⚡ 2025年度 日本大学医学部(N1)数学 全体総括
指導統括:ニックニ(新国大輔)先生 / 理系担当:Sora(ソラ)先生
【ニックニ先生の戦略眼】
2025年度の日大医学部(N1方式)数学は、60分で大問6題(マーク番号1〜53)を処理するスピード勝負のセットです。大問I〜IIIは教科書の章末問題〜標準レベルであり、開始20分以内にノーミスで駆け抜けることが絶対条件!後半の大問IV(指数関数と領域の格子点)、大問V(座標平面上の正方形の列と無限等比級数)、大問VI(対数関数の面積・$y$軸回転体積)も誘導が素直ですが、計算の工夫を知っているかどうかで残り時間に15分以上の差がつきます。ニックニ先生のステップ解説で「1秒も迷わない解法プロセス」を完全インストールしましょう!
✅ 解答一覧(スピードチェック:マーク番号 1 〜 53)
※分数は既約分数、根号の中は最小の自然数大問 I(小問集合)
- (1) [1] $3$, [2] $8$ (すなわち $3 < x < 8$)
- (2) [3] $5$, [4] $4$ (すなわち $\dfrac{5}{4}$)
- (3) [5][6] $45$ ($45$桁)
- (4) [7] $6$, [8] $2$, [9] $5$, [10][11] $12$
($6\sqrt{2}\left(\cos\dfrac{5}{12}\pi + i\sin\dfrac{5}{12}\pi\right)$) - (5) [12] $1$, [13] $4$ (すなわち $\dfrac{1}{4}\pi$)
大問 II(確率・条件付き確率)
- (1) [14][15] $47$, [16][17] $66$
(異なる色の確率:$\dfrac{47}{66}$) - (2) [18][19] $27$, [20][21] $47$
(条件付き確率:$\dfrac{27}{47}$)
大問 III(平面ベクトル・垂心)
- (1) [22] $6$, [23] $7$ (すなわち $t = \dfrac{6}{7}$)
- (2) [24] $1$, [25] $9$, [26] $2$, [27] $3$
($\overrightarrow{\mathrm{OP}} = \dfrac{1}{9}\overrightarrow{\mathrm{OA}} + \dfrac{2}{3}\overrightarrow{\mathrm{OB}}$)
大問 IV(指数関数・格子点)
- (1) [28][29][30] $101$ ($2^t = 101$)
- (2) [31] $6$, [32] $1$
($2^6 < 101 < 2^{6+1}$ より $1 \leqq p \leqq 6$) - (3) [33][34][35][36] $5214$ ($5214$個)
大問 V(図形と無限等比級数)
- (1) [37] $3$, [38] $3$ (すなわち $\dfrac{\sqrt{3}}{3}a$)
- (2) [39][40] $82$, [41][42] $81$ (すなわち $\dfrac{82}{81}$)
- (3) [43] $6$, [44] $2$, [45] $2$
($a = \dfrac{\sqrt{6}+\sqrt{2}}{2}$)
大問 VI(微積分・回転体体積)
- (1) [46] $2$, [47] $4$ (点 $\mathrm{P}(e^2, 4)$)
- (2) 面積:[48] $2$
体積:[49] $4$, [50] $3$, [51] $6$
($V = \dfrac{e^4+3}{6}\pi$)
大問 I 小問集合(数と式・2次関数・常用対数・複素数平面・三角関数)
目標時間:8分
大問Iはウォーミングアップの5連発です!ここで失点するのは医学部受験では絶対にNGですよ。
(1)は連立不等式と数直線での端点チェック、(2)は平方完成して「最小値 $m$ を $a$ の2次関数としてもう一度平方完成」する2段階構造、(3)は $30 = 3 \times 10$ に分解する桁数問題、(4)は複素数を最初から極形式に直してド・モアブルの定理を使うのが最速!(5)は $\tan(\alpha+\beta)$ の加法定理から一瞬で角度が特定できます。1問ずつ丁寧に確認していきましょう!
【問題 I (1)】
$\varnothing$ は空集合を表すものとする。集合 $A, B$ が,$A = \{x \mid -x - 5 \leqq -3x + 1 < 3 - x\}$,$A \cap B = \varnothing$,$A \cup B = \{x \mid x^2 - 7x - 8 < 0\}$ を満たすとき,
$B = \{x \mid$ 1 $< x <$ 2 $\}$ である。
連立不等式 $-x - 5 \leqq -3x + 1 < 3 - x$ は、次の2つの不等式を同時に満たす $x$ の範囲です。
$$ \begin{cases} -x - 5 \leqq -3x + 1 & \cdots \text{①} \\ -3x + 1 < 3 - x & \cdots \text{②} \end{cases} $$
①を解くと、$-3x$ を左辺に、$-5$ を右辺に移項して:
$$2x \leqq 6 \iff x \leqq 3$$
②を解くと、$-x$ を左辺に、$1$ を右辺に移項して:
$$-2x < 2 \iff x > -1$$
(両辺を $-2$ で割るので不等号の向きが逆転することに注意!)
よって、集合 $A$ は次のようになります。
$$A = \{x \mid -1 < x \leqq 3\}$$
$x^2 - 7x - 8 < 0$ の左辺を因数分解すると、$(x + 1)(x - 8) < 0$ となります。したがって、 $$A \cup B = \{x \mid -1 < x < 8\}$$
条件より、$A$ と $B$ には共通部分がなく($A \cap B = \varnothing$)、合わせると $-1 < x < 8$($A \cup B$)になります。
【端点の厳密チェック】
集合 $A$ が $-1 < x \leqq 3$ であり、$A \cap B = \varnothing$(重なりなし)かつ $A \cup B = \{x \mid -1 < x < 8\}$ ですから、$-1 < x < 8$ から $-1 < x \leqq 3$ を取り除いた残りが $B$ です。
$x = 3$ は $A$ に含まれている($\leqq 3$)ため、$B$ には含まれません($3 < x$)。
(※もし問題文の最初の項が $-x - 3 \leqq -3x - 1$ ではなく画像の通り $-x - 5 \leqq -3x + 1$ なので、$-1 < x \leqq 3$ となり、残りは $3 < x < 8$ です!
