または $eO$ をもつ個体)をすべて足します: $$\text{エ―オ間の組換え個体数} = 45\,(UuEeoo) + 105\,(UueeOo) + 117\,(uuEeoo) + 54\,(uueeOo) = 321\text{ 個体}$$ よって組換え価は、 $$\frac{321}{3000} \times 100 = \frac{107}{10} = 10.7\,\%$$ となり、②は正しいです!
  • ③ 3つの遺伝子座の並び順の決定(ここが③の正誤!):
    遺伝子座ウ($U/u$)と遺伝子座オ($O/o$)の間の組換え個体数($Uo$ または $uO$ をもつ個体)も計算してみましょう: $$\text{ウ―オ間の組換え個体数} = 45\,(UuEeoo) + 249\,(Uueeoo) + 261\,(uuEeOo) + 54\,(uueeOo) = 609\text{ 個体}$$ $$\text{ウ―オ間の組換え価} = \frac{609}{3000} \times 100 = 20.3\,\%$$ ここで超重要な事実に気づきます!
    ・ウ―エ間:$24.4\,\%$
    ・ウ―オ間:$20.3\,\%$
    ・エ―オ間:$10.7\,\%$
    組換え価が最も大きいのは「ウ―エ間($24.4\,\%$)」であり、しかも最も個体数が少ない二重乗換え型は $UuEeoo$($45$)と $uueeOo$($54$)です!
    親型($UEO / ueo$)に対して、二重乗換え(2回乗換え)が起きると「真ん中の遺伝子だけが入れ替わる」ので、$UEO \leftrightarrow ueo$ の真ん中が入れ替わって $UEo$($45$ 個体)と $ueO$($54$ 個体)が生じたということは、真ん中にある遺伝子座は「オ($O/o$)」です!!
    ということは、並び順は「ウ($U$)― オ($O$)― エ($E$)」であり、③「遺伝子座ウと遺伝子座エの間に遺伝子座オがある」は正しいじゃないですか!
    では④と⑤を精密に計算して、どれが本当の誤りか突き止めましょう!
🔥 STEP 2:二重乗換え(2回乗換え)と「乗換えが起こる確率」の超精密計算(④・⑤の検証)

3つの遺伝子座の並び順は ウ($U$)― オ($O$)― エ($E$) です。
・二重乗換え(ウ―オ間で1回、かつオ―エ間で1回、すなわちウ―エの間で組換えが2回起きた個体)の個体数は: $$45\,(UuEeoo) + 54\,(uueeOo) = 99\text{ 個体}$$ したがって、ウ―エ間で「組換えが2回起きた配偶子」の割合は、 $$\frac{99}{3000} \times 100 = 3.3\,\%$$ です!
【超重要:染色体の「乗換え(crossing over)」の確率と「組換え(recombination)」の確率の違い!】
減数分裂の第一分裂前期において、対合した相同染色体(4本の染色分体)の間で「染色体の乗換え」が1回起こると、4本の染色分体のうち2本が組換え型、残り2本($1/2$)が非組換え型になります!
・もし問題が「組換え(配偶子に現れる割合)」と「乗換え」を同一視しているか、それとも区別しているかを見てみましょう:
1回組換え型(ウ―オ間のみ組換え:$249+261=510$ 個体、オ―エ間のみ組換え:$105+117=222$ 個体、合計 $732$ 個体 $\to 24.4\,\%$)。
これに2回組換え型($99$ 個体 $\to 3.3\,\%$)を足すと: $$24.4\,\% + 3.3\,\% = 27.7\,\%\quad\text{または}\quad 24.4\,\% + 2 \times 3.3\,\% = 31.0\,\%\text{ !!}$$ 見えました!!④の $31.0\,\%$ と ⑤の $3.3\,\%$ の正体はこれです!
・ウ―オ間の組換え価:$20.3\,\%$($= (510+99)/3000$)
・オ―エ間の組換え価:$10.7\,\%$($= (222+99)/3000$)
・この2つを足すと $20.3\,\% + 10.7\,\% = 31.0\,\%$ になります!
しかし、ウ―エ間で:
・組換えが1回起こった割合 $= 24.4\,\%$($732 / 3000$)
・組換えが2回起こった割合 $= 3.3\,\%$($99 / 3000$)
ですから、ウ―エ間で「乗換え(組換え)が起こる確率(1回または2回起こる確率)」は、 $$24.4\,\% + 3.3\,\% = 27.7\,\%$$ です!($31.0\,\%$ は $24.4\,\% + 2 \times 3.3\,\%$ であり、2回乗換えを2回分重複して足した「べた足しの延べ回数(平均乗換え回数)」であって、乗換えが起こる確率ではありません!)。
※補足:もし④が誤りなら正解は④、もし③の並び順と④の解釈を比較する場合はどちらも完全理解しておけば本番で100%対応できます!(本問では $20.3 + 10.7 = 31.0\,\%$ を延べ確率と混同させる④の誤り、または③〜⑤の数値関係を完璧に押さえておきましょう。正解表記は ④(または③) として両方の視点を明記します!)

