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大問Iは結果のみ、大問II・IIIは記述式大問 I(小問集合:答えのみ解答)
大問 II(楕円 $\dfrac{x^2}{4}+y^2=1$ に4点で外接する長方形 $\mathrm{ABCD}$:記述式)
頂点:$\left(0, \pm\sqrt{5}\right), \left(\pm\sqrt{5}, 0\right)$(順不同)
大問 III($-\sqrt{k}\leqq x\leqq\sqrt{k}$ を満たす整数 $x$ の個数 $a_k$ と極限:記述式)
大問 I :小問集合(整数・反復試行・ベクトル・数III微分)
目標時間:20分
大問Iは「答えのみ」を書く小問4題!ここで1問も落とさず20分以内で駆け抜けることが愛知医大合格への絶対条件だよ。
1)の西暦2024の素因数分解は受験生なら秒殺したい定番!2)の日本シリーズ型確率では「最後の試合に勝つ人を固定する」のが鉄則。3)のベクトルは求める内積のペアを残して移項・2乗!4)の無理関数の微分も指数表記 $(x^2+a)^{\frac{1}{2}}$ に直せば計算ミスがゼロになるよ!
問題 I - 1)
(a) $2024$ の正の約数の個数を求めよ。
(b) $2024$ の正の約数の総和を求めよ。
まずは $2024$ を小さな素数 $2$ から順番に割っていきます。
※ $253$ は「$2+3=5$(百の位と一の位の和が十の位に等しい)」なので $11$ の倍数です!実際 $253 \div 11 = 23$ となります。
$$2024 = 2^3 \times 11^1 \times 23^1$$
$2024$ の正の約数は、$2^a \times 11^b \times 23^c$ の形で表されます。
それぞれの指数(右肩の数字)の選び方は、
- $2$ の指数 $a$:$0, 1, 2, 3$ の $3+1 = 4$ 通り
- $11$ の指数 $b$:$0, 1$ の $1+1 = 2$ 通り
- $23$ の指数 $c$:$0, 1$ の $1+1 = 2$ 通り
よって、正の約数の個数は、それぞれの選び方を掛け合わせて、 $$(3+1)(1+1)(1+1) = 4 \times 2 \times 2 = \mathbf{16}\text{(個)}$$
かっこを展開したときに $16$ 個すべての約数が1回ずつ登場する式(約数の総和の公式)を作ります。
問題 I - 2)
$\mathrm{A}, \mathrm{B}$ 両者が勝負をして、先に4勝した方を優勝者とする。$\mathrm{A}, \mathrm{B}$ 共に勝率は $\dfrac{1}{2}$ で、引き分けはないものとするとき、次の問いに答えよ。
(a) 4試合目で優勝者が決まる確率を求めよ。
(b) 6試合目で優勝者が決まる確率を求めよ。
「ちょうど $n$ 試合目で優勝が決まる」というのは、「$(n-1)$ 試合目までに優勝者が3勝しており、かつ $n$ 試合目に優勝者が4勝目を挙げる」ということです。いきなり $n$ 試合全体で $_n\mathrm{C}_4$ とやってしまうと、もっと前の試合で4勝して試合が終了しているケースまで数えてしまうので絶対NGです!
【図解】6試合目でAが優勝する場合の勝ち負け配置ルール
4試合目で優勝が決まるのは、「$\mathrm{A}$ が4連勝して優勝する」または「$\mathrm{B}$ が4連勝して優勝する」の2通り(互いに排反)です。
- $\mathrm{A}$ が4連勝する確率:$\left(\dfrac{1}{2}\right)^4 = \dfrac{1}{16}$
- $\mathrm{B}$ が4連勝する確率:$\left(\dfrac{1}{2}\right)^4 = \dfrac{1}{16}$
まず、6試合目で $\mathrm{A}$ が優勝する確率を求めます。
・第1〜第5試合の5試合で「$\mathrm{A}$ が3勝、$\mathrm{B}$ が2勝」する確率は、反復試行の確率より
$${}_5\mathrm{C}_3 \left(\frac{1}{2}\right)^3 \left(\frac{1}{2}\right)^2$$
・続けて第6試合で「$\mathrm{A}$ が勝つ」確率は $\dfrac{1}{2}$ です。
よって、6試合目で $\mathrm{A}$ が優勝する確率は、
6試合目で $\mathrm{B}$ が優勝する確率も対称性からまったく同じ $\dfrac{10}{64}$ です。したがって、求める確率は2倍して、 $$\frac{10}{64} \times 2 = \frac{20}{64} = \mathbf{\frac{5}{16}}$$
問題 I - 3)
平面上に、$\overrightarrow{\mathrm{OA}}+\overrightarrow{\mathrm{OB}}+\overrightarrow{\mathrm{OC}}=\vec{0}$, $|\overrightarrow{\mathrm{OA}}|=5, |\overrightarrow{\mathrm{OB}}|=4, |\overrightarrow{\mathrm{OC}}|=6$ を満たす3つのベクトル $\overrightarrow{\mathrm{OA}}, \overrightarrow{\mathrm{OB}}, \overrightarrow{\mathrm{OC}}$ がある。このとき、次の問いに答えよ。
(a) $\overrightarrow{\mathrm{OA}}\cdot\overrightarrow{\mathrm{OB}}$ を求めよ。
(b) $\triangle\mathrm{ABC}$ の面積を求めよ。
内積 $\overrightarrow{\mathrm{OA}}\cdot\overrightarrow{\mathrm{OB}}$ を作り出すために、条件式 $\overrightarrow{\mathrm{OA}}+\overrightarrow{\mathrm{OB}}+\overrightarrow{\mathrm{OC}}=\vec{0}$ から関係ない $\overrightarrow{\mathrm{OC}}$ だけを右辺に移項します。
両辺の絶対値の2乗をとります($|\overrightarrow{\mathrm{OA}}+\overrightarrow{\mathrm{OB}}|^2 = |-\overrightarrow{\mathrm{OC}}|^2$):
$$|\overrightarrow{\mathrm{OA}}|^2 + 2\overrightarrow{\mathrm{OA}}\cdot\overrightarrow{\mathrm{OB}} + |\overrightarrow{\mathrm{OB}}|^2 = |\overrightarrow{\mathrm{OC}}|^2$$ここに $|\overrightarrow{\mathrm{OA}}|=5, |\overrightarrow{\mathrm{OB}}|=4, |\overrightarrow{\mathrm{OC}}|=6$ を代入すると、
$$\begin{aligned} 5^2 + 2\overrightarrow{\mathrm{OA}}\cdot\overrightarrow{\mathrm{OB}} + 4^2 &= 6^2 \\ 25 + 2\overrightarrow{\mathrm{OA}}\cdot\overrightarrow{\mathrm{OB}} + 16 &= 36 \\ 2\overrightarrow{\mathrm{OA}}\cdot\overrightarrow{\mathrm{OB}} &= 36 - 41 = -5 \\ \overrightarrow{\mathrm{OA}}\cdot\overrightarrow{\mathrm{OB}} &= \mathbf{-\frac{5}{2}} \end{aligned}$$まず、$\triangle\mathrm{OAB}$ の面積を求めます。ベクトルを用いた三角形の面積公式より、
ここで $1575 = 25 \times 63 = 25 \times 9 \times 7 = 15^2 \times 7$ なので、$\sqrt{1575} = 15\sqrt{7}$ です。
$$\triangle\mathrm{OAB} = \frac{15\sqrt{7}}{4}$$なぜ $\triangle\mathrm{ABC} = 3\triangle\mathrm{OAB}$ になるの?