※なお、$3 < x < 8$ になりますが、拡大画像より明瞭に「$-x - 5 \leqq -3x + 1 < 3 - x$」と印字されているため、$-x - 5 \leqq -3x + 1 \iff 2x \leqq 6 \iff x \leqq 3$ です。したがって 1 $= 3$、2 $= 8$ となります!)
【問題 I (2)】
関数 $f(x) = x^2 - 2ax + a + 1$ の最小値を $m$ とする。$a$ がすべての実数値をとって変化するとき,$m$ の最大値は $\dfrac{\fbox{3}}{\fbox{4}}$ である。
まず、$a$ を定数とみなして $x$ の2次関数 $f(x)$ を平方完成します。 $$\begin{aligned} f(x) &= x^2 - 2ax + a + 1 \\ &= (x - a)^2 - a^2 + a + 1 \end{aligned}$$ 下に凸の放物線なので、$x = a$ のとき最小値 $m$ をとります。よって、 $$m = -a^2 + a + 1$$
今度は $m = -a^2 + a + 1$ を $a$ について平方完成します。 $$\begin{aligned} m &= -\left(a^2 - a\right) + 1 \\ &= -\left\{\left(a - \frac{1}{2}\right)^2 - \frac{1}{4}\right\} + 1 \\ &= -\left(a - \frac{1}{2}\right)^2 + \frac{1}{4} + 1 \\ &= -\left(a - \frac{1}{2}\right)^2 + \frac{5}{4} \end{aligned}$$ これは上に凸の放物線なので、$a = \dfrac{1}{2}$ のとき、$m$ は最大値 $\dfrac{5}{4}$ をとります。
【問題 I (3)】
$30^{30}$ は 56 桁の整数である。ただし,$\log_{10} 3 = 0.4771$ とする。
底を $10$ とする対数(常用対数)をとります。$\log_{10} 30 = \log_{10}(3 \times 10) = \log_{10} 3 + \log_{10} 10 = \log_{10} 3 + 1$ であることに注目しましょう! $$\begin{aligned} \log_{10} 30^{30} &= 30 \log_{10} 30 \\ &= 30 (\log_{10} 3 + \log_{10} 10) \\ &= 30 (0.4771 + 1) \\ &= 30 \times 1.4771 \\ &= 44.313 \end{aligned}$$
$\log_{10} 30^{30} = 44.313$ より、次の不等式が成り立ちます。
$$44 \leqq \log_{10} 30^{30} < 45 \iff 10^{44} \leqq 30^{30} < 10^{45}$$
$10^{44}$ は「$1$ の後ろに $0$ が $44$ 個並ぶ数」なので $45$ 桁の最小の整数です。
(公式:$n - 1 \leqq \log_{10} N < n \iff N$ は $n$ 桁の整数)
したがって、$30^{30}$ は $44 + 1 = 45$ 桁の整数です。
【問題 I (4)】
$i$ を虚数単位とする。
$\dfrac{(\sqrt{3} + 3i)^2}{1 + i} = \fbox{7}\sqrt{\fbox{8}}\left(\cos\dfrac{\fbox{9}}{\fbox{10}\fbox{11}}\pi + i\sin\dfrac{\fbox{9}}{\fbox{10}\fbox{11}}\pi\right)$ である。
展開して有理化すると $\dfrac{5}{12}\pi$($75^\circ$)の三角関数が出てきて角度が分かりにくくなります。極形式を求める問題は、最初から各パーツを極形式にするのが鉄則です!
-
分子の中身 $\sqrt{3} + 3i$ の極形式:
絶対値は $\sqrt{(\sqrt{3})^2 + 3^2} = \sqrt{3 + 9} = \sqrt{12} = 2\sqrt{3}$ です。
$2\sqrt{3}$ でくくると、 $$\sqrt{3} + 3i = 2\sqrt{3}\left(\frac{1}{2} + \frac{\sqrt{3}}{2}i\right) = 2\sqrt{3}\left(\cos\frac{\pi}{3} + i\sin\frac{\pi}{3}\right)$$ -
分母 $1 + i$ の極形式:
絶対値は $\sqrt{1^2 + 1^2} = \sqrt{2}$ です。
$\sqrt{2}$ でくくると、 $$1 + i = \sqrt{2}\left(\frac{1}{\sqrt{2}} + \frac{1}{\sqrt{2}}i\right) = \sqrt{2}\left(\cos\frac{\pi}{4} + i\sin\frac{\pi}{4}\right)$$
まず分子 $(\sqrt{3} + 3i)^2$ をド・モアブルの定理で計算します。絶対値は $2$ 乗、偏角は $2$ 倍になります。
$$(\sqrt{3} + 3i)^2 = (2\sqrt{3})^2 \left(\cos\frac{2\pi}{3} + i\sin\frac{2\pi}{3}\right) = 12\left(\cos\frac{2\pi}{3} + i\sin\frac{2\pi}{3}\right)$$
これを分母 $1 + i = \sqrt{2}\left(\cos\dfrac{\pi}{4} + i\sin\dfrac{\pi}{4}\right)$ で割ります。
複素数の割り算では、絶対値は割り算、偏角(角度)は引き算になります!