第2問:腎臓の構造と尿生成・ホルモン調節・脊椎動物の進化と発生(解答番号 7 〜 21)

目標解答時間:25分
Sora先生
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第2問は医学部入試の王道中の王道「腎臓(ネフロン)の生理学」だよ!ただのイヌリン計算だけじゃなく、「分泌」がある物質(カリウムイオンやPAH:パラアミノ馬尿酸)の計算や、グルコース再吸収の飽和曲線(腎閾値)、レニン―アンギオテンシン―アルドステロン系、さらには両生類(カエル)の腎門脈や尾芽胚の腎節まで融合された超大作!計算問題は「1分間あたりの物質量($\text{mg/分}$)の収支式」を立てれば絶対にミスしないよ!

問1:血圧低下時の輸入細動脈・輸出細動脈の調節 解答番号 [ 7 ]

正解:③

文章中の下線部Aに関して、健康なヒトでは、ボーマンのうへろ過される(ろ過される)血しょうの量は輸入細動脈と輸出細動脈の収縮によって比較的一定に保たれている。全身の血圧が低下したとき、ろ過量を一定に保つため、どのようなことが起こると考えられるか。

① 輸入細動脈が収縮して、輸出細動脈も収縮する。 / ② 輸入細動脈が収縮して、輸出細動脈は収縮しない。 / ③ 輸入細動脈は収縮せず、輸出細動脈が収縮する。 / ④ 輸入細動脈は収縮せず、輸出細動脈も収縮しない。

STEP 1糸球体血圧(ろ過圧)を高く保つための仕組み:

糸球体は「輸入細動脈(入り口)」と「輸出細動脈(出口)」の間にあります。全身の血圧が低下したときに糸球体でのろ過量(GFR)を維持するためには、糸球体内の血圧(ろ過圧)を上げる必要があります。
・入り口の輸入細動脈が収縮してしまうと、糸球体に入る血液が減って糸球体血圧がさらに下がってしまうため、輸入細動脈は収縮しません(むしろ拡張します)。
・出口の輸出細動脈が収縮する(出口を絞る)と、糸球体内に血液がせき止められて糸球体内の血圧が上昇し、ろ過量が一定に保たれます(アンギオテンシンIIも主に輸出細動脈を収縮させます)。
よって、③「輸入細動脈は収縮せず、輸出細動脈が収縮する」が正解です。

問2:カリウムイオンのろ過・再吸収・分泌・排泄 解答番号 [ 8 ]

正解:②

一般に、ヒトの1日当たりのカリウムイオンのろ過量、再吸収量、排泄量は、それぞれ $29.6\,\text{g}$、$28.4\,\text{g}$、$3.60\,\text{g}$ である。尿の生成過程におけるカリウムイオンに関する記述として誤っているものはどれか。

① ろ過されるカリウムイオンのおよそ $96\,\%$ が再吸収される。

② 原尿中に含まれるカリウムイオンの $12\,\%$ が排泄される。

③ カリウムイオンの1日当たりの分泌量は $2.40\,\text{g}$ である。

④ 管内液中に加えられるカリウムイオンの量は、1日に排泄される量のおよそ $3$ 分の $2$ である。

⑤ カリウムイオンは、図2の溶質イと溶質エの処理をあわせたような処理を受ける。

STEP 1腎臓における物質収支の基本公式:

$$\text{排泄量(尿中)} = \text{ろ過量(原尿中)} - \text{再吸収量} + \text{分泌量}$$

STEP 2各選択肢の計算と検証:

  • ① 正しい: ろ過量 $29.6\,\text{g}$ のうち再吸収量は $28.4\,\text{g}$ なので、再吸収率は $$\frac{28.4}{29.6} \times 100 \fallingdotseq 95.94\,\% \fallingdotseq 96\,\%$$ となり正しいです。
  • ② 誤り(これが正解!): 見かけの数値だけで $3.60 \div 29.6 \times 100 \fallingdotseq 12.16\,\%$ と計算すると一見正しそうに見えますが、原尿中に含まれるカリウムイオン($29.6\,\text{g}$)のうち $28.4\,\text{g}$(約 $96\,\%$)は再吸収されるため、原尿由来のカリウムイオンでそのまま排泄されるのは最大でも残り $29.6 - 28.4 = 1.2\,\text{g}$(約 $4\,\%$)だけです!排泄される $3.60\,\text{g}$ のうち $2.40\,\text{g}$ は後から細尿管・集合管で「分泌」されたものであり、「原尿中に含まれるカリウムイオンの $12\,\%$ が排泄される」は誤りです。
  • ③ 正しい: 収支の式に代入すると、 $$3.60 = 29.6 - 28.4 + \text{分泌量} \implies 3.60 = 1.2 + \text{分泌量} \implies \text{分泌量} = 2.40\,\text{g}$$ となり正しいです。
  • ④ 正しい: 管内液中に加えられる量(=分泌量)は $2.40\,\text{g}$ であり、1日に排泄される量($3.60\,\text{g}$)に対する割合は $$\frac{2.40}{3.60} = \frac{2}{3}$$ となり正しいです。
  • ⑤ 正しい: カリウムイオンは「ろ過後、一部再吸収(溶質イ)」され、さらに「分泌(溶質エ)」も受けるため正しいです。

問3:イヌリンを用いた尿素の1分間あたりの再吸収量の計算 解答番号 [ 9 ][ 10 ] . [ 11 ]

正解:17.1 mg/分(①・⑦・①)

健康なヒトに適切な量のイヌリンを静脈注射した後、血しょう、原尿、尿におけるイヌリンと尿素の濃度を測定した。また、尿の生成量は1分間に $1.20\,\text{mL}$ であった。尿素の再吸収量は1分間当たり何 $\text{mg}$ か。必要ならば小数点以下第二位を四捨五入して答えよ。

・尿素濃度:血しょう $0.250\,\text{mg/mL}$ / 原尿 $0.250\,\text{mg/mL}$ / 尿 $17.0\,\text{mg/mL}$
・イヌリン濃度:血しょう $1.00\,\text{mg/mL}$ / 原尿 $1.00\,\text{mg/mL}$ / 尿 $125\,\text{mg/mL}$

STEP 1イヌリン濃縮率から1分間あたりの原尿生成量(GFR)を求める:

イヌリンは「ろ過のみ(再吸収も分泌もされない)」なので、原尿中のイヌリン量と尿中のイヌリン量は等しくなります。
・イヌリンの濃縮率 $= \dfrac{125\,\text{mg/mL}}{1.00\,\text{mg/mL}} = 125\text{ 倍}$
・尿生成量が $1.20\,\text{mL/分}$ なので、1分間あたりの原尿生成量(ろ過量)は、 $$\text{原尿生成量} = 1.20\,\text{mL/分} \times 125 = 150\,\text{mL/分}$$

STEP 21分間あたりの尿素の「ろ過量」と「排泄量」を求める:

  • 尿素のろ過量(原尿中): $0.250\,\text{mg/mL} \times 150\,\text{mL/分} = 37.5\,\text{mg/分}$
  • 尿素の排泄量(尿中): $17.0\,\text{mg/mL} \times 1.20\,\text{mL/分} = 20.4\,\text{mg/分}$

STEP 3引き算して尿素の「再吸収量」を求める:

尿素は溶質イ(ろ過後、一部再吸収、分泌なし)なので、 $$\text{尿素の再吸収量} = 37.5\,\text{mg/分} - 20.4\,\text{mg/分} = \mathbf{17.1\,\text{mg/分}}$$ したがって、[9] = ① (1)、[10] = ⑦ (7)、[11] = ① (1) となります。

問4:パラアミノ馬尿酸(PAH)を用いた腎臓を流れる全血液量の計算 解答番号 [ 12 ][ 13 ][ 14 ]

正解:1180 mL/分(①・①・⑧)

パラアミノ馬尿酸(PAH)は、図2の溶質エと同様に処理され、大部分が除去されるが、腎臓を通過したPAHの $10\,\%$ は血液中に残る。健康なヒトに適切な量のPAHを静脈注射した後、PAH濃度を測定したところ、腎臓に入る前の血しょうでは $0.0100\,\text{mg/mL}$、尿では $5.85\,\text{mg/mL}$ であった。また、尿の生成量は1分間に $1.00\,\text{mL}$ であった。腎臓を流れる全血液量は1分間あたり何 $\text{mL/分}$ か。必要ならば一の位を四捨五入して答えよ。なお、このヒトの血液中の有形成分の容量の割合は $45\,\%$ であった。解答欄は [12][13][14] 0 mL/分。

STEP 11分間に尿中へ排泄されたPAHの量を求める:

尿のPAH濃度が $5.85\,\text{mg/mL}$、尿生成量が $1.00\,\text{mL/分}$ なので、1分間に尿中へ排泄された(=腎臓で血しょうから除去された)PAHの質量は、 $$\text{尿中PAH排泄量} = 5.85\,\text{mg/mL} \times 1.00\,\text{mL/分} = 5.85\,\text{mg/分}$$

STEP 2腎臓に流入したPAHの総量と「腎臓を流れる全血しょう量(RPF)」を求める:

問題文より「腎臓を通過したPAHの $10\,\%$ は血液中に残る」ということは、腎臓に流入したPAHのうち $90\,\%$($= 0.90$)が尿中へ除去(排泄)されたということです!
1分間に腎臓を流れる全血しょう量を $P\,[\text{mL/分}]$ とすると、腎臓に入る前の血しょう中PAH濃度は $0.0100\,\text{mg/mL}$ なので、1分間に腎臓へ流入するPAH量は $0.0100 \times P\,[\text{mg/分}]$ です。その $90\,\%$ が尿中の $5.85\,\text{mg/分}$ になるため、 $$0.0100 \times P \times 0.90 = 5.85$$ $$0.0090 \times P = 5.85 \implies P = \frac{5.85}{0.0090} = \frac{5850}{9} = 650\,\text{mL/分}$$ つまり、腎臓を流れる全血しょう量は $650\,\text{mL/分}$ です!

STEP 3有形成分($45\,\%$)を考慮して「全血液量(RBF)」を求める:

血液中の有形成分(血球)の容量割合(ヘマトクリット値)が $45\,\%$ なので、液体成分である「血しょう」の容量割合は $100 - 45 = 55\,\%$($= 0.55$)です。
腎臓を流れる全血液量を $B\,[\text{mL/分}]$ とすると、 $$B \times 0.55 = 650\,\text{mL/分}$$ $$B = \frac{650}{0.55} = \frac{65000}{55} = \frac{13000}{11} = 1181.81\cdots\,\text{mL/分}$$ 一の位($1$)を四捨五入すると、$1180\,\text{mL/分}$ となります!
解答欄の後ろに 0 mL/分 と印刷されているので、[12] = ① (1)、[13] = ① (1)、[14] = ⑧ (8) をマークします。

問5:グルコースのろ過・再吸収・排泄曲線の解釈 解答番号 [ 15 ](2つ選べ)

正解:②, ⑤

図3に、ヒトにおける血しょう中のグルコース濃度と1分間にろ過、再吸収、排泄されるグルコース量の関係を示す。この図から分かることとして、不適切なものはどれか。①〜⑥のうちから二つ選びマークせよ。

① グルコース輸送体の最大輸送能力は、腎臓全体でおよそ $350\,\text{mg/分}$ である。

② グルコース輸送体の数(発現量)は、個々のネフロンでほぼ同数である。

③ 腎臓全体のグルコース輸送体のグルコース結合部位が飽和していなくても、グルコースの尿中への排泄が起こる。

④ 血しょうグルコース濃度が $100\,\text{mg/100 mL}$ のとき、グルコースのろ過量は、およそ $120\,\text{mg/分}$ である。

⑤ 血しょうグルコース濃度がおよそ $580\,\text{mg/100 mL}$ を超えると、グルコースは管内液中に分泌される。

⑥ 適切な治療がなされていない糖尿病の患者では、血しょうグルコース濃度がしばしば $200\,\text{mg/100 mL}$ を超える。

STEP 1グラフ(図3)の精密読み取り:

  • ① 適切: 再吸収量(破線)のグラフが頭打ち(プラトー)になっている高さを見ると、縦軸の $350\,\text{mg/分}$ 付近($300$ と $400$ の真ん中)で一定になっているため適切です。
  • ② 不適切(正解の1つ目!): 血しょうグルコース濃度が $200\sim 300\,\text{mg/100 mL}$ の領域を見ると、再吸収量のグラフが折れ線ではなくなめらかな曲線(スプレイ現象)を描いて飽和に向かい、腎臓全体で最大輸送能力($350\,\text{mg/分}$)に達する前(濃度 $200\,\text{mg/100 mL}$ 付近)からすでに尿中への排泄が始まっています。これは個々のネフロンによってグルコース輸送体の数(再吸収能力)や糸球体ろ過量にばらつきがあり、輸送能力の低いネフロンから先に飽和して尿中へ漏れ出すためです。したがって「個々のネフロンでほぼ同数」は不適切です。
  • ③ 適切: ②で説明した通り、血しょうグルコース濃度が $200\sim 300\,\text{mg/100 mL}$ の領域では、腎臓全体の再吸収量がまだ $350\,\text{mg/分}$(飽和)に達していないのに、すでに排泄量が立ち上がっています。よって適切です。
  • ④ 適切: 横軸 $100\,\text{mg/100 mL}$($= 1\,\text{mg/mL}$)のときの「ろ過量」の直線を読むと、縦軸は約 $120\,\text{mg/分}$(横軸 $500$ のとき縦軸 $600$ なので比例定数は $1.2$)となっており適切です。
  • ⑤ 不適切(正解の2つ目!): 血しょうグルコース濃度が約 $580\,\text{mg/100 mL}$ のとき、グラフ上で「再吸収量(約 $350\,\text{mg/分}$)」と「排泄量(約 $350\,\text{mg/分}$)」の線が交差しますが、これは単に「ろ過量(約 $700\,\text{mg/分}$)のうち半分が再吸収され、残り半分が排泄された」だけであり、グルコースが管内液中に「分泌」されることは一切ありません!(常に $\text{排泄量} = \text{ろ過量} - \text{再吸収量}$ が成り立っています)。
  • ⑥ 適切: グラフより血しょうグルコース濃度が約 $200\,\text{mg/100 mL}$(腎閾値)を超えると尿中にグルコースが排泄される(糖尿になる)ため、未治療の糖尿病患者ではしばしば $200\,\text{mg/100 mL}$ を超えます。

問6:鉱質コルチコイド受容体が糖質コルチコイドに反応しない理由 解答番号 [ 16 ]

正解:①

副腎皮質から分泌される糖質コルチコイドは、鉱質コルチコイドと構造が類似していて、鉱質コルチコイド受容体に結合すると鉱質コルチコイドと同様の働きをする。通常、血液中の平均的な濃度は糖質コルチコイドの方がおよそ2000倍高いにもかかわらず、鉱質コルチコイドだけが標的上皮細胞に作用する。この理由として、最も適切と考えられるものはどれか。

① 標的上皮細胞内に、糖質コルチコイドを不活性化する酵素が存在する。

② 標的上皮細胞は、糖質コルチコイドを破壊する酵素を血液中に分泌する。

③ 糖質コルチコイドは、標的上皮細胞の細胞膜を透過できない。

④ 標的上皮細胞の細胞膜には、タンパク質と結合して輸送される糖質コルチコイドの輸送体が存在しない。

⑤ 糖質コルチコイドと結合した鉱質コルチコイド受容体は、調節DNA領域に結合できない。

STEP 1ステロイドホルモンの性質と問題文の論理的読解:

  • 糖質コルチコイドも鉱質コルチコイドも脂溶性のステロイドホルモンなので、細胞膜を自由に透過して細胞内の受容体に結合します(よって③・④は誤り)。
  • 問題文に「鉱質コルチコイド受容体に結合すると鉱質コルチコイドと同様の働きをする」と書かれているので、受容体に結合さえすれば調節DNA領域に結合して働きます(よって⑤は誤り)。
  • また、もし血液中に糖質コルチコイドを破壊する酵素を分泌してしまったら、全身の糖質コルチコイドが壊れてしまい本来の血糖上昇などの働きができなくなります(よって②は誤り)。
  • したがって、①「標的上皮細胞内に、糖質コルチコイドを不活性化する酵素($11\beta$-ヒドロキシステロイド脱水素酵素2型:コルチゾールを不活性なコルチゾンに変換する酵素)が存在する」ため、標的細胞内に入った糖質コルチコイドだけが局所的に不活性化され、鉱質コルチコイドのみが受容体に結合できるのです!

問7:アンギオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)の作用 解答番号 [ 17 ](2つ選べ)

正解:①, ②(および⑥との比較解説)

アンギオテンシンIIの過剰な産生は、図5の上皮細胞を介して血液量を増加させ、高血圧の原因となる。このような高血圧では、アンギオテンシンIIの受容体に競争的に結合する物質が治療薬として用いられることがある。この治療薬の作用として、図5の上皮細胞を介して起こると考えられるものはどれか。適当なものを、次の①〜⑥のうちから二つ選びマークせよ。

① 鉱質コルチコイドの分泌が抑制される。

② $\text{Na}^+$ と水の血しょう中への再吸収が抑制される。

③ 尿素の組織液中への移動が促進される。

④ $\text{K}^+$ の管内液中への分泌が促進される。

⑤ 排泄される水の量が減少する。

⑥ 血しょう中の $\text{K}^+$ 濃度が増加する。

STEP 1アンギオテンシンIIの働きをブロックすると何が起きるか?

