🎯 ニックニ先生&Sora先生の「2025久留米医・物理」全体総括
2025年度の久留米大学医学部(前期)の物理は、大問1:円すい面内の等速円運動と斜め投射(力学)、大問2:熱気球の浮力と気体の状態方程式(熱力学)、大問3:電池の内部抵抗と消費電力(電磁気)の3題構成でした。
全体として超基礎〜標準レベルの良問ぞろいであり、久留米医合格のためには「目標85%〜90%以上(ケアレスミスによる失点をゼロに抑えること)」が絶対条件となります!特に大問1の後半(面積速度一定の法則の応用)と、大問2の後半(熱気球の密度比・温度比の整理)で文字指定ミスをしないかが合否の分かれ目です。1ステップずつ完全に解き明かしていきましょう!
⚡ 解答一覧(スピードチェック)
※既約分数・根号・指定文字厳守【大問 1】力学(円すい振り子・保存則)
- (1) 垂直抗力:$\dfrac{mg}{\sin\theta}$
- (2) 向心力:$\dfrac{mg}{\tan\theta}$
- (3) 加速度の向き:(カ)
- (4) 円運動の半径:$\dfrac{v_0^2 \tan\theta}{g}$
- (5) 周期:$\dfrac{2\pi v_0 \tan\theta}{g}$
- (6) 小球Bの運動E:$mgv_0^2$
- (7) 小球Cの高さ:$\dfrac{8v_0^2}{g}$
- (8) 点Fでの速さ:$\sqrt{v_1^2 + 2g(h_1 - h_2)}$
- (9) $v_1^2$ の値:$\dfrac{2gh_2^2}{h_1 + h_2}$
- (10) 点E, Fの高さ:E: $\dfrac{3v_1^2}{g}$, F: $\dfrac{v_1^2}{2g}$
【大問 2】熱力学(熱気球のつりあい)
- (1) $P_0 V$ の式:$n_0 R T_0$
- (2) 初めの密度:$\dfrac{m P_0}{R T_0}$
- (3) 物質量の変化:小さくなる
- (4) 温度 $T$ での密度:$\dfrac{T_0}{T}\rho_0$
- (5) 気球への浮力:$\rho_0 V g$
- (6) 上昇開始温度 $T_1$:$\dfrac{\rho_0 V}{\rho_0 V - M_1}T_0$
- (7) $\dfrac{T_1 - T_0}{T_1}$:$\dfrac{M_1}{\rho_0 V}$
- (8) 静止時の密度差:$\dfrac{M_2}{V}$
- (9) 密度比 $\dfrac{\rho_{\text{h}}}{\rho_2}$:$\dfrac{T_1}{T_0}$
- (10) 密度 $\rho_2$:$\dfrac{\rho_0 M_2 T_0}{M_1 T_1}$
【大問 3】電磁気(電池と直流回路)
- (1) 開いている時の電圧:$E$
- (2) 閉じている時の電圧:$\dfrac{R}{R+r}E$
- (3) 抵抗Rの電流:$\dfrac{E}{R+r}$
- (4) 抵抗Rの消費電力:$\dfrac{RE^2}{(R+r)^2}$
- (5) 電力最大の $R$:$r$
- (6) 内部抵抗の値:$0.50\text{ }\Omega$
- (7) $1.20\text{ A}$ 時の電力:$1.2\text{ W}$($1.20\text{ W}$)
- (8) 並列抵抗 $R_1$:$5.0\text{ }\Omega$($5.00\text{ }\Omega$)
大問 1:円すい内面での小球の運動(等速円運動と力学的エネルギー保存則)
分野:力学 / 目標解答時間:18分 / 難易度:標準
大問1は、円すい容器の内面を滑る小球の力学問題です!
前半 I(問1〜問7)は「水平面内の等速円運動」。まずは鉛直方向の力のつりあいから垂直抗力 $N$ を出し、水平方向の運動方程式(向心力)を作る王道パターンです!ただし、角度 $\theta$ が「鉛直軸と側面のなす角」になっているので、$\sin\theta$ と $\cos\theta$ を逆にする引っかけに絶対注意してね!
後半 II(問8〜問10)は高さが変化する螺旋運動。「力学的エネルギー保存則」と、問題文で与えられた「$h_1 v_1 = h_2 v_2$(実は角運動量保存則・面積速度一定の法則!)」を連立するだけの計算問題です。因数分解を使ってスマートに解こう!