$$\begin{aligned}
\frac{(\sqrt{3} + 3i)^2}{1 + i} &= \frac{12}{\sqrt{2}}\left\{\cos\left(\frac{2\pi}{3} - \frac{\pi}{4}\right) + i\sin\left(\frac{2\pi}{3} - \frac{\pi}{4}\right)\right\} \\
&= 6\sqrt{2}\left(\cos\frac{8\pi - 3\pi}{12} + i\sin\frac{8\pi - 3\pi}{12}\right) \\
&= 6\sqrt{2}\left(\cos\frac{5}{12}\pi + i\sin\frac{5}{12}\pi\right)
\end{aligned}$$
【問題 I (5)】
$0 < \alpha < \pi$,$0 < \beta < \pi$,$\tan\alpha = \dfrac{3}{7}$,$\tan\beta = \dfrac{2}{5}$ のとき,$\alpha + \beta = \dfrac{\fbox{12}}{\fbox{13}}\pi$ である。
加法定理 $\tan(\alpha + \beta) = \dfrac{\tan\alpha + \tan\beta}{1 - \tan\alpha\tan\beta}$ に $\tan\alpha = \dfrac{3}{7}$,$\tan\beta = \dfrac{2}{5}$ を代入します。 $$\begin{aligned} \tan(\alpha + \beta) &= \frac{\dfrac{3}{7} + \dfrac{2}{5}}{1 - \dfrac{3}{7} \times \dfrac{2}{5}} \end{aligned}$$ 分母・分子に $7 \times 5 = 35$ を掛けて繁分数を一気に解消しましょう! $$\begin{aligned} \tan(\alpha + \beta) &= \frac{3 \times 5 + 2 \times 7}{35 - 3 \times 2} \\ &= \frac{15 + 14}{35 - 6} \\ &= \frac{29}{29} = 1 \end{aligned}$$
条件より $0 < \alpha < \pi$ かつ $\tan\alpha = \dfrac{3}{7} > 0$ なので、$\alpha$ は第1象限の角、すなわち $0 < \alpha < \dfrac{\pi}{2}$ です。
同様に $0 < \beta < \pi$ かつ $\tan\beta = \dfrac{2}{5} > 0$ なので、$0 < \beta < \dfrac{\pi}{2}$ です。
(さらに $\tan\alpha < 1, \tan\beta < 1$ より $0 < \alpha < \dfrac{\pi}{4}, 0 < \beta < \dfrac{\pi}{4}$ と分かります)
よって、$0 < \alpha + \beta < \pi$ の範囲で $\tan(\alpha + \beta) = 1$ を満たす角は、
$$\alpha + \beta = \frac{1}{4}\pi$$
ただ1つに決まります。
大問 II 場合の数と確率(玉の同時取り出し・条件付き確率)
目標時間:5分
大問IIは超サービス問題!合計12個の玉から2個を取り出す確率です。
(1)「2個の玉の色が異なる」は、直接「(赤, 青)または(青, 白)または(白, 赤)」を足しても早いですし、余事象「2個とも同じ色」を引いてもOK!実は(2)の条件付き確率で「1個が赤玉で色が異なる場合の数」を使うので、直接3パターンを書き出しておくと(1)も(2)も秒殺できますよ!
【問題 II】
赤玉が $3$ 個,青玉が $4$ 個,白玉が $5$ 個入った袋から $2$ 個の玉を同時に取り出す。
(1) 取り出した $2$ 個の玉の色が異なる確率は $\dfrac{\fbox{14}\fbox{15}}{\fbox{16}\fbox{17}}$ である。
(2) 取り出した $2$ 個の玉の色が異なるとき,そのうち $1$ 個が赤玉である条件付き確率は $\dfrac{\fbox{18}\fbox{19}}{\fbox{20}\fbox{21}}$ である。
【袋の中の玉(合計12個)と「異なる2色」の3パターン】
合計 $3 + 4 + 5 = 12$ 個の玉をすべて区別して考えます。
$12$ 個の玉から $2$ 個を同時に取り出す総数 $n(U)$ は、
$$n(U) = {}_{12}\mathrm{C}_2 = \frac{12 \times 11}{2 \times 1} = 66 \text{(通り)}$$
次に、事象 $A$ を「取り出した $2$ 個の玉の色が異なる」とすると、上の図の通り、
$$\begin{aligned}
n(A) &= (\text{赤1個・青1個}) + (\text{赤1個・白1個}) + (\text{青1個・白1個}) \\
&= ({}_3\mathrm{C}_1 \times {}_4\mathrm{C}_1) + ({}_3\mathrm{C}_1 \times {}_5\mathrm{C}_1) + ({}_4\mathrm{C}_1 \times {}_5\mathrm{C}_1) \\
&= 3 \times 4 + 3 \times 5 + 4 \times 5 \\
&= 12 + 15 + 20 = 47 \text{(通り)}
\end{aligned}$$
(※別解:余事象「$2$ 個とも同じ色」は ${}_3\mathrm{C}_2 + {}_4\mathrm{C}_2 + {}_5\mathrm{C}_2 = 3 + 6 + 10 = 19$ 通りなので、$66 - 19 = 47$ 通りと検算できます!)
したがって、求める確率 $P(A)$ は、
$$P(A) = \frac{n(A)}{n(U)} = \frac{47}{66}$$
事象 $B$ を「そのうち $1$ 個が赤玉である」とします。
求める条件付き確率 $P_A(B)$ は、「事象 $A$($2$ 個の色が異なる:$47$ 通り)が起こったという条件のもとで、事象 $B$(うち $1$ 個が赤玉)が起こる確率」です。
同じ全事象の上では、分母の $66$ が約分されるため、場合の数の比 $\dfrac{n(A \cap B)}{n(A)}$ で直接計算するのが最も速くてミスがありません!
$A \cap B$($2$ 個の玉の色が異なり、かつ $1$ 個が赤玉)となるのは、「(赤1個・青1個)または(赤1個・白1個)」の2パターンなので、 $$n(A \cap B) = 12 + 15 = 27 \text{(通り)}$$ よって、求める条件付き確率は、 $$P_A(B) = \frac{n(A \cap B)}{n(A)} = \frac{27}{47}$$
大問 III 平面ベクトル(垂線の足と三角形の垂心)
目標時間:8分
ベクトルの超定番「垂線の足 $\mathrm{H}$」と「垂心 $\mathrm{P}$」の問題です!
垂直を見たら「内積 $= 0$」、これだけで100%解けます。しかも(1)で頂点 $\mathrm{O}$ から辺 $\mathrm{AB}$ に下ろした垂線の足 $\mathrm{H}$ を求めているので、垂心 $\mathrm{P}$ は直線 $\mathrm{OH}$ 上にある(つまり $\overrightarrow{\mathrm{OP}} = k\overrightarrow{\mathrm{OH}}$ と置ける!)ことに気づけば、文字を2つ($x\vec{a}+y\vec{b}$)置く必要すらなく、未知数 $k$ 1個だけで(2)が瞬殺できますよ!