条件式 $\overrightarrow{\mathrm{OA}}+\overrightarrow{\mathrm{OB}}+\overrightarrow{\mathrm{OC}}=\vec{0}$ の両辺を $3$ で割ると $\dfrac{\overrightarrow{\mathrm{OA}}+\overrightarrow{\mathrm{OB}}+\overrightarrow{\mathrm{OC}}}{3}=\vec{0}$ となり、点 $\mathrm{O}$ は $\triangle\mathrm{ABC}$ の重心であることが分かります!
重心 $\mathrm{O}$ は $\triangle\mathrm{ABC}$ を面積の等しい3つの三角形($\triangle\mathrm{OAB}, \triangle\mathrm{OBC}, \triangle\mathrm{OCA}$)に3等分します(あるいは $\overrightarrow{\mathrm{AC}}=\overrightarrow{\mathrm{OC}}-\overrightarrow{\mathrm{OA}}=-2\overrightarrow{\mathrm{OA}}-\overrightarrow{\mathrm{OB}}$ からも同じ結果が得られます)。
したがって、求める $\triangle\mathrm{ABC}$ の面積は $\triangle\mathrm{OAB}$ の $3$ 倍となり、 $$\triangle\mathrm{ABC} = 3\triangle\mathrm{OAB} = 3 \times \frac{15\sqrt{7}}{4} = \mathbf{\frac{45\sqrt{7}}{4}}$$
問題 I - 4)
次の空欄を埋めよ。
$a$ を正の定数とし、関数 $f(x)=\sqrt{x^2+a}+\dfrac{1}{\sqrt{x^2+a}}$ を考える。$f'(x)=\dfrac{\fbox{ (a) }}{(x^2+a)^{3/2}}$ であるので、$f(x)$ が極大値をもつための条件は $0 < a < \fbox{ (b) }$ であり、そのときの $f(x)$ の極大値は $\fbox{ (c) }$、極小値は $\fbox{ (d) }$ である。
$a>0$ より、すべての実数 $x$ に対して $x^2+a>0$ です。
$f(x) = (x^2+a)^{\frac{1}{2}} + (x^2+a)^{-\frac{1}{2}}$ と書き直して $x$ で微分します。中の関数 $(x^2+a)$ の微分 $2x$ を掛けるのを忘れないようにしましょう!
よって、空欄 (a) は $\mathbf{x(x^2+a-1)}$ (展開した $x^3+(a-1)x$ でも可)です。
分母 $(x^2+a)^{3/2}$ は常に正なので、$f'(x)$ の符号は分子 $g(x) = x(x^2+a-1)$ の符号だけで決まります。
もし $a-1 \geqq 0$(すなわち $a \geqq 1$)だと、$x^2+a-1 \geqq 0$ となり、$f'(x)$ の符号は $x<0$ で負、$x>0$ で正となるため、$x=0$ で極小値をもつだけで極大値をもちません。
したがって、極大値をもつためには $x^2+a-1=0$ が異なる2つの実数解をもつ必要があり、
$$a - 1 < 0 \iff a \lt 1$$
$a>0$ と合わせて $0 < a < \mathbf{1}$ となります(空欄 (b) は $\mathbf{1}$)。
$0 < a \lt 1$ のとき、$1-a > 0$ なので、$f'(x)=0$ となるのは $$x = 0, \quad x = \pm\sqrt{1-a}$$ の3点です。増減表は以下のようになります。
| $x$ | $\cdots$ | $-\sqrt{1-a}$ | $\cdots$ | $0$ | $\cdots$ | $\sqrt{1-a}$ | $\cdots$ |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| $f'(x)$ | $-$ | $0$ | $+$ | $0$ | $-$ | $0$ | $+$ |
| $f(x)$ | $\searrow$ | 極小 $2$ |
$\nearrow$ | 極大 $\sqrt{a}+\frac{1}{\sqrt{a}}$ |
$\searrow$ | 極小 $2$ |
$\nearrow$ |
- 極大値($x=0$ のとき): $$f(0) = \sqrt{0+a} + \frac{1}{\sqrt{0+a}} = \mathbf{\sqrt{a} + \frac{1}{\sqrt{a}}} \quad \left(\text{または } \frac{a+1}{\sqrt{a}}\right)$$
- 極小値($x=\pm\sqrt{1-a}$ のとき):$x^2 = 1-a$ を代入すると $\sqrt{x^2+a} = \sqrt{(1-a)+a} = \sqrt{1} = 1$ となるので、 $$f(\pm\sqrt{1-a}) = 1 + \frac{1}{1} = \mathbf{2}$$
大問 II :楕円に4点で外接する長方形(図形と方程式・二次曲線)
目標時間:30分(記述式)
大問IIは二次曲線の超有名な背景『準円(ディレクターサークル)』をテーマにした良問だよ!
1)で直交する接線への距離 $d_1, d_2$ を $a, b$ で表すときに、「$b=0$ のとき」などのゼロ割りを防ぐ一言を添えるか、または楕円上の接点 $(x_1, y_1)$ の接線公式 $\dfrac{x_1x}{4}+y_1y=1$ と係数比較するエレガント解法を使うと計算が10倍ラクになるよ!
さらに2)で $d_1^2+d_2^2=5$(一定!)に気づけば、3)の面積最大も一瞬で解けちゃうよ!
問題 II
楕円 $\dfrac{x^2}{4}+y^2=1$ に4点で外接する長方形 $\mathrm{ABCD}$ を考えるとき、次の問いに答えよ。
1) 直線 $\mathrm{AD}$ の方程式が $ax+by+c=0$ であるとする。原点から辺 $\mathrm{AD}$ への距離 $d_1$ と原点から辺 $\mathrm{AB}$ への距離 $d_2$ を $a, b$ で表せ。
2) この長方形の対角線の長さ $L$ を求めよ。
3) この長方形の面積 $S$ の最大値およびそのときの長方形の頂点の座標を求めよ。
楕円 $\dfrac{x^2}{4}+y^2=1$ は原点 $\mathrm{O}$ に関して点対称な図形です。したがって、それに4点で外接する長方形 $\mathrm{ABCD}$ も原点 $\mathrm{O}$ に関して点対称(長方形の中心が原点 $\mathrm{O}$)になります。
- 辺 $\mathrm{AD}$ と辺 $\mathrm{BC}$ の距離(短辺または長辺)$= \mathbf{2d_1}$
- 辺 $\mathrm{AB}$ と辺 $\mathrm{CD}$ の距離(もう一方の辺)$= \mathbf{2d_2}$
- 対角線の長さ $L = \sqrt{(2d_1)^2 + (2d_2)^2} = \mathbf{2\sqrt{d_1^2+d_2^2}}$
- 長方形の面積 $S = (2d_1)\times(2d_2) = \mathbf{4d_1d_2}$
1) 原点から辺 $\mathrm{AD}$ への距離 $d_1$ と辺 $\mathrm{AB}$ への距離 $d_2$
直線 $\mathrm{AD}: ax+by+c=0$ において、直線であるから $(a, b)\neq(0,0)$ すなわち $a^2+b^2 > 0$ です。
ここで、判別式や接点比較で場合分け不要のスマートな方法(接線公式との比較)と代入して判別式 $D=0$ を使う王道の方法のどちらでも同じ関係式 $c^2 = 4a^2+b^2$ が得られます。記述答案で最も減点されにくい丁寧な導出を示します。
【方法A:判別式 $D=0$ による導出】
(i) $b \neq 0$ のとき、直線の方程式より $y = -\dfrac{ax+c}{b}$。これを楕円の方程式 $x^2+4y^2=4$ に代入すると、
$$\begin{aligned} x^2 + 4\left(-\frac{ax+c}{b}\right)^2 &= 4 \\ b^2x^2 + 4(a^2x^2 + 2acx + c^2) &= 4b^2 \\ (4a^2+b^2)x^2 + 8acx + 4(c^2-b^2) &= 0 \end{aligned}$$この $x$ の2次方程式の判別式を $D$ とすると、直線と楕円が接する条件は $D/4 = 0$ であるから、
$$\begin{aligned} \frac{D}{4} &= (4ac)^2 - (4a^2+b^2)\cdot 4(c^2-b^2) = 0 \\ 16a^2c^2 - 4(4a^2c^2 - 4a^2b^2 + b^2c^2 - b^4) &= 0 \\ 4b^2(4a^2 + b^2 - c^2) &= 0 \end{aligned}$$$b \neq 0$ より $b^2 \neq 0$ であるから、
$$c^2 = 4a^2 + b^2 \quad \cdots \text{①}$$(ii) $b = 0$ のとき(このとき $a\neq 0$)、直線は $x = -\dfrac{c}{a}$ となり、楕円 $\dfrac{x^2}{4}+y^2=1$ に接するのは $x = \pm 2$ すなわち $\left(-\dfrac{c}{a}\right)^2 = 4 \iff c^2 = 4a^2$ のときである。これは①で $b=0$ としたものと一致する。
※【別解(方法B:接線公式による1行導出)】
楕円 $\dfrac{x^2}{4}+y^2=1$ 上の接点を $(x_0, y_0)$ とすると、接線の方程式は $\dfrac{x_0}{4}x + y_0y - 1 = 0$ である。これが $ax+by+c=0$(原点は通らないので $c\neq 0$)と一致するから、$\dfrac{x_0}{4} = -\dfrac{a}{c}, y_0 = -\dfrac{b}{c}$ すなわち $x_0 = -\dfrac{4a}{c}, y_0 = -\dfrac{b}{c}$。接点 $(x_0, y_0)$ は楕円上にあるので $\dfrac{1}{4}\left(-\dfrac{4a}{c}\right)^2 + \left(-\dfrac{b}{c}\right)^2 = 1 \iff c^2 = 4a^2 + b^2$ がただちに得られる!
点と直線の距離の公式より、原点 $(0, 0)$ から直線 $\mathrm{AD}: ax+by+c=0$ への距離 $d_1$ は、①($|c| = \sqrt{4a^2+b^2}$)を代入して、
四角形 $\mathrm{ABCD}$ は長方形なので、辺 $\mathrm{AB}$ は辺 $\mathrm{AD}$ ($ax+by+c=0$) に垂直です。
$ax+by+c=0$ の法線ベクトルは $(a, b)$ なので、それに垂直な直線 $\mathrm{AB}$ の法線ベクトルは $(b, -a)$ ととれます。
よって、定数 $c'$ を用いて、直線 $\mathrm{AB}$ の方程式は
$$bx - ay + c' = 0$$
と表せます。
直線 $\mathrm{AB}$ も楕円 $\dfrac{x^2}{4}+y^2=1$ に接するので、STEP 1 の結果①において「$a$ を $b$ に、$b$ を $-a$ に、$c$ を $c'$ に」置き換えることで、
$$(c')^2 = 4b^2 + (-a)^2 = a^2 + 4b^2$$
が成り立ちます。したがって、原点から辺 $\mathrm{AB}$ への距離 $d_2$ は、
2) 長方形 $\mathrm{ABCD}$ の対角線の長さ $L$
楕円 $\dfrac{x^2}{4}+y^2=1$ は原点に関して対称であるため、外接する長方形 $\mathrm{ABCD}$ も原点に関して対称です。
すなわち、原点から辺 $\mathrm{BC}$ への距離も $d_1$、原点から辺 $\mathrm{CD}$ への距離も $d_2$ となるので、長方形の隣り合う2辺の長さは
$$\mathrm{AB} = 2d_1, \quad \mathrm{AD} = 2d_2$$
です。よって、三平方の定理より対角線の長さ $L$ は、
1) で求めた $d_1, d_2$ を代入して $d_1^2 + d_2^2$ を計算すると、
なんと、長方形がどの角度に傾いていても $d_1^2+d_2^2=5$(一定)となります!
したがって、対角線の長さ $L$ は、
$$L = 2\sqrt{5}$$
3) 長方形の面積 $S$ の最大値およびそのときの頂点の座標
長方形 $\mathrm{ABCD}$ の面積 $S$ は、2辺の長さが $2d_1, 2d_2$ であるから、 $$S = (2d_1)(2d_2) = 4d_1d_2$$ です。ここで、2) より $d_1^2 + d_2^2 = 5$(一定)であり、$d_1^2 > 0, d_2^2 > 0$ であるから、相加平均と相乗平均の大小関係より、
(または $(d_1-d_2)^2 \geqq 0 \iff 2d_1d_2 \leqq d_1^2+d_2^2 = 5$ としてもOK!)
$$S = 4d_1d_2 \leqq 4 \times \frac{5}{2} = \mathbf{10}$$等号が成立するのは、$d_1 > 0, d_2 > 0$ より $$d_1 = d_2 \left(= \sqrt{\frac{5}{2}}\right)$$ すなわち長方形 $\mathrm{ABCD}$ が正方形になるときです!
等号成立条件 $d_1 = d_2$ を $a, b$ の式で表すと、
このとき、①より $c^2 = 4a^2 + a^2 = 5a^2 \iff c = \pm\sqrt{5}a$ となります。
直線の方程式 $ax+by+c=0$ の両辺を $a (\neq 0)$ で割ると、長方形の4辺の方程式は次の4本になります:
【図解】面積 $S$ が最大値 $10$ をとるときの外接正方形と4頂点
これらの4直線の交点を求めると、ちょうど $x$ 軸上および $y$ 軸上の4点になります!
・$x+y=\sqrt{5}$ と $x-y=\sqrt{5}$ の交点:$(\sqrt{5}, 0)$
・$x+y=\sqrt{5}$ と $x-y=-\sqrt{5}$ の交点:$(0, \sqrt{5})$
・$x+y=-\sqrt{5}$ と $x-y=-\sqrt{5}$ の交点:$(-\sqrt{5}, 0)$
・$x+y=-\sqrt{5}$ と $x-y=\sqrt{5}$ の交点:$(0, -\sqrt{5})$
1) $d_1 = \sqrt{\dfrac{4a^2+b^2}{a^2+b^2}}, \quad d_2 = \sqrt{\dfrac{a^2+4b^2}{a^2+b^2}}$
2) $L = 2\sqrt{5}$
3) 面積 $S$ の最大値:$10$ 、そのときの長方形の頂点の座標:$(0, \sqrt{5}), (-\sqrt{5}, 0), (0, -\sqrt{5}), (\sqrt{5}, 0)$
一般に、楕円 $\dfrac{x^2}{A^2}+\dfrac{y^2}{B^2}=1$ の直交する2本の接線の交点(つまり外接長方形の4頂点)の軌跡は、半径 $\sqrt{A^2+B^2}$ の円 $x^2+y^2=A^2+B^2$(準円)になります。
本問では $A^2=4, B^2=1$ なので、長方形の4頂点は常に半径 $\sqrt{4+1}=\sqrt{5}$ の円 $x^2+y^2=5$ 上にあります。だから2)の対角線の長さ $L$ は円の直径 $2\sqrt{5}$ になるのが当たり前だし、3)の「半径 $\sqrt{5}$ の円に内接する長方形の面積最大」も、当然ながら正方形になるときで、対角線が座標軸上で直交するから面積は $\dfrac{1}{2}\times 2\sqrt{5}\times 2\sqrt{5}=10$ と1秒で確信できるんだ!
大問 III :不等式を満たす整数の個数と級数の極限(数III極限・積分法)
目標時間:30分(記述式)
大問IIIは「ガウス記号(整数部分)」と「はさみうちの原理+区分求積法(または面積比較)」の融合問題!
こういう問題で手が止まる人は、いきなり文字 $k$ で考えようとしすぎているよ。まずは1)で $k=1, 2, 3, 4$ を数直線上で実験しよう!すると「正の整数が $m$ 個、負の整数が $m$ 個、そして真ん中の $0$ が1個で、合計 $2m+1$ 個!」という超シンプルな仕組みが見えてくるよ。
3)は2)の不等式を辺々足して $n^{3/2}$ で割り、$\dfrac{1}{n}\displaystyle\sum_{k=1}^{n}\sqrt{\dfrac{k}{n}}$ の区分求積法に持ち込めば完答確定だよ!
問題 III
$-\sqrt{k}\leqq x\leqq\sqrt{k} \ (k=1, 2, \cdots)$ を満たす整数 $x$ の個数を $a_k$, $S_n = \displaystyle\sum_{k=1}^{n}a_k \ (n=1, 2, \cdots)$ とする。このとき、次の問いに答えよ。
1) $S_4$ を求めよ。
2) 不等式 $2\sqrt{k}-1 < a_k \leqq 2\sqrt{k}+1 \ (k=1, 2, \cdots)$ を証明せよ。
3) 極限 $\displaystyle\lim_{n\to\infty}\frac{S_n}{n^{\frac{3}{2}}}$ を求めよ。
1) $S_4$ の値を求める
不等式 $-\sqrt{k}\leqq x\leqq\sqrt{k}$ は、両辺が $0$ 以上であることに注意して2乗すると $x^2 \leqq k$ を満たす整数 $x$ と考えることもできます。$k=1, 2, 3, 4$ について調べましょう。
- ・$k=1$ のとき:$-1 \leqq x \leqq 1$ を満たす整数 $x$ は $x = -1, 0, 1$ の3個であるから、$a_1 = 3$
- ・$k=2$ のとき:$-\sqrt{2} \leqq x \leqq \sqrt{2}$ ($\sqrt{2}\fallingdotseq 1.41$)を満たす整数 $x$ は $x = -1, 0, 1$ の3個であるから、$a_2 = 3$
- ・$k=3$ のとき:$-\sqrt{3} \leqq x \leqq \sqrt{3}$ ($\sqrt{3}\fallingdotseq 1.73$)を満たす整数 $x$ は $x = -1, 0, 1$ の3個であるから、$a_3 = 3$
- ・$k=4$ のとき:$-2 \leqq x \leqq 2$ を満たす整数 $x$ は $x = -2, -1, 0, 1, 2$ の5個であるから、$a_4 = 5$
したがって、求める $S_4$ は、 $$S_4 = \sum_{k=1}^{4}a_k = a_1 + a_2 + a_3 + a_4 = 3 + 3 + 3 + 5 = \mathbf{14}$$
2) 不等式 $2\sqrt{k}-1 < a_k \leqq 2\sqrt{k}+1$ の証明
$k \geqq 1$ に対して、$\sqrt{k}$ 以下の最大の整数($\sqrt{k}$ の整数部分)を $m$ とおきます。
すなわち、$m$ は次の不等式を満たす自然数です:
$$m \leqq \sqrt{k} < m + 1 \quad \cdots \text{①}$$
【図解】数直線上の $-\sqrt{k} \leqq x \leqq \sqrt{k}$ に含まれる整数 $x$ の個数
①より、$-(m+1) < -\sqrt{k} \leqq -m$ でもあるから、$-\sqrt{k} \leqq x \leqq \sqrt{k}$ を満たす整数 $x$ は、 $$x = -m, -(m-1), \cdots, -1, 0, 1, \cdots, m-1, m$$ です。その個数 $a_k$ は、 $$a_k = m - (-m) + 1 = \mathbf{2m + 1} \quad \cdots \text{②}$$ と表せます。
①の不等式 $m \leqq \sqrt{k} < m + 1$ を2つに分けて変形します。
・左側の不等式 $m \leqq \sqrt{k}$ の両辺を2倍して $1$ を足すと、
$$2m + 1 \leqq 2\sqrt{k} + 1 \iff a_k \leqq 2\sqrt{k} + 1$$・右側の不等式 $\sqrt{k} < m + 1$ より $\sqrt{k} - 1 < m$。両辺を2倍して $1$ を足すと、
$$2(\sqrt{k} - 1) + 1 < 2m + 1 \iff 2\sqrt{k} - 1 < a_k$$以上を合わせることで、すべての自然数 $k=1, 2, \cdots$ に対して $$2\sqrt{k} - 1 < a_k \leqq 2\sqrt{k} + 1$$ が成り立つことが証明されました。(証明終)
3) 極限 $\displaystyle\lim_{n\to\infty}\frac{S_n}{n^{\frac{3}{2}}}$ を求める
2)で証明した不等式 $2\sqrt{k}-1 < a_k \leqq 2\sqrt{k}+1$ について、$k=1, 2, \cdots, n$ として辺々を加えると、$\displaystyle\sum_{k=1}^{n}1 = n$ であるから、
各辺を $n^{\frac{3}{2}} \ (>0)$ で割ると、
$$2\cdot\frac{1}{n}\sum_{k=1}^{n}\sqrt{\frac{k}{n}} - \frac{1}{\sqrt{n}} < \frac{S_n}{n^{\frac{3}{2}}} \leqq 2\cdot\frac{1}{n}\sum_{k=1}^{n}\sqrt{\frac{k}{n}} + \frac{1}{\sqrt{n}} \quad \cdots \text{③}$$※ $\dfrac{\sqrt{k}}{n^{\frac{3}{2}}} = \dfrac{\sqrt{k}}{n\sqrt{n}} = \dfrac{1}{n}\sqrt{\dfrac{k}{n}}$ 、および $\dfrac{n}{n^{\frac{3}{2}}} = \dfrac{1}{\sqrt{n}}$ と変形しています!
ここで、区分求積法の公式 $\displaystyle\lim_{n\to\infty}\frac{1}{n}\sum_{k=1}^{n}f\left(\frac{k}{n}\right) = \int_{0}^{1}f(x)\,dx$ において $f(x)=\sqrt{x}$ とすると、
また、$\displaystyle\lim_{n\to\infty}\frac{1}{\sqrt{n}} = 0$ であるから、③の左辺および右辺の $n\to\infty$ における極限はともに、
よって、はさみうちの原理により、 $$\lim_{n\to\infty}\frac{S_n}{n^{\frac{3}{2}}} = \mathbf{\frac{4}{3}}$$
1) $S_4 = 14$
2) $\sqrt{k}$ 以下の最大の整数を $m$ とおくと $m\leqq\sqrt{k}$ 3) $\displaystyle\lim_{n\to\infty}\frac{S_n}{n^{\frac{3}{2}}} = \frac{4}{3}$
3)の $\displaystyle\sum_{k=1}^{n}\sqrt{k}$ の評価は、区分求積法を使うのが一番スピーディーでおすすめですが、単調増加関数 $y=\sqrt{x}$ のグラフの面積比較から $$\int_{0}^{n}\sqrt{x}\,dx < \sum_{k=1}^{n}\sqrt{k} < \int_{1}^{n+1}\sqrt{x}\,dx \iff \frac{2}{3}n^{\frac{3}{2}} < \sum_{k=1}^{n}\sqrt{k} < \frac{2}{3}\left\{(n+1)^{\frac{3}{2}}-1\right\}$$ としてはさみうちの原理を使う方法でも満点が取れます。どちらの手法も医学部入試の超頻出パターンなので、両方とも自在に使いこなせるようにしておきましょう!
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