方法(1)はクメン法。ベンゼン+プロペン → クメン → クメンヒドロペルオキシド →(酸で分解)→ フェノール+アセトン。全体をまとめると次のとおり。
酸性の弱いフェノールは、強塩基の水酸化ナトリウムと中和して塩になる。逆に塩からフェノールを取り戻すには、フェノールより強い酸(炭酸)を作用させればよい。
よって【イ】はナトリウムフェノキシド $\mathrm{C_6H_5ONa}$(ベンゼン環に $-\mathrm{ONa}$)。
問題文は掲載できませんが、
解説を読むだけでどんな問題かもわかる!
さらに、そっくり類題PDFを見れば、実際の問題イメージもわかるよ!
各小問を「どういう問題か」から説明し、途中式を1行も飛ばさずに解説。最後に、本番と同じ3大問の構成で作ったそっくり類題セット(全問解答つき)で、慶應2026を丸ごと演習できます。
📌 このページの使い方
※ 著作権に配慮し、入試問題の本文・図は掲載していません。問題の設定や問われている内容は、TMPSの言葉で説明しています。【ア】や問番号は、本番の解答欄との対応を示すためのものです。
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時間はTMPSの目安です(本番は理科2科目で120分。化学に60分を使う想定)。解く順番と「捨てどころ」をセットで覚えておきましょう。
記号は本番の解答欄に対応しています。先に解いてから開いてください。「要確認」は、知識や図の読み取りに依存してTMPSが断定しきれない箇所です。
問1
問2
問3・問4
問5
問1(空欄)
問2
問3(図3)
問4
問5
問1(空欄)
問2〜問5
問6
問7
※ 答えはTMPSが自力で導いたもので、計算問題と反応式は計算スクリプトで再計算・原子数の保存確認をしています(公開されている解答は参照していません)。用語・選択・論述は、スクリプトでは確かめられないため「要確認」を付けています。
採点したら → 30秒の得点診断へフェノールの合成法(クメン法・スルホン酸法・クロロベンゼン法)、触媒、ピクリン酸、フェノールとアルコールの違い。計算はなく、すべて知識と反応式。
フェノール合成の文章の空欄2つに入る物質を、名前と構造式の両方で答える問題。
方法(1)はクメン法。ベンゼン+プロペン → クメン → クメンヒドロペルオキシド →(酸で分解)→ フェノール+アセトン。全体をまとめると次のとおり。
酸性の弱いフェノールは、強塩基の水酸化ナトリウムと中和して塩になる。逆に塩からフェノールを取り戻すには、フェノールより強い酸(炭酸)を作用させればよい。
よって【イ】はナトリウムフェノキシド $\mathrm{C_6H_5ONa}$(ベンゼン環に $-\mathrm{ONa}$)。

触媒が活性化エネルギーとエンタルピー変化に与える影響を選択肢から選び、さらに酵素が無機触媒と違う点を3つ書く問題。
触媒は反応の通り道を変えて山($E_a$)を低くする。しかし、反応物と生成物の高さの差($\Delta H$)は、反応のはじめと終わりが同じなので変わらない。
$E_a$ は減少、$\Delta H$ は不変 → 選択肢の組み合わせは ⑧。
よく使われる3点は次のとおり(どれか3つで可。TMPSの模範答案)。
ほかに「常温・常圧・中性付近のおだやかな条件で反応する」「主成分がタンパク質」でも減点されにくい。言葉の例を3つ、1行ずつ書けば十分。
文中の下線部(b)と(c)について。
固体の強塩基と一緒に高温で融かして置換する操作をアルカリ融解という(スルホ基 $-\mathrm{SO_3Na}$ が $-\mathrm{ONa}$ に変わる)。
フェノールの $-\mathrm{OH}$ はオルト・パラ配向性で、2・4・6位にニトロ基が入って2,4,6-トリニトロフェノール(ピクリン酸)になる。濃硫酸は触媒(と脱水剤)。
検算:左右でC=6、H=9、N=3、O=10が一致。ニトロ化1回ごとに水が1分子できるので、3回で $3\mathrm{H_2O}$。
同じ炭素数6で−OHを1つもつフェノール $\mathrm{C_6H_5OH}$ とヘキサノール $\mathrm{C_6H_{13}OH}$ を比べる、選択問題2つ。
フェノールは弱い酸(炭酸より弱く、カルボン酸よりもさらに弱い)→ ②。ヘキサノールは普通のアルコールで、水中でほとんど電離せず中性 → ⑤。
(2) 反応の有無(表)| 試薬 | フェノール | ヘキサノール |
|---|---|---|