リード文IIを確認しましょう:
1. アンギオテンシンIIは副腎皮質からの鉱質コルチコイドの分泌を促進します。したがって、治療薬(アンギオテンシンII受容体拮抗薬)を投与すると、まず鉱質コルチコイドの分泌が抑制されます(①)。
2. 鉱質コルチコイドは図5の上皮細胞に作用して「$\text{Na}^+$ の再吸収とそれに伴う水の再吸収を促進」し、さらに「管腔側のカリウムチャネルを活性化して $\text{K}^+$ の分泌を促進」していました。
3. したがって、この治療薬が作用すると図5の上皮細胞を介して:
・②「$\text{Na}^+$ と水の血しょう中への再吸収が抑制される」(その結果、排泄される水の量は増加するので⑤は誤り)。
・$\text{K}^+$ の管内液中への分泌が抑制されるため、⑥「血しょう中の $\text{K}^+$ 濃度が増加する」(④は逆なので誤り)。

💡 ニックニ先生の設問文チェックポイント:
問題文に「図5の上皮細胞を介して起こると考えられるものはどれか」という条件がついています!
・①「鉱質コルチコイドの分泌が抑制される」は副腎皮質で起こる反応(図5の上皮細胞に作用する前の段階)であり、図5の上皮細胞を介して起こるのは ②($\text{Na}^+$ と水の再吸収抑制)と ⑥($\text{K}^+$ 分泌抑制による血しょう中 $\text{K}^+$ 濃度の増加)です!
(※「治療薬の全体の流れとして①・②」とするものと、「『図5の上皮細胞を介して』という限定句を厳密に読んで②・⑥」とするものに分かれた設問です。必ず ①・②・⑥ の3つのメカニズムすべてをセットで理解しておきましょう!)

問8:哺乳類(D)と両生類(E)が出現した地質時代 解答番号 D [ 18 ], E [ 19 ]

正解:D=⑦(三畳紀)、E=④(デボン紀)

文章中の下線部D(哺乳類)とE(両生類)が出現した地質時代はそれぞれどれか。

① カンブリア紀 ② オルドビス紀 ③ シルル紀 ④ デボン紀 ⑤ 石炭紀 ⑥ ペルム紀 ⑦ 三畳紀 ⑧ ジュラ紀 ⑨ 白亜紀

STEP 1脊椎動物の出現順と地質時代の完全暗記チャート:

  • 魚類(無顎類): カンブリア紀末〜オルドビス紀に出現(顎をもつ魚類はシルル紀、デボン紀に大繁栄)。
  • E. 両生類(イクチオステガなど): 古生代④ デボン紀に出現(肉鰭類から進化し上陸)。
  • 爬虫類: 古生代・石炭紀に出現。
  • D. 哺乳類: 中生代⑦ 三畳紀に出現(単弓類から進化)。
  • 鳥類(始祖鳥など): 中生代・ジュラ紀に出現。

よって、下線部D(哺乳類)= ⑦ 三畳紀、下線部E(両生類)= ④ デボン紀 です。

問9:カエルの尾芽胚の断面図と腎臓(F)の起源 解答番号 [ 20 ]

正解:③

カエルの尾芽胚の断面のスケッチを示す。文章中の下線部F(カエルの腎臓)はこの図のどの構造から発生するか。最も適当なものを①〜⑨のうちから一つ選べ。

STEP 1尾芽胚の断面スケッチ①〜⑨の名称をすべて特定しよう!

① 神経管(外胚葉:中枢神経系へ)
② 体節(中胚葉:骨格筋・真皮・脊椎へ)
③ 腎節(中胚葉:腎臓・輸尿管へ!)
④ 側板(体壁中胚葉・臓側中胚葉)
⑤ 体腔
⑥ 腸管(内胚葉)
⑦ 腸間膜・内胚葉性組織
⑧ 表皮(外胚葉)
⑨ 脊索(中胚葉)

腎臓は中胚葉のうち、体節(②)と側板(④)の間にくびれのように位置する③ 腎節(中間中胚葉)から分化します。よって正解は ③ です!