【問題 III】
$t$ を実数とする。$|\overrightarrow{\mathrm{OA}}| = 3$,$|\overrightarrow{\mathrm{OB}}| = 2$,$\overrightarrow{\mathrm{OA}}\cdot\overrightarrow{\mathrm{OB}} = 3$ である $\triangle\mathrm{OAB}$ において,頂点 $\mathrm{O}$ から辺 $\mathrm{AB}$ に下ろした垂線と辺 $\mathrm{AB}$ の交点を $\mathrm{H}$ とし,$\mathrm{AH} : \mathrm{HB} = t : (1 - t)$ とする。
(1) $t = \dfrac{\fbox{22}}{\fbox{23}}$ である。
(2) $\triangle\mathrm{OAB}$ の垂心を $\mathrm{P}$ とするとき,$\overrightarrow{\mathrm{OP}} = \dfrac{\fbox{24}}{\fbox{25}}\overrightarrow{\mathrm{OA}} + \dfrac{\fbox{26}}{\fbox{27}}\overrightarrow{\mathrm{OB}}$ である。
表記をシンプルにするため、$\overrightarrow{\mathrm{OA}} = \vec{a}$,$\overrightarrow{\mathrm{OB}} = \vec{b}$ とおきます。与えられた条件は、 $$|\vec{a}| = 3 \implies |\vec{a}|^2 = 9, \quad |\vec{b}| = 2 \implies |\vec{b}|^2 = 4, \quad \vec{a}\cdot\vec{b} = 3$$ 点 $\mathrm{H}$ は線分 $\mathrm{AB}$ を $t : (1 - t)$ に内分する点なので、内分点の公式より、 $$\overrightarrow{\mathrm{OH}} = (1 - t)\vec{a} + t\vec{b}$$
$\overrightarrow{\mathrm{AB}} = \vec{b} - \vec{a} = -\vec{a} + \vec{b}$ です。
直線 $\mathrm{OH}$ と辺 $\mathrm{AB}$ は垂直なので、内積 $\overrightarrow{\mathrm{OH}}\cdot\overrightarrow{\mathrm{AB}} = 0$ が成り立ちます。
$$\begin{aligned}
\overrightarrow{\mathrm{OH}}\cdot\overrightarrow{\mathrm{AB}} &= \{(1 - t)\vec{a} + t\vec{b}\} \cdot (-\vec{a} + \vec{b}) \\
&= -(1 - t)|\vec{a}|^2 + (1 - 2t)\vec{a}\cdot\vec{b} + t|\vec{b}|^2
\end{aligned}$$
ここに $|\vec{a}|^2 = 9$,$\vec{a}\cdot\vec{b} = 3$,$|\vec{b}|^2 = 4$ を代入すると、
$$\begin{aligned}
-9(1 - t) + 3(1 - 2t) + 4t &= 0 \\
-9 + 9t + 3 - 6t + 4t &= 0 \\
7t - 6 &= 0 \iff t = \frac{6}{7}
\end{aligned}$$
(1)より $t = \dfrac{6}{7}$ を代入すると、
$$\overrightarrow{\mathrm{OH}} = \frac{1}{7}\vec{a} + \frac{6}{7}\vec{b} = \frac{1}{7}(\vec{a} + 6\vec{b})$$
三角形の垂心とは「3つの頂点から対辺に下ろした垂線の交点」です。
よって、垂心 $\mathrm{P}$ は頂点 $\mathrm{O}$ から辺 $\mathrm{AB}$ に下ろした垂線 $\mathrm{OH}$ 上にあります!
そこで実数 $s$ を用いて、計算しやすいように $\overrightarrow{\mathrm{OP}} = s(\vec{a} + 6\vec{b}) = s\vec{a} + 6s\vec{b}$ と置きます。
$\mathrm{P}$ は垂心なので、頂点 $\mathrm{B}$ と $\mathrm{P}$ を結ぶ直線 $\mathrm{BP}$ は対辺 $\mathrm{OA}$ と垂直に交わります。
$\overrightarrow{\mathrm{BP}} = \overrightarrow{\mathrm{OP}} - \overrightarrow{\mathrm{OB}} = s\vec{a} + (6s - 1)\vec{b}$ であり、これと $\overrightarrow{\mathrm{OA}} = \vec{a}$ の内積が $0$ になるので、
$$\begin{aligned}
\overrightarrow{\mathrm{BP}}\cdot\overrightarrow{\mathrm{OA}} &= \{s\vec{a} + (6s - 1)\vec{b}\} \cdot \vec{a} \\
&= s|\vec{a}|^2 + (6s - 1)\vec{a}\cdot\vec{b} = 0
\end{aligned}$$
$|\vec{a}|^2 = 9$,$\vec{a}\cdot\vec{b} = 3$ を代入して、
$$\begin{aligned}
9s + 3(6s - 1) &= 0 \\
9s + 18s - 3 &= 0 \\
27s &= 3 \iff s = \frac{1}{9}
\end{aligned}$$
これを $\overrightarrow{\mathrm{OP}} = s\vec{a} + 6s\vec{b}$ に戻すと、
$$\overrightarrow{\mathrm{OP}} = \frac{1}{9}\vec{a} + \frac{6}{9}\vec{b} = \frac{1}{9}\overrightarrow{\mathrm{OA}} + \frac{2}{3}\overrightarrow{\mathrm{OB}}$$
(※念のため第3の垂直条件 $\overrightarrow{\mathrm{AP}}\cdot\overrightarrow{\mathrm{OB}} = \left(-\dfrac{8}{9}\vec{a} + \dfrac{2}{3}\vec{b}\right)\cdot\vec{b} = -\dfrac{8}{9}\times 3 + \dfrac{2}{3}\times 4 = -\dfrac{8}{3} + \dfrac{8}{3} = 0$ もバッチリ成り立っています!)
大問 IV 指数関数と数列(領域内の格子点の個数)
目標時間:10分
「$\mathrm{AB} = 9999$」という見た目のインパクトにビックリしないでくださいね!
$9999 = 10000 - 1 = 100^2 - 1$ なので、$X = 2^t$ と置いた2次方程式が気持ちよく因数分解できる設計になっています。
そして(2)・(3)の格子点で一番引っかかりやすい罠が「2つの曲線 $C_1, C_2$ の交点の $x$ 座標」です!原点 $x=0$ ではなく $x=1$ で交わるため、領域 $D$ の左端は $x = 1$ です。ここさえ見落とさなければ、$p = 1, 2, 3, 4, 5, 6$ のわずか6本の縦線上の格子点を足すだけです!
【問題 IV】
$t$ を正の定数とする。$\mathrm{O}$ を原点とする座標平面上に $2$ つの曲線 $C_1 : y = 2^{x+1}$,$C_2 : y = 4^x$ および,直線 $l : x = t$ があり,$l$ と $C_1, C_2$ の交点をそれぞれ $\mathrm{A}, \mathrm{B}$ とするとき,$\mathrm{AB} = 9999$ である。
(1) $2^t = \fbox{28}\fbox{29}\fbox{30}$ である。
(2) $C_1, C_2$ および $l$ で囲まれた図形を $D$ とする。ただし,$D$ は境界線を含むものとする。ここで,$2^{\fbox{31}} < \fbox{28}\fbox{29}\fbox{30} < 2^{\fbox{31}+1}$ だから,$D$ に含まれる格子点の座標を $(p, q)$ とするとき,$p$ のとりうる値の範囲は $\fbox{32} \leqq p \leqq \fbox{31}$ である。ただし,格子点とは $x$ 座標と $y$ 座標がともに整数である点のことである。
(3) (2)で定めた図形 $D$ に含まれる格子点は 33343536 個である。
$C_1 : y = 2^{x+1} = 2 \cdot 2^x$,$C_2 : y = 4^x = (2^x)^2$ です。
まず $C_1$ と $C_2$ の共有点の $x$ 座標を求めます。
$$(2^x)^2 = 2 \cdot 2^x$$
$2^x > 0$ より両辺を $2^x$ で割ると、
$$2^x = 2 \iff x = 1$$
すなわち、2つの曲線 $C_1, C_2$ はただ1つの点 $(1, 4)$ で交わります。
直線 $l : x = t$ 上の2点 $\mathrm{A}(t, 2^{t+1})$,$\mathrm{B}(t, 4^t)$ 間の距離が $\mathrm{AB} = 9999$ です。
ここで $X = 2^t$ とおくと、$t > 0$ より $X > 2^0 = 1$ です。
このとき $\mathrm{A}(t, 2X)$,$\mathrm{B}(t, X^2)$ となるので、
$$\mathrm{AB} = |X^2 - 2X| = 9999$$
(もし $1 < X < 2$ だとすると $0 < 2X - X^2 \leqq 1$ となり $9999$ にはなり得ないため、$X > 2$ すなわち $X^2 > 2X$ です!)
よって、
$$X^2 - 2X - 9999 = 0$$
$9999 = 99 \times 101$(差がちょうど $2$!)なので、次のように因数分解できます。
$$(X - 101)(X + 99) = 0$$
(または $(X - 1)^2 = 9999 + 1 = 10000 = 100^2 \iff X - 1 = \pm 100$ と平方完成しても一瞬です!)
$X = 2^t > 1$ より、
$$X = 2^t = 101$$
$2^6 = 64$,$2^7 = 128$ なので、$2^t = 101$ に対して、
$$2^6 < 101 < 2^{6+1} \quad (\text{すなわち } 2^6 < 2^t < 2^7 \iff 6 < t < 7)$$
が成り立ちます。よって 31 $= 6$ です。
また、図形 $D$ は「$C_1, C_2$ の交点 $(1, 4)$ から直線 $x = t$($6 < t < 7$)までの間」で囲まれた領域(境界線を含む)なので、図形 $D$ 全体の $x$ 座標の範囲は $1 \leqq x \leqq t$ です。
したがって、$D$ に含まれる格子点 $(p, q)$ の $x$ 座標(整数 $p$)のとりうる値の範囲は、
$$1 \leqq p \leqq 6$$
となります。($p = 1$ のときも $(1, 4)$ という格子点が1個存在します!)
$1 \leqq x \leqq t$ においては、曲線 $C_2 : y = 4^x$ が上側、曲線 $C_1 : y = 2^{x+1}$ が下側にあります。
したがって、固定した整数 $p$($1 \leqq p \leqq 6$)に対して、点 $(p, q)$ が領域 $D$ に含まれる条件は、
$$2^{p+1} \leqq q \leqq 4^p$$
です。$p$ が整数のとき、下端の $2^{p+1}$ も上端の $4^p$ もともに整数です!
一般に、整数 $M$ から整数 $N$($M \leqq N$)までの整数の個数は $N - M + 1$ 個(植木算の「$+1$」を絶対に忘れないこと!)なので、$x = p$ 上の格子点の個数は、
$$4^p - 2^{p+1} + 1 \text{(個)}$$
となります。
求める格子点の総数 $N$ は、 $$N = \sum_{p=1}^{6} (4^p - 2^{p+1} + 1) = \sum_{p=1}^{6} 4^p - \sum_{p=1}^{6} 2^{p+1} + \sum_{p=1}^{6} 1$$ 等比数列の和の公式 $\dfrac{a(r^n - 1)}{r - 1}$ を使ってそれぞれの項を計算します。
-
第1項(初項 $4$、公比 $4$、項数 $6$ の等比数列の和):
$$\sum_{p=1}^{6} 4^p = \frac{4(4^6 - 1)}{4 - 1} = \frac{4(4096 - 1)}{3} = \frac{4 \times 4095}{3} = 4 \times 1365 = \mathbf{5460}$$ -
第2項(初項 $2^2 = 4$、公比 $2$、項数 $6$ の等比数列の和):
$$\sum_{p=1}^{6} 2^{p+1} = \frac{4(2^6 - 1)}{2 - 1} = 4(64 - 1) = 4 \times 63 = \mathbf{252}$$ -
第3項($+1$ が $6$ 個):
$$\sum_{p=1}^{6} 1 = \mathbf{6}$$
これらを合わせると、 $$N = 5460 - 252 + 6 = 5208 + 6 = \mathbf{5214} \text{ ?…ちょっと待って!検算しよう!}$$
💡 ニックニ先生の超重要チェック:「$p \leqq 0$ の領域も囲まれているか?」
問題文の(2)をもう一度じっくり読みましょう!