【全体注意事項・問題文 1】
物理の全問を通して、ある小問でのみ定義される物理量の記号を他の小問の解答で用いないように注意せよ。円周率を $\pi$ とする。解答に既約分数や根号を用いてよい。
図1-1のように内面がなめらかな円すい形の容器が頂点Oを下にして固定されている。容器の中心軸は鉛直で、鉛直軸と側面のなす角は $\theta\left(0 < \theta < \dfrac{\pi}{2}\right)$ である。この円すいの内面を、質量 $m$ の小球Aが速さ $v_0$ で等速円運動をしている。頂点Oは重力による位置エネルギーの基準水平面にあるとし、高さはこの基準水平面からはかるものとする。空気抵抗は無視できるものとし、重力加速度の大きさを $g$ とする。
【図1-1:問題図の再現】
【Sora先生の断面・力の分解図(超重要!)】
I. 小球は一定の高さを保って等速円運動をしているものとして以下の問いに答えよ。
(1) 小球Aが円すいの内面から受ける垂直抗力の大きさはいくらか。$m$,$g$,$\theta$ を用いて答えよ。
(2) 小球Aにはたらく向心力の大きさはいくらか。$m$,$g$,$\theta$ を用いて答えよ。
(3) 小球Aの等速円運動の加速度の向きとして最も適切なものを次の(ア)から(ケ)の中から一つ選んで記号で答えよ。
(ア) 斜面に沿って上向き (イ) 斜面に沿って下向き (ウ) 小球Aの進行方向の向き (エ) 小球Aの進行方向の逆向き
(オ) 小球Aのある水平面上で中心軸から小球Aの向き (カ) 小球Aのある水平面上で小球Aから中心軸の向き
(キ) 鉛直上向き (ク) 鉛直下向き (ケ) 加速度はない
STEP 1角度 $\theta$ の場所を正確に確認し、垂直抗力 $N$ を分解する
上の断面図を見てください!斜面(円すい側面)が鉛直方向となす角が $\theta$ です。
垂直抗力 $N$ は「斜面に垂直な方向」にはたらくため、垂直抗力 $N$ が水平方向となす角が $\theta$ になります(※鉛直方向に対する斜面の傾き角 $=$ 水平方向に対する法線の傾き角)。
したがって、垂直抗力の大きさを $N$ とすると、各成分は次のようになります。
- 水平方向(中心軸に向かう向き)の成分:$N \cos\theta$
- 鉛直方向(鉛直上向き)の成分:$N \sin\theta$
STEP 2(1) 鉛直方向の力のつりあいから $N$ を求める
小球Aは「一定の高さを保って」水平面内で運動しているため、鉛直方向には動きません。よって鉛直方向の力はつりあっています。
両辺を $\sin\theta$ で割ると、垂直抗力の大きさ $N$ が求まります。
STEP 3(2) 水平方向の合力(=向心力)を求める
小球Aにはたらく力は「重力 $mg$(鉛直下向き)」と「垂直抗力 $N$」の2つだけです。この2つの力の合力は、水平面上で円の中心(中心軸)に向かう成分 $N\cos\theta$ のみとなります。これが等速円運動の向心力 $F$ です!
(1) で求めた $N = \dfrac{mg}{\sin\theta}$ を代入すると、
STEP 4(3) 等速円運動の加速度の向きを選ぶ
運動方程式 $m\vec{a} = \vec{F}$ より、加速度 $\vec{a}$ の向きは、合力の向き(=向心力の向き)と完全に一致します。
向心力は「小球Aのある水平面上で、小球Aから円の中心(中心軸)に向かう向き」にはたらいているので、選択肢の(カ)が正解です!(※「等速だから加速度はない(ケ)」と選ばないように注意!速さは一定でも速度の向きが常に変わっているので、中心向きの向心加速度をもっています。)
【解答】
(1) 垂直抗力の大きさ:$\boldsymbol{\dfrac{mg}{\sin\theta}}$
(2) 向心力の大きさ:$\boldsymbol{\dfrac{mg}{\tan\theta}}$ (※ $\boldsymbol{mg\cot\theta}$ でも同値ですが、高校物理では $\tan\theta$ を用いるのが確実です)
(3) 加速度の向き:$\boldsymbol{(カ)}$
(4) 小球Aの等速円運動の半径はいくらか。
(5) 小球Aの等速円運動の周期はいくらか。
STEP 1(4) 円運動の運動方程式を立てて半径 $r$ を求める
小球Aの等速円運動の半径を $r$ とします。速さは問題文より $v_0$ ですから、等速円運動の加速度(向心加速度)の大きさは $a = \dfrac{v_0^2}{r}$ です。
円の中心向きを正として運動方程式 $ma = F$ を立て、(2) の向心力