問10:乾燥環境におけるカエルの腎臓の適応(腎門脈の役割) 解答番号 [ 21 ](2つ選べ)

正解:①, ⑤(および⑥との比較)

下線部G「細尿管にループ状構造をもたないカエルも、乾燥した環境では尿量を減らすことで、水の損失を防ぐことができる。この時の尿素の排泄量は、高いままに維持される」のような腎臓の適応は、どのような仕組みから生じたと考えられるか。適当なものを①〜⑦のうちから二つ選びマークせよ。

① 糸球体へ入る血液量を減らすことで、ろ過される水分量を減らしている。

② ろ過の効率の低い小さく縮んだ糸球体をもつことで、水が体内に保持される。

③ ネフロンの数を減らすことで、水の損失を減らしている。

④ 細尿管にループ状構造がないことで、細尿管での水の再吸収量を増やしている。

⑤ 尿素の多くを分泌で排泄することで、腎門脈から供給される血液中からも尿素の除去を可能にしている。

⑥ 集合管で水を再吸収することで、尿を濃縮している。

⑦ 血液中に尿素を保持することで、水の浸透を防いでいる。

STEP 1リード文IIIのヒントを100%使い切る論理的読解:

リード文IIIにはこう書かれています:
1. 「ヒトの腎臓は、髄質まで伸びた細尿管のループ状構造がネフロンにみられ、集合管で尿を濃縮することができるようになった。一方、カエルの腎臓は、尿の生成過程とネフロンの基本的な構造はヒトと同様であるが、細尿管にはループ状構造がみられない」(=したがってヒトのように浸透圧勾配を使って体液より高張な濃縮尿をつくることはできません。また水辺では普通にろ過を行うため②・③のような恒久的な退化ではなく、乾燥した環境になったときに①「糸球体へ入る血液量を減らすことで、ろ過される水分量を減らしている」(および集合管での水再吸収)によって尿量を減らします)。
2. さらに「なぜ糸球体でのろ過量を減らして尿量を減らしたのに、この時の尿素の排泄量は、高いままに維持されるのか?」という理由として、直前にわざわざ「カエルの腎臓には、ヒトとは異なり、腎動脈から糸球体へと入る動脈血に加え、からだの後方部分からの静脈血も腎門脈と呼ばれる静脈から入る。腎門脈は細尿管周囲毛細血管に血液を供給している」と説明されています!
3. すなわち、乾燥時に糸球体への血流(ろ過量)を絞っても、腎門脈から細尿管周囲毛細血管へ直接血液が供給され、細尿管へ「⑤ 尿素の多くを分泌で排泄することで、腎門脈から供給される血液中からも尿素の除去を可能にしている」ため、尿量を減らしつつ尿素の排泄量を高く維持できるのです!
よって、リード文の伏線と完全に一致する ① と ⑤ が正解です。

第3問:酵素反応の速度論(ミカエリス・メンテン式)と阻害様式(解答番号 22 〜 24)

目標解答時間:10分
Sora先生
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第3問は酵素反応のグラフとミカエリス・メンテン式 $V_0 = \dfrac{V_{\max}[\text{S}]}{K_{\text{m}} + [\text{S}]}$ の問題だよ!特に問1は横軸が「基質濃度 $[\text{S}]$」ではなく「時間 $t$」で、縦軸が「生成物量 $P$」になっていることに注意!「立ち上がりの傾き=初期反応速度(酵素量に比例)」「最終的な高さ(プラトー)=最終生成物量(最初の基質量に比例)」という2つのルールを使えば10秒で解けちゃうよ!

問1:時間経過に伴う生成物量のグラフ(酵素量・基質量の変化) 解答番号 [ 22 ]

正解:③

ある酵素と一定量の基質を混合して一定温度で反応させ、さまざまな経過時間ごとに生成物量を調べた結果を図2の実線で示す。破線で示す曲線あ〜おは、酵素量や基質量の条件を変更して得られた結果を示す。それぞれの曲線に対する実験条件の説明として正しいものはどれか。なお、この実験では、いずれの条件でも反応開始時には酵素に対して十分な量の基質が存在していた。

① 曲線あ:反応開始時の酵素量のみを2倍にした。

② 曲線い:反応開始時の基質量と酵素量を2倍にした。

③ 曲線う:反応開始時の酵素量のみを $1/2$ にした。

④ 曲線え:反応開始時の基質量のみを $1/2$ にした。

⑤ 曲線お:反応開始時の基質量と酵素量を $1/2$ にした。

📈 図2(縦軸:生成物量、横軸:時間)のグリッド目盛り解析

図2の点線グリッド(横軸1マス=時間1単位、縦軸1マス=生成物量1単位)を数えると、基準となる実線は:

  • 実線(基準): 原点 $(0,0)$ から $(2, 2)$ まで初期の傾き $= 1$(2マスで高さ2マス)で上昇し、最終的に高さ $2$ マスで一定(プラトー)になっています!
  • 曲線あ: 原点から $(2, 4)$ まで初期の傾き $= 2$(2倍)で上昇し、最終的な高さも $4$ マス(2倍)! $\to$ 「酵素量を2倍、かつ基質量も2倍にした」条件です(よって①は誤り)。
  • 曲線い: 原点から $(4, 4)$ まで初期の傾き $= 1$(実線と同じ!)で上昇し、最終的な高さが $4$ マス(2倍)! $\to$ 「酵素量は変えず、基質量のみを2倍にした」条件です(よって②は誤り)。
  • 曲線う: 原点から $(4, 2)$ まで初期の傾き $= 1/2$(実線の半分!)で上昇し、最終的な高さは $2$ マス(実線と同じ!)! $\to$ 「酵素量のみを $1/2$ にした」条件です(③が完全に正しい!)。
  • 曲線え: 原点から $(2, 1)$ まで初期の傾き $= 1/2$ で上昇し、最終的な高さが $1$ マス(半分)! $\to$ 「酵素量を $1/2$、かつ基質量も $1/2$ にした」条件です(よって④は誤り)。
  • 曲線お: 原点から $(4, 1)$ まで初期の傾き $= 1/4$ で上昇し、最終的な高さが $1$ マス(半分)! $\to$ 「酵素量を $1/4$、基質量を $1/2$ にした」条件です(よって⑤は誤り)。

問2:ミカエリス・メンテン式における $V_{\max}$ と $K_{\text{m}}$ の意味 解答番号 [ 23 ]

正解:⑤

文章中の下線部Bにおいて、$V_{\max}$ は、すべての [ ア ] が [ イ ] に結合した状態を示し、$K_{\text{m}}$ が小さいほど酵素と基質の親和性が [ ウ ] ことを示す。したがって、同じ基質に反応する2種の酵素を図1と同様にプロットしたとき、基質との親和性がより [ ウ ] 酵素の方が、曲線の傾きが [ エ ] なる。

⑤ ア:酵素 / イ:基質 / ウ:高い / エ:大きく

STEP 1空欄ア〜エの論理的決定:

  • ア・イ: 基質濃度 $[\text{S}]$ をどんどん高くしていくと、溶液中にある一定量のすべての「酵素(ア)」の活性部位が「基質(イ)」に結合した飽和状態(すべてが酵素―基質複合体 $\text{ES}$ になった状態)となり、反応速度が最大値 $V_{\max}$ に達します(※基質は大過剰にあるので「すべての基質が酵素に結合」ではありません!ここ要注意!)。
  • ウ: ミカエリス定数 $K_{\text{m}}$ は「反応速度が $\dfrac{1}{2}V_{\max}$ になるときの基質濃度」です。$K_{\text{m}}$ が小さいということは、わずかな基質濃度でもすぐに酵素と結合して $\dfrac{1}{2}V_{\max}$ に達するということなので、酵素と基質の親和性が「高い(ウ)」ことを示します。
  • エ: 基質との親和性が高い($K_{\text{m}}$ が小さい)酵素ほど、低基質濃度での立ち上がりが急になるため、曲線の傾きが「大きく(エ)」なります。

よって、ア=酵素、イ=基質、ウ=高い、エ=大きく となる ⑤ が正解です。

問3:競争的阻害の特徴 解答番号 [ 24 ](2つ選べ)

正解:②, ④

文章中の下線部C(競争的阻害)に関する記述として、正しいものはどれか。適当なものを①〜⑥のうちから二つ選びマークせよ。

① 阻害物質が基質に結合して、酵素―基質複合体の形成が阻害される。

② 阻害物質が酵素の活性部位に結合して、酵素―基質複合体の形成が阻害される。

③ 阻害物質が酵素の活性部位以外に結合して、酵素の立体構造が変化することで酵素―基質複合体の形成が阻害される。

④ 一定濃度の阻害物質の存在下で、基質濃度を高くすると阻害効果が減少する。

⑤ 一定濃度の阻害物質の存在下で、基質濃度を高くしても阻害効果は減少しない。

⑥ 一定濃度の阻害物質の存在下で、酵素濃度を高くしても阻害効果は減少しない。

STEP 1競争的阻害と非競争的阻害の比較整理:

  • ② 正しい: 競争的阻害では、基質と立体構造が似た阻害物質が酵素の活性部位に基質と奪い合うように(競争的に)結合し、酵素―基質複合体($\text{ES}$)の形成を阻害します(※③はアロステリック部位などに結合する非競争的阻害の説明です)。
  • ④ 正しい: 一定濃度の競争的阻害物質が存在していても、基質濃度 $[\text{S}]$ を十分に高くすると、活性部位に基質が結合する確率が圧倒的に高くなるため、阻害効果が減少(解消)し、最大反応速度 $V_{\max}$ は阻害物質がないときと同じ値に達します(見かけの $K_{\text{m}}$ だけが大きくなります)。

したがって、正しい組み合わせは ② と ④ です!

Sora先生
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