「$2^{\text{[31]}} < \text{[28][29][30]} < 2^{\text{[31]}+1}$ だから、$D$ に含まれる格子点の座標を $(p, q)$ とするとき、$p$ のとりうる値の範囲は 32 $\leqq p \leqq$ 31 である。」
そして $C_1 : y = 2^{x+1}$ と $C_2 : y = 4^x$ は $(1, 4)$ で交わり、$x > 1$ で $C_1, C_2, l$ に囲まれます。
では、上で計算した数値を1つずつ書き出して検算してみましょう!
・$p = 1$:$4^1 - 2^2 + 1 = 4 - 4 + 1 = 1$ 個
・$p = 2$:$4^2 - 2^3 + 1 = 16 - 8 + 1 = 9$ 個
・$p = 3$:$4^3 - 2^4 + 1 = 64 - 16 + 1 = 49$ 個
・$p = 4$:$4^4 - 2^5 + 1 = 256 - 32 + 1 = 225$ 個
・$p = 5$:$4^5 - 2^6 + 1 = 1024 - 64 + 1 = 961$ 個
・$p = 6$:$4^6 - 2^7 + 1 = 4096 - 128 + 1 = 3969$ 個
(なんと、$(2^p - 1)^2$ という奇数の2乗の和:$1^2 + 3^2 + 7^2 + 15^2 + 31^2 + 63^2$ になっていますね!)
足し算すると:
$1 + 9 = 10$
$10 + 49 = 59$
$59 + 225 = 284$
$284 + 961 = 1245$
$1245 + 3969 = \mathbf{5214}$ 個!
$5460 - 252 + 6 = 5214$ で100%間違いありません!(先ほどのスピードチェック欄の表記も $5214$ に合わせておきましょう!)
大問 V 図形と極限(直線と$x$軸の間に内接する正方形の列・無限等比級数)
目標時間:12分
原点を通る直線 $l : y = (\sqrt{3} - 1)x$ と $x$ 軸の間に、次々と正方形を並べていく相似図形の問題です!
最大のポイントは、「1ステップ進むごとの相似比(縮小率)が常に一定である」ということ。
(1)で $\mathrm{A}_0(a, 0)$ から $\mathrm{A}_1\left(\dfrac{\sqrt{3}}{3}a, 0\right)$ になることが分かれば、長さの公比は $r = \dfrac{\sqrt{3}}{3} = \dfrac{1}{\sqrt{3}}$、したがって面積 $S_k$ の公比は $r^2 = \dfrac{1}{3}$ と1秒で確定します!あとは等比数列の和と無限等比級数の公式に入れるだけです!
【問題 V】
$a$ を正の定数とする。$\mathrm{O}$ を原点とする座標平面上に直線 $l : y = (\sqrt{3} - 1)x$ があり,直線 $x = a$ と $x$ 軸,$l$ の交点をそれぞれ $\mathrm{A}_0, \mathrm{B}_0$ とする。線分 $\mathrm{OA}_0$ 上に点 $\mathrm{A}_1$,線分 $\mathrm{OB}_0$ 上に点 $\mathrm{B}_1$,線分 $\mathrm{A}_0\mathrm{B}_0$ 上に点 $\mathrm{C}_1$ を四角形 $\mathrm{A}_0\mathrm{A}_1\mathrm{B}_1\mathrm{C}_1$ が正方形となるようにとる。同様に,負でない整数 $k$ を用いて,線分 $\mathrm{OA}_k$ 上に点 $\mathrm{A}_{k+1}$,線分 $\mathrm{OB}_k$ 上に点 $\mathrm{B}_{k+1}$,線分 $\mathrm{A}_k\mathrm{B}_k$ 上に点 $\mathrm{C}_{k+1}$ を四角形 $\mathrm{A}_k\mathrm{A}_{k+1}\mathrm{B}_{k+1}\mathrm{C}_{k+1}$ が正方形となるようにとる。正方形 $\mathrm{A}_k\mathrm{A}_{k+1}\mathrm{B}_{k+1}\mathrm{C}_{k+1}$ の面積を $S_k$ とし,$\displaystyle\sum_{k=0}^{n} S_k = T_n$ とする。
(1) 点 $\mathrm{A}_1$ の $x$ 座標は $\dfrac{\sqrt{\fbox{37}}}{\fbox{38}}a$ である。
(2) $\dfrac{T_7}{T_3} = \dfrac{\fbox{39}\fbox{40}}{\fbox{41}\fbox{42}}$ である。
(3) $\displaystyle\lim_{n \to \infty} T_n = 1$ となるのは $a = \dfrac{\sqrt{\fbox{43}} + \sqrt{\fbox{44}}}{\fbox{45}}$ のときである。(ただし,$\fbox{43} > \fbox{44}$ とする)
点 $\mathrm{A}_0$ の座標は $(a, 0)$ です。
点 $\mathrm{A}_1$ は線分 $\mathrm{OA}_0$ 上にあるので、その座標を $\mathrm{A}_1(x_1, 0)$($0 < x_1 < a$)とおきます。
このとき、正方形 $\mathrm{A}_0\mathrm{A}_1\mathrm{B}_1\mathrm{C}_1$ の1辺の長さ $\mathrm{A}_0\mathrm{A}_1$ は、
$$\mathrm{A}_0\mathrm{A}_1 = a - x_1$$
です。また、点 $\mathrm{B}_1$ は直線 $l : y = (\sqrt{3} - 1)x$ 上にあり、その $x$ 座標は $\mathrm{A}_1$ と同じ $x_1$ なので、点 $\mathrm{B}_1$ の高さ($y$ 座標)は、
$$\mathrm{A}_1\mathrm{B}_1 = (\sqrt{3} - 1)x_1$$
となります。
四角形 $\mathrm{A}_0\mathrm{A}_1\mathrm{B}_1\mathrm{C}_1$ は正方形なので、横の長さ $\mathrm{A}_0\mathrm{A}_1$ と縦の長さ $\mathrm{A}_1\mathrm{B}_1$ が等しくなります。 $$\begin{aligned} a - x_1 &= (\sqrt{3} - 1)x_1 \\ a - x_1 &= \sqrt{3}x_1 - x_1 \end{aligned}$$ 両辺の $-x_1$ がきれいに消えて、 $$\sqrt{3}x_1 = a \iff x_1 = \frac{1}{\sqrt{3}}a = \frac{\sqrt{3}}{3}a$$
(1)と全く同じ操作を繰り返すため、点 $\mathrm{A}_k$ の $x$ 座標を $x_k$ とすると、常に
$$x_{k+1} = \frac{1}{\sqrt{3}}x_k$$
が成り立ちます。つまり、隣り合う正方形の相似比(1辺の長さの比)は $\dfrac{1}{\sqrt{3}}$ です。
面積の比は相似比の $2$ 乗になるので、正方形の面積 $S_k$ は、
$$S_{k+1} = \left(\frac{1}{\sqrt{3}}\right)^2 S_k = \frac{1}{3}S_k$$
すなわち、数列 $\{S_k\}$($k = 0, 1, 2, \dots$)は初項 $S_0$、公比 $r = \dfrac{1}{3}$ の等比数列です!
$T_n = \displaystyle\sum_{k=0}^{n} S_k = S_0 + S_1 + \cdots + S_n$ は、$k = 0$ から $k = n$ までの $(n + 1)$ 項の和であることに注意しましょう! $$T_n = \frac{S_0\left\{1 - \left(\dfrac{1}{3}\right)^{n+1}\right\}}{1 - \dfrac{1}{3}}$$ したがって、$n = 7$($8$項の和)と $n = 3$($4$項の和)の比をとると、$\dfrac{S_0}{1 - \frac{1}{3}}$ が丸ごと約分されて消えます! $$\begin{aligned} \frac{T_7}{T_3} &= \frac{1 - \left(\dfrac{1}{3}\right)^{7+1}}{1 - \left(\dfrac{1}{3}\right)^{3+1}} = \frac{1 - \left(\dfrac{1}{3}\right)^8}{1 - \left(\dfrac{1}{3}\right)^4} \end{aligned}$$ ここで、分子に和と差の積の因数分解 $1 - X^2 = (1 - X)(1 + X)$(ただし $X = \left(\dfrac{1}{3}\right)^4$)を使うと、分母と一気に約分できます! $$\begin{aligned} \frac{T_7}{T_3} &= \frac{\left\{1 - \left(\dfrac{1}{3}\right)^4\right\}\left\{1 + \left(\dfrac{1}{3}\right)^4\right\}}{1 - \left(\dfrac{1}{3}\right)^4} \\ &= 1 + \left(\frac{1}{3}\right)^4 = 1 + \frac{1}{81} = \frac{82}{81} \end{aligned}$$
最初の正方形 $\mathrm{A}_0\mathrm{A}_1\mathrm{B}_1\mathrm{C}_1$ の1辺の長さ $L_0$ は、 $$L_0 = \mathrm{A}_0\mathrm{A}_1 = a - \frac{1}{\sqrt{3}}a = \left(1 - \frac{1}{\sqrt{3}}\right)a = \frac{\sqrt{3} - 1}{\sqrt{3}}a$$ よって、初項の面積 $S_0 = L_0^2$ は、 $$S_0 = \left(\frac{\sqrt{3} - 1}{\sqrt{3}}a\right)^2 = \frac{(\sqrt{3} - 1)^2}{3}a^2$$ 公比 $r = \dfrac{1}{3}$ は $|r| < 1$ を満たすので、無限等比級数は収束し、その極限値は、 $$\lim_{n \to \infty} T_n = \frac{S_0}{1 - \dfrac{1}{3}} = \frac{S_0}{\dfrac{2}{3}} = \frac{3}{2}S_0$$
$\dfrac{3}{2}S_0 = 1$ に $S_0 = \dfrac{(\sqrt{3} - 1)^2}{3}a^2$ を代入すると、$3$ がきれいに約分されます。
$$\frac{3}{2} \cdot \frac{(\sqrt{3} - 1)^2}{3}a^2 = 1 \iff \frac{(\sqrt{3} - 1)^2}{2}a^2 = 1$$
ここで$(\sqrt{3} - 1)^2$ を展開せず、そのまま両辺の正の平方根をとると、二重根号を使わずに1行で $a$ が求まります!
$a > 0$,$\sqrt{3} - 1 > 0$ より、
$$\frac{\sqrt{3} - 1}{\sqrt{2}}a = 1 \iff a = \frac{\sqrt{2}}{\sqrt{3} - 1}$$
分母の有理化を行うため、分母・分子に $(\sqrt{3} + 1)$ を掛けます。
$$a = \frac{\sqrt{2}(\sqrt{3} + 1)}{(\sqrt{3} - 1)(\sqrt{3} + 1)} = \frac{\sqrt{6} + \sqrt{2}}{3 - 1} = \frac{\sqrt{6} + \sqrt{2}}{2}$$
条件 $\fbox{43} > \fbox{44}$ より、43 $= 6$、44 $= 2$、45 $= 2$ です。
大問 VI 数学III 微積分($y = (\log x)^2$ の接線・面積・$y$軸回転体の体積)
目標時間:15分
ラストの大問VIは数III微積分の王道問題!曲線 $y = (\log x)^2$ に原点から引いた接線と面積・$y$軸回転体積です。
(2)の面積は「直角三角形 $\mathrm{OQP}$ の面積から $\int_1^{e^2} (\log x)^2 dx$ を引く」と考えると簡単!
そして最大の時短ポイントが「$y$軸まわりの回転体の体積」です!
曲線 $y = (\log x)^2$($x \geqq 1, y \geqq 0$)を $x$ について解くと $\log x = \sqrt{y} \iff \mathbf{x = e^{\sqrt{y}}}$ ですが、これをそのまま2乗して $\pi \int_0^4 x^2 dy = \pi \int_0^4 e^{2\sqrt{y}} dy$ を計算するよりも、「外側の曲線が作る回転体」から「内側の線分 $\mathrm{OP}$ が作る円錐の体積」を引く構造を整理し、置換積分 $\sqrt{y} = u$(またはバウムクーヘン積分 $2\pi \int x f(x) dx$)を使うと、驚くほどスッキリ求まります!
【問題 VI】
関数 $f(x) = (\log x)^2$ がある。$\mathrm{O}$ を原点とする座標平面上において,$\mathrm{O}$ から曲線 $y = f(x)$ に引いた接線のうち傾きが正のものを $l$ とし,曲線 $y = f(x)$ と直線 $l$ の接点を $\mathrm{P}$ とする。また,曲線 $y = f(x)$ の $x \geqq 1$ の部分と,線分 $\mathrm{OP}$ および $x$ 軸で囲まれた図形を $D$ とする。ただし,$\log$ は自然対数とし,$e$ はその底とする。
(1) 点 $\mathrm{P}$ の座標は $(e^{\fbox{46}}, \fbox{47})$ である。
(2) $D$ の面積は $\fbox{48}$ であり,$D$ を $y$ 軸のまわりに $1$ 回転してできる立体の体積は $\left(\dfrac{e^{\fbox{49}} + \fbox{50}}{\fbox{51}}\right)\pi$ である。
$f(x) = (\log x)^2$($x > 0$)とおくと、導関数は合成関数の微分より、
$$f'(x) = 2(\log x) \cdot \frac{1}{x} = \frac{2\log x}{x}$$
接点 $\mathrm{P}$ の座標を $\left(t, (\log t)^2\right)$($t > 1$)とおくと、点 $\mathrm{P}$ における接線 $l$ の方程式は、
$$y - (\log t)^2 = \frac{2\log t}{t}(x - t)$$
この接線 $l$ が原点 $\mathrm{O}(0, 0)$ を通るので、$x = 0, y = 0$ を代入して、
$$-(\log t)^2 = -2\log t \iff \log t (\log t - 2) = 0$$
$t > 1$ より $\log t > 0$ なので、$\log t = 2 \iff t = e^2$ となります。
したがって、接点 $\mathrm{P}$ の座標は $\mathrm{P}(e^2, 4)$、接線 $l$ の方程式は、
$$y = \frac{4}{e^2}x$$
点 $\mathrm{P}(e^2, 4)$ から $x$ 軸に下ろした垂線の足を $\mathrm{Q}(e^2, 0)$ とします。
求める図形 $D$(曲線 $C$、接線 $l$、および $x$ 軸で囲まれた部分)の面積 $S$ は、直角三角形 $\mathrm{OQP}$ の面積から $\displaystyle\int_1^{e^2} (\log x)^2 dx$ を引いたものです。
直角三角形 $\mathrm{OQP}$ の面積は $\dfrac{1}{2} \cdot e^2 \cdot 4 = 2e^2$ です。
また、$(x)' = 1$ とみて部分積分を2回行うと(または定番公式 $\int (\log x)^2 dx = x(\log x)^2 - 2x\log x + 2x + C$ より)、
$$\begin{aligned}
\int_1^{e^2} (\log x)^2 dx &= \Big[ x(\log x)^2 - 2x\log x + 2x \Big]_1^{e^2} \\
&= \left(e^2 \cdot 4 - 2e^2 \cdot 2 + 2e^2\right) - (0 - 0 + 2) = 2e^2 - 2
\end{aligned}$$
よって、求める面積 $S$ は、
$$S = 2e^2 - (2e^2 - 2) = 2$$
$1 \leqq x \leqq e^2$ において、曲線 $y = (\log x)^2$ は単調増加であり、$\log x \geqq 0$ より $\log x = \sqrt{y} \iff x = e^{\sqrt{y}}$($0 \leqq y \leqq 4$)と表せます。
図形 $D$ を $y$ 軸のまわりに1回転してできる立体の体積 $V$ は、外側の曲線 $x = e^{\sqrt{y}}$ が作る回転体の体積 $V_1$ から、内側の線分 $\mathrm{OP}$ が作る円錐(底面の半径 $e^2$、高さ $4$)の体積 $V_2$ を引いたものです。
まず、円錐の体積 $V_2$ は、
$$V_2 = \frac{1}{3}\pi (e^2)^2 \cdot 4 = \frac{4}{3}\pi e^4$$
次に、外側の回転体の体積 $V_1 = \pi \displaystyle\int_0^4 x^2 dy = \pi \int_0^4 e^{2\sqrt{y}} dy$ を求めます。
$\sqrt{y} = u$ とおくと $y = u^2$ より $dy = 2u\,du$ となり、積分区間は $y : 0 \to 4$ のとき $u : 0 \to 2$ です。
$$V_1 = \pi \int_0^2 e^{2u} \cdot 2u\,du = 2\pi \int_0^2 u e^{2u} du$$
部分積分を用いると、
$$\begin{aligned}
V_1 &= 2\pi \left[ u \cdot \frac{1}{2}e^{2u} - \frac{1}{4}e^{2u} \right]_0^2 \\
&= 2\pi \left\{ \left(e^4 - \frac{1}{4}e^4\right) - \left(0 - \frac{1}{4}\right) \right\} = 2\pi \left(\frac{3}{4}e^4 + \frac{1}{4}\right) = \frac{3}{2}\pi e^4 + \frac{1}{2}\pi
\end{aligned}$$
したがって、求める体積 $V = V_1 - V_2$ は、
$$V = \left(\frac{3}{2}\pi e^4 + \frac{1}{2}\pi\right) - \frac{4}{3}\pi e^4 = \frac{e^4 + 3}{6}\pi$$
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【出典・引用に関する表記】本ページで扱う入試問題の出典は各大学(日本大学 2025年度 入試問題)に帰属します。本コンテンツは著作権法第32条(引用)および教育・学習支援の目的に基づき、受験生への解法・思考プロセスの解説(主)を行うために必要な範囲で問題文・図表(従)を引用・再構成して掲載しています。解答・解説および図解の著作権はTMPS医学館に帰属します。