| FeCl₃ 水溶液 | ○(青紫〜紫に呈色) | × |
| NaOH 水溶液 | ○(中和してフェノキシド) | × |
| 金属 Na | ○(H₂発生) | ○(H₂発生) |
| 選ぶ番号 | ①(○○○) | ⑦(××○) |
表の読み方:①〜⑧は上から「FeCl₃・NaOH・Na」の○×を並べたもの。フェノールは3つとも○、ヘキサノールはNaだけ○の組み合わせを探す。

前半は用語と構造の知識、後半は「アミロースの酵素分解 → 凝固点降下 → フェーリング反応 → 滴定」と、計算が1本につながる。
糖類の定義・分類・グルコースの構造に関する文章の空欄13個(【ア】〜【ス】)に用語・化学式・物質名・数値を入れ、さらに糖の記述4つに○×をつける問題。
糖類は $\mathrm{C}_n(\mathrm{H_2O})_m$ と書けるので炭水化物。これ以上簡単な糖に加水分解されないのが単糖、加水分解で2つの単糖を生じるのが二糖。多数の単糖が縮合重合してグリコシド結合でつながったのが多糖。
【ク】【ケ】【コ】不斉炭素の数環状のグルコース(ピラノース)は C1〜C5 の5個すべてが不斉炭素(C6 は $-\mathrm{CH_2OH}$ で不斉でない)→ α型も β型も 5個。鎖状は C1 がアルデヒド基($-\mathrm{CHO}$)で不斉でなくなるので C2〜C5 の 4個。
【サ】【シ】アルコール発酵分子量はエタノール46、二酸化炭素44。【サ】のほうが大きいので、【サ】エタノール、【シ】二酸化炭素。
【ス】結合位置の種類(要確認)縮合に使えるOHは、環状グルコースでは1・2・3・4・6位の5か所(5位のOは環をつくるO)。2分子から1つずつ選ぶので、同じ種類の分子どうしでは、順序を区別せず(1,4)と(4,1)は同じ構造。重なりを許して数えると
となり 15種類(1-1結合のトレハロース型も含む)。旧ページは5種類としていたが、「1位OHがどこにつくか」だけを数えた場合の数で、問いは「結合位置の違いによる構造の数」なので15が自然。ただし出題者が1位を含む場合に限っている可能性もあり、要確認。
① ラクトースはグルコース+ガラクトースに分解(マルトースではない)→ ×。② リボースは五炭糖 → ○。③ デンプンはヨウ素デンプン反応で青〜青紫 → ○。④ グルコースは鎖状構造にアルデヒド基があり銀鏡反応を示す → ×。
グルコースのα型(環)⇄ 鎖状 ⇄ β型の平衡を描いた図3の、空欄を埋めて構造式を完成させる問題。
主鎖は縦、左右の線は手前向き、上下は奥向き。D-グルコースでは5位(一番下の不斉炭素)の OH は右。2〜5位のOHの向きは、有名な語呂「右・左・右・右」。
鎖状の空欄上端は CHO(アルデヒド基)。2位:左 H・右 OH。3位:左 HO・右 H。4位:左 H・右 OH。(5位は図で既に H–C–OH と与えられている。)
環の1位の空欄環状のα型は、1位の OH が環の面の下側(5位の $-\mathrm{CH_2OH}$ と反対側)にある。図3の描き方では、1位の2つの空欄のうち下側がOH、上側がH。
デンプンの2成分、アミロースとアミロペクチンについて、6つの記述(分子量の大小・冷水/温水への溶けやすさ)から正しいものをすべて選ぶ問題。
・アミロースは直鎖状、アミロペクチンは枝分かれが多く、分子量はアミロペクチンのほうが大きい → ①。
・デンプンは冷水にはほとんど溶けず、温水に溶ける(問5の文でもアミロースを「温めて」溶かしている)→ ④は×、⑤、⑥は×。
要確認:アミロペクチンは「粘性の高いコロイド状に分散する」ため、教科書によっては「温水に溶けにくい」と書く。「すべて選べ」という指示と選択肢の並びから、TMPSは①と⑤と読んだが、⑤は断定しきれない。
1本につながった計算。
グルコース単位 $\mathrm{C_6H_{10}O_5}$ の式量は $12.0\times6+1.00\times10+16.0\times5=162$。重合度500なので
アミロース1分子(重合度500)から、マルトース(グルコース2個分)が250分子できる。アミロースの物質量を $n$ とすると、溶液A中のマルトースは $250n$ mol。
凝固点降下は溶質の粒子の質量モル濃度で決まる。
溶液Aの質量は $(140.0+45.0)\times1.00=185.0\ \mathrm g$。このうち溶質(アミロース由来)が $M=8.10\times10^{4}\,n$ g、水の増減は無視するので、溶媒(水)は $185.0-8.10\times10^{4}n$ g。
整理して、
旧ページとの違い:溶媒を185 gのまま(溶質の質量を引かない)とすると $n=1.48\times10^{-4}$ mol、$M=12.0$ g になる(旧ページは主にこの値)。問題文が「密度を1.00 g/cm³」「水の増減は無視」と指定しているので、溶液の質量から溶質を引く扱いがもとの意図に合うとTMPSは読んだが、採点基準が近似解の場合もあるため要確認。以下の(4)(iii)は厳密解で $6.95$ mL、近似解で $7.4$ mL。
(2) 沈殿Bの量が変わるものフェーリング反応は還元性(遊離のアルデヒド基になれる)をもつ糖が $\mathrm{Cu_2O}$ をつくる。マルトースと同じ物質量で置きかえたとき、還元性をもたない糖に替えると沈殿ができなくなるので、量が明らかに違う。
図の6つのうち、①単糖(グルコース型)・④単糖(フルクトース型・ケトースでもフェーリング液を還元する)・③⑥(1位のOHが遊離した、1→4結合の二糖)は還元性あり。②(グルコースとフルクトースが1位と2位で結合したスクロース)と⑤(同じく1位と2位で結合した非還元の二糖)は、どちらも還元性を示すOHが結合に使われていて還元性なし。
旧ページは「②と⑥」としていた。⑥は右の環の1位に遊離のOHがあり、1→4結合なので還元性あり。図の読み取りに依存するため要確認。
(3) $\mathrm{Cu_2O}$ と $\mathrm{Fe_2(SO_4)_3}$$\mathrm{Cu_2O}$ は $\mathrm{Cu}$ が+1 → +2($2\mathrm{Cu^+}$ で2個の電子)、$\mathrm{Fe^{3+}}$ は +3 → +2 に還元(1個)。電子を合わせると $\mathrm{Cu_2O}:\mathrm{Fe^{3+}}=1:2$。
$\mathrm{MnO_4^-}$ は $\mathrm{Mn^{2+}}$ に変わり5個の電子を受けとる。$\mathrm{Fe^{2+}}$ は1個ずつ渡すので $\mathrm{MnO_4^-}:\mathrm{Fe^{2+}}=1:5$。
$\mathrm{KMnO_4}$ 自身が赤紫色なので指示薬は不要。$\mathrm{Fe^{2+}}$ が残っている間は、滴下した $\mathrm{MnO_4^-}$ の赤紫色がすぐ消える。$\mathrm{Fe^{2+}}$ がなくなり、滴下した赤紫色が消えずに(薄い赤紫色が)残った点が終点。
(4)(iii) 必要な $\mathrm{KMnO_4}$ の体積溶液A 3.70 mL 中のマルトース:
マルトース1分子から $\mathrm{Cu_2O}$ が1個、$\mathrm{Cu_2O}$ 1個から $\mathrm{Fe^{2+}}$ が2個、$\mathrm{MnO_4^-}$ は $\mathrm{Fe^{2+}}$ の $\tfrac15$。

ダイヤモンド・鉄・リンの燃焼実験。質量保存の法則、炭素の含有率、リンと酸素の比から酸化物の組成を決める。
実験史の文章の空欄5つ(【ア】〜【オ】)と、選択問題2つ。
固体が液体を経ずに気体になるのは昇華。炭素が燃えると二酸化炭素。ダイヤモンドは炭素の同素体(結晶化した炭素)。
【エ】【オ】(要確認)鉄の燃焼で酸素を使い切ると、ガラス鐘の内側の水銀面が上がり、皿が天井へ近づく。そこへ高温の燃焼物(熱い鉄や酸化鉄)が触れると、ガラスが局所的に加熱されて割れる、という流れ。【エ】は「高温の物体(熱い鉄・酸化鉄など)」、【オ】は「加熱」と読んだが、本文の一部がこちらの資料で読み取れず、語句の特定は要確認。
問2ラボアジエは燃焼の前後で質量が変わらないことを示した → ④ 質量保存の法則。(⑥定比例の法則はプルースト、⑦倍数比例の法則はドルトン。)
問3(要確認)口で吸うと、ガラス鐘B内の気体が口に入る。Bの中には水銀槽の水銀の蒸気(有毒)と、黄リンの微粉末・蒸気(猛毒で発火もする)が含まれる。⑤と②。①④は液体が口に入るのを防ぐために紙の栓をしてあるので除外、③は関係なし、⑥赤リンは毒性が低い、⑦気体は酸素で酸欠にならない、⑧はEを抜く場面の危険。
5.82 g の鉄を燃やして、7.72 g の純粋な四酸化三鉄 $\mathrm{Fe_3O_4}$ を得た。鉄には炭素以外の不純物はなかった。もとの鉄に含まれていた炭素の質量パーセントを有効数字2桁で、導出過程つきで求める。
式量 $\mathrm{Fe_3O_4}=55.9\times3+16.0\times4=231.7$。鉄の質量は
炭素は燃えて $\mathrm{CO_2}$ になって抜けるので、残らない。使った鉄 5.82 g のうち、鉄以外が炭素。
丸めを避けるため、$5.5876$ のまま計算すると $0.2324$ g、$3.99\%$ → 有効数字2桁で 4.0 %。
リンを2つに分けて皿にのせ、一方を板ガラスでおおった理由として、5つの選択肢から適切なものを1つ選ぶ問題。
リンは発火点が低く、一度に全量が燃えると反応が激しすぎてガラス鐘を破損するおそれがある。おおった側は点火されず、燃え残りとして残る(本文の「燃え残ったリン」)。つまり、一気に燃え上がらないように、反応する量を抑えるため。③。(④は逆、⑤は燃え広がりを狙うのではない、①のような変化を防ぐ目的ではない。)
要確認:③の「反応速度を下げる」という表現が、板ガラスの役割として最も近いと判断した(出題者の意図が「反応量の制限」であれば同趣旨)。
リンの燃焼実験で生じた白い綿くず状の物質について、3つの小問に答える。
燃えたリン:$3.97-1.05=2.92$ g。酸素:2.64 L。
よって $4\mathrm P+5\mathrm{O_2}\to\mathrm{P_4O_{10}}$。図7は①〜⑤の順に末端の O(二重結合のO)が0〜4個の $\mathrm{P_4O_6},\ \mathrm{P_4O_7},\ldots,\mathrm{P_4O_{10}}$ なので、末端の O が4個ある⑤。
(2) リン酸十酸化四リンは水と反応する。
リン酸は、中心の P に $=\mathrm O$ が1つ、$-\mathrm{OH}$ が3つついた正四面体形(図G)。
(3) 質量の測りにくさ$\mathrm{P_4O_{10}}$ は吸湿性がきわめて強い。取り出して秤量している間にも空気中の水分を吸い(一部は反応してリン酸になり)、質量が刻々と増えてしまう。

密閉したフラスコ(コックを閉じ、装置全体の質量を測定ずみ)の中のリンに、ガラス棒を用いて点火した方法を考えて答える自由記述。
本問は、図や本文の細部(棒がどのようにフラスコ内に入っているか)が資料から読み切れず、模範解答を断定できない。TMPSの考えられる解答の骨格は次のとおり。
要確認:棒の先をどのように用意したか(外であらかじめ加熱/フラスコ内に入れてあった棒を外から熱する)は、本文の続きを確認してから書くこと。
2026年度の本番と同じ3大問・同じ小問構成で、題材・数値・設定を変えたTMPSオリジナル問題です。本番の出題イメージをつかみながら、初見の問題として60分で演習できます。
印刷して本番と同じように60分で解けます。解答・解説はこのページの下に掲載しています。
※ 慶應義塾大学の入試問題ではありません。問題文・図・解答はすべてTMPS医学館が作成したものです。
必要なら次の値を用いよ。水のモル凝固点降下 $K_f=1.85\ \mathrm{K\cdot kg/mol}$。気体は理想気体とし、標準状態の1 molの体積は 22.4 L。原子量:H 1.00, C 12.0, O 16.0, S 32.1, Na 23.0。
次の文を読み、問いに答えよ。
サリチル酸はヤナギの樹皮から見いだされた。現在、工業的には(a)エステル化の原料となる芳香族カルボン酸として大量につくられている。製法は、ナトリウムフェノキシドに(b)高温・高圧で二酸化炭素を作用させ、【ア】を得たのち、希硫酸を加えて酸性にして遊離させる方法である(図1)。サリチル酸にメタノールと少量の濃硫酸を加えて加熱すると、湿布薬に使われる【イ】が生じる。また、サリチル酸に無水酢酸を作用させると、(c)解熱鎮痛薬となるアセチルサリチル酸ができる。なお、(d)サリチル酸は、同じ炭素数7でヒドロキシ基をもつベンジルアルコールとは異なる性質を示す。
問1 【ア】、【イ】に該当する物質名と構造式をかきなさい。
問2 下線部(a)のエステル化(サリチル酸とメタノールから【イ】と水が生じる可逆反応)について答えよ。
(1) 濃硫酸を触媒として加えたとき、正反応の反応速度定数 $k$ と、平衡定数 $K$ はどのように変化するか。下の中から最も適切なものを一つ選べ。
① $k$ 増加、$K$ 増加 ② $k$ 増加、$K$ 不変 ③ $k$ 増加、$K$ 減少 ④ $k$ 不変、$K$ 増加 ⑤ $k$ 不変、$K$ 不変 ⑥ $k$ 不変、$K$ 減少 ⑦ $k$ 減少、$K$ 増加 ⑧ $k$ 減少、$K$ 不変 ⑨ $k$ 減少、$K$ 減少
(2) この平衡で、【イ】の収率を高める操作を三つあげよ。
問3 下線部(b)の反応の名称を答えよ。
問4 下線部(c)の化学反応式を書け。
問5 下線部(d)について、サリチル酸 ($\mathrm{C_7H_6O_3}$) とベンジルアルコール ($\mathrm{C_6H_5CH_2OH}$) の性質について答えよ。
(1) サリチル酸もベンジルアルコールも水にわずかに溶ける。これらの水溶液の性質について、下の中からそれぞれ正しいものを一つ選べ。
① 強い酸性を示し、その強さは塩酸と同程度。 ② 酸性を示し、その強さは炭酸よりも強い。 ③ 酸性を示し、その強さは炭酸よりも弱い。 ④ 塩基性を示す。 ⑤ 中性を示す。
(2) サリチル酸とベンジルアルコールについて、塩化鉄(III)水溶液との呈色反応、炭酸水素ナトリウム水溶液との反応(二酸化炭素の発生)、金属ナトリウムとの反応の有無に関して、下の中からそれぞれ正しいものを一つ選べ。反応のある場合は「○」、ない場合は「×」を表す。
| 性質 | ① | ② | ③ | ④ | ⑤ | ⑥ | ⑦ | ⑧ |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 塩化鉄(III)水溶液との呈色反応 | ○ | ○ | ○ | ○ | × | × | × | × |
| 炭酸水素ナトリウム水溶液との反応 | ○ | ○ | × | × | ○ | ○ | × | × |
| 金属ナトリウムとの反応 | ○ | × | ○ | × | ○ | × | ○ | × |
問1 ナトリウムフェノキシドに高温・高圧で $\mathrm{CO_2}$ を作用させると、$-\mathrm{OH}$ のオルト位に $-\mathrm{COONa}$ が入る。【ア】はサリチル酸ナトリウム、【イ】はサリチル酸メチル(カルボキシ基がメチルエステルになったもの)。
問2 (1) 触媒は正反応と逆反応の両方の $E_a$ を同じだけ下げるので、$k$ は増加、$K=k_{\text{正}}/k_{\text{逆}}$ は不変 → ②。
(2) 平衡を右へ動かせばよい。① 過剰のメタノールを用いる。② 生じる水を取り除く(濃硫酸の脱水作用、脱水剤の利用など)。③ 生成物のエステルを(蒸留などで)反応系から取り除く。
問3 コルベ・シュミット反応(サリチル酸の工業的製法)。
問4
問5 (1) サリチル酸は炭酸よりも強い酸 → ②。ベンジルアルコールは普通のアルコールで中性 → ⑤。
(2) サリチル酸は、フェノール性ヒドロキシ基があるので塩化鉄(III)で呈色(○)、カルボキシ基があり炭酸より強い酸なので $\mathrm{NaHCO_3}$ と反応して $\mathrm{CO_2}$ が発生(○)、$-\mathrm{OH}$ と $-\mathrm{COOH}$ があるので金属 Na とも反応(○)→ ①。ベンジルアルコールは呈色せず(×)、$\mathrm{NaHCO_3}$ とも反応せず(×)、金属 Na とは反応(○)→ ⑦。
必要なら次の値を用いよ。水のモル凝固点降下 $K_f=1.85\ \mathrm{K\cdot kg/mol}$。気体は理想気体とし、標準状態の1 molの体積は 22.4 L。原子量:H 1.00, C 12.0, O 16.0, S 32.1, Na 23.0。
次の文を読み、問いに答えよ。
糖類(炭水化物)は、炭素数に応じて分類される。グルコースやガラクトースのように炭素数6の単糖を【ア】という。単糖のうち、分子中にホルミル基(アルデヒド基)をもつものを【イ】、ケトン基をもつものを【ウ】という。単糖2分子が脱水縮合してできたものを【エ】、多数の単糖が縮合重合したものを【オ】という。
牛乳に含まれるラクトースは、グルコースと【カ】が結合した【エ】である。(a)α型、β型および鎖状構造の【カ】には、不斉炭素原子がそれぞれ【キ】、【ク】、【ケ】個存在する。グルコースは、呼吸で完全に酸化されると【コ】と【サ】になる。ただし【コ】のほうが【サ】よりも分子量が大きい。環状の【カ】と環状のグルコース各1分子から生じる【エ】には、α型、β型を考慮しない場合、その結合位置の違いにより、【シ】種類の構造が考えられる。ラクトースは、【カ】の1位とグルコースの【ス】位のヒドロキシ基の間で結合している。
デンプンやセルロースは、グルコースが縮合重合した【オ】であり、(b)アミロースとセルロースはともに直鎖状の分子である。
問1 【ア】〜【ス】にあてはまる適切な用語、化学式、物質名、数値を記せ。
問2 糖に関する記述について、正しければ○、正しくなければ×を書け。
① スクロースを加水分解すると、グルコースとフルクトースの等量混合物(転化糖)が得られる。 ② ガラクトースとグルコースは、互いに鏡像異性体の関係にある。 ③ セルロースはヨウ素ヨウ化カリウム水溶液で青紫色に呈色する。 ④ ラクトースはフェーリング液を還元する。
問3 下線部(a)について、図2の空欄を埋めて構造式を完成させよ。ただし、鎖状構造はフィッシャー投影式で示したもので、不斉炭素原子から出ている左右の線は紙面の手前に向かう結合、上下の線は紙面の背後に向かう結合を意味する。
問4 下線部(b)のアミロースとセルロースに関する次の記述で、正しいものをすべて選べ。
① セルロースは β-グルコースが1,4位で縮合した直鎖状の多糖である。 ② アミロースは α-グルコースが1,4位で縮合した多糖で、らせん構造をとる。 ③ セルロースはヨウ素ヨウ化カリウム水溶液で青紫色に呈色する。 ④ ヒトの唾液中のアミラーゼは、セルロースを加水分解する。 ⑤ アミロースもセルロースも、完全に加水分解するとグルコースだけが得られる。 ⑥ セルロースは温水によく溶ける。
問5 ラクトースの酵素分解について、次の文を読み、設問に答えよ。ただし、ラクトース溶液、ラクターゼ溶液の密度は $1.00\ \mathrm{g/cm^3}$ とし、ラクターゼによる凝固点降下、反応にともなう水の増減、混合による体積変化は無視せよ。なお、反応はすべて完全に進行して副反応は起こらないものとする。
ラクターゼは、ラクトースを加水分解してグルコースとガラクトースにする酵素である。ラクトース $M\ \mathrm g$ に水を加え、おだやかに温めた後に冷却して $100.0\ \mathrm{mL}$ にした。その後、濃度未知のラクターゼ溶液 $25.0\ \mathrm{mL}$ と混合し、$37\,^\circ\mathrm C$ で放置して完全に分解した。この溶液を溶液Aとする。溶液Aの凝固点降下を測定したところ、$0.296\ \mathrm K$ であった。次に、(c)$5.00\ \mathrm{mL}$ の溶液Aにフェーリング溶液を加えておだやかに温めると、沈殿Bが生成した。ろ別した(d)沈殿Bに硫酸酸性の $\mathrm{Fe_2(SO_4)_3}$ 水溶液を加えて完全に酸化した。その後、(e)反応液中に生成した $\mathrm{FeSO_4}$ を $\mathrm{KMnO_4}$ で滴定した。
(1) 使用したラクトースについて次の問いに答えよ。(i) 分子量を求めよ。(ii) 物質量を求めよ。導出過程も簡潔に記せ。(iii) 質量 $M\ \mathrm g$ を求めよ。
(2) 下線部(c)について、溶液A中のグルコースを同じ物質量の次の物質に置きかえると、沈殿Bの生成量が明らかに違ってくるものをすべて答えよ。
① スクロース ② マルトース ③ トレハロース ④ フルクトース ⑤ ラフィノース(グルコース・ガラクトース・フルクトースが結合した三糖で、各単糖の還元性を示す部分はいずれも結合に使われている) ⑥ ラクトース
(3) 下線部(d)について、この反応の反応式を書け。
(4) 下線部(e)について答えよ。(i) この反応の反応式を書け。(ii) 反応液を $\mathrm{KMnO_4}$ 水溶液で滴定するとき、終点をどのようにして判断するか答えよ。(iii) $\mathrm{KMnO_4}$ の濃度が $2.00\times10^{-2}\ \mathrm{mol/L}$ の場合、この反応に必要な $\mathrm{KMnO_4}$ の体積は何 mL か。導出過程も簡潔に記せ。
問1 【ア】六炭糖(ヘキソース)【イ】アルドース【ウ】ケトース【エ】二糖【オ】多糖【カ】ガラクトース【キ】5(環状α型:C1〜C5)【ク】5(環状β型)【ケ】4(鎖状:C2〜C5)【コ】二酸化炭素(44)【サ】水(18)【シ】25【ス】4。
【シ】:ガラクトースの縮合に使えるOH(1・2・3・4・6位の5か所)から1つ、グルコースのOH(同じく5か所)から1つ選ぶ。2つは別の分子なので順序も区別して $5\times5=25$ 種類。(本番の【ス】は同じ分子2個なので重複を除いて15種類になる点との違いに注意。)
問2 ① ○ ② ×(鏡像異性体ではなく、4位の立体配置だけが異なるエピマー) ③ ×(ヨウ素デンプン反応はデンプン(アミロース)の反応) ④ ○(ラクトースは還元性をもつ)。
問3 鎖状ガラクトースはD-グルコースと4位だけ左右が逆。上端は CHO。2位:左 H・右 OH、3位:左 HO・右 H、4位:左 HO・右 H(グルコースの4位は左 H・右 OH)。環の1位(α型)は、下が OH、上が H。
問4 ①○ ②○ ③×(セルロースはヨウ素と呈色しない)④×(ヒトはセルロースを分解できない)⑤○ ⑥×(セルロースは水に溶けない)→ ①②⑤。
問5 (1)(i) ラクトース $\mathrm{C_{12}H_{22}O_{11}}$ の分子量は $12.0\times12+1.00\times22+16.0\times11=342$。
(ii) ラクトースを $n$ mol とすると、1分子から2分子の単糖ができるので、溶液A中の溶質は $2n$ mol。溶液Aの質量は $(100.0+25.0)\times1.00=125.0$ g、溶質(ラクトース由来)は $342n$ g、水の増減は無視するので溶媒は $125.0-342n$ g。
(iii) $M=342\times9.73\times10^{-3}=3.33\ \mathrm g$。
(2) 還元性をもたない糖に置きかえると沈殿Bが生じなくなる。スクロース(①)、トレハロース(③)、ラフィノース(⑤)は還元性なし。マルトース・フルクトース・ラクトースは、同じ物質量なら $\mathrm{Cu_2O}$ を1 molずつ生じるので量はグルコースと同じ。→ ①③⑤。
(3) $\mathrm{Cu_2O+Fe_2(SO_4)_3+H_2SO_4\to2CuSO_4+2FeSO_4+H_2O}$。
(4)(i) $\mathrm{10FeSO_4+2KMnO_4+8H_2SO_4\to5Fe_2(SO_4)_3+K_2SO_4+2MnSO_4+8H_2O}$。(ii) 滴下した赤紫色が消えず、薄い赤紫色が残った点。
(iii) 溶液Aの5.00 mL中の単糖(還元性をもつもの。グルコースとガラクトース)は $2n\times\dfrac{5.00}{125.0}=7.79\times10^{-4}$ mol。単糖1個から $\mathrm{Cu_2O}$ が1個、$\mathrm{Cu_2O}$ 1個から $\mathrm{Fe^{2+}}$ が2個、$\mathrm{MnO_4^-}$ は $\tfrac15$。
必要なら次の値を用いよ。水のモル凝固点降下 $K_f=1.85\ \mathrm{K\cdot kg/mol}$。気体は理想気体とし、標準状態の1 molの体積は 22.4 L。原子量:H 1.00, C 12.0, O 16.0, S 32.1, Na 23.0。
次の文を読み、問いに答えよ。なお、硫黄の単体および代表的な酸化物の性質を表1に示す。
硫黄は火山地帯で単体として産出し、古くから「燃える石」として知られていた。硫黄を空気中や酸素中で燃やすと、青い炎をあげて燃え、刺激臭のある無色の気体【ア】が生じる。【ア】は水に溶けて酸性を示す水溶液になり、これは【イ】とよばれる。硫黄には、斜方硫黄・単斜硫黄・ゴム状硫黄などが存在し、これらは互いに【ウ】の関係にある。常温でもっとも安定なのは【エ】で、融けた硫黄を水中に注いで急冷すると、非晶質の【オ】が得られる。
18世紀、プルーストは、化合物の成分元素の質量比が、その生成方法によらず常に一定であることを見いだした。この(a)化学の基礎法則は、のちに原子説で説明された。
硫黄の燃焼を確かめるために、図1のような装置を用いた。ガラス容器に酸素を満たし、燃焼皿に硫黄を二つに分けてのせ、一方を板ガラスでおおい、もう一方の皿に点火した。硫黄は青い炎をあげて燃え、白い煙は出なかった。燃え終わったあと、(b)容器のふたを取ってすぐに中の気体のにおいを口を近づけて直接かぐ操作は、現在は絶対にしない。(c)一方の皿の硫黄は板ガラスでおおったまま、もう一方に点火した。実験では、のせた硫黄 $4.65\ \mathrm g$ のうち燃え残りは $2.25\ \mathrm g$ で、消費された酸素の体積は標準状態で $1.68\ \mathrm L$ と推定された。
別の実験として、不純物(燃えない)を含む硫黄の試料 $5.00\ \mathrm g$ を、酸素を満たした密閉フラスコ内で完全に燃焼させ、生じた気体【ア】を集めたところ、標準状態で $3.36\ \mathrm L$ であった。(d)密閉したフラスコ内の硫黄に点火する方法には工夫が必要であった。
| 物質 | 斜方硫黄 | 二酸化硫黄 | 三酸化硫黄 |
|---|---|---|---|
| 融点/℃ | 113 | −72 | 17 |
| 沸点/℃ | 445 | −10 | 45 |
問1 【ア】〜【オ】にあてはまる用語、語句あるいは物質名を書け。
問2 下線部(a)について、プルーストが確立した化学の基礎法則は何か。次の中から一つ選べ。
① 化学平衡の法則 ② 気体反応の法則 ③ 原子説 ④ 質量保存の法則 ⑤ 総熱量保存の法則 ⑥ 定比例の法則 ⑦ 倍数比例の法則 ⑧ 分圧の法則
問3 下線部(b)について、非常に危険なので行ってはならない。どのような危険があるのか。次の中から二つ選べ。
① 刺激性・有毒の二酸化硫黄を吸い込む。 ② 硫化水素を吸い込む。 ③ 容器内の酸素が消費されていて酸素欠乏になる。 ④ 水銀の蒸気を吸い込む。 ⑤ 熱したガラスで顔をやけどする。 ⑥ 濃硫酸が口の中に入る。 ⑦ 硫黄の微粉末が口の中に入る。 ⑧ 気体が爆発する。
問4 別の実験の試料に含まれていた硫黄は質量で何%であったか、有効数字2桁で答えよ。また、導出過程も示せ。
問5 下線部(c)について、硫黄を二つに分けて入れ、一方を板ガラスでおおったのは何のためか。次の中から適切なものを一つ選べ。
① 硫黄が単斜硫黄に変化するのを防ぐため。 ② 生じた気体が容器から逃げないようにするため。 ③ 全量が一度に燃えないようにし、燃え残りの量から反応量を求められるようにするため。 ④ 硫黄の表面積を増やして、燃え残りを少なくするため。 ⑤ 点火したとき、燃え広がりやすくするため。
問6 下線部(d)の前の実験(硫黄 $4.65\ \mathrm g$ 、酸素 $1.68\ \mathrm L$)で生じた気体について、以下の設問に答えよ。
(1) この気体の分子式を、次の中から一つ選べ。また、その根拠も示せ。 ① $\mathrm{SO}$ ② $\mathrm{SO_2}$ ③ $\mathrm{SO_3}$ ④ $\mathrm{S_2O}$ ⑤ $\mathrm{S_2O_3}$
(2) この気体は水によく溶け、亜硫酸が生じる。亜硫酸の構造式を描け。
(3) この気体を、すべて取り出して正確な質量を測定することは困難である。その理由を簡潔に述べよ。
問7 下線部(d)について、密閉したフラスコ内の硫黄に、フラスコの外からどのようにして点火したのか考えよ。
問1 【ア】二酸化硫黄 $\mathrm{SO_2}$、【イ】亜硫酸、【ウ】同素体、【エ】斜方硫黄、【オ】ゴム状硫黄。
問2 成分元素の質量比が一定 → ⑥ 定比例の法則。(④質量保存の法則はラボアジエ、⑦倍数比例の法則はドルトン。)
問3 燃焼後の気体には、有毒で刺激性の二酸化硫黄が含まれ、酸素は消費されて少なくなっている → ① と ③。
問4 $\mathrm{S+O_2\to SO_2}$ で、硫黄 1 mol から $\mathrm{SO_2}$ 1 mol。
問5 全量が一度に燃えると激しすぎるうえ、燃えた量を質量で測れない。③。
問6 (1) 燃えた硫黄は $4.65-2.25=2.40$ g、$n(\mathrm S)=\dfrac{2.40}{32.1}=0.0748$ mol。酸素は $\dfrac{1.68}{22.4}=0.0750$ mol。
よって ② $\mathrm{SO_2}$。(2) 亜硫酸 $\mathrm{H_2SO_3}$:S に =O が1つ、−OH が2つ(図)。
(3) $\mathrm{SO_2}$ は気体で、水に非常によく溶けるため、容器からすべて取り出して秤量することができない。(取り出す間に水に溶けたり、逃げたりして質量が正確に測れない。)
問7 密閉を保ったまま、外から凸レンズで日光を集めて硫黄を発火点以上に加熱して点火する(容器が透明なので外から集光できる)。なお、別の方法として、あらかじめ容器内に入れた電熱線に電流を通して加熱してもよい。
本番の過去問、またはそっくり類題セットを60分で解いた結果を選んでください。次にやるべきことを表示します。
TMPSのおすすめは I → III → II → 見直し の順です。大問Iは知識と反応式で完答を狙い、大問IIIは物質量比を出す計算を取り、残った時間で大問IIの問5(凝固点降下と滴定)に使います。
分かります。著作権に配慮して問題本文・図は掲載していませんが、各小問の最初に「どういう問題か」として、設定・何を求めるか・答え方をTMPSの言葉で説明しています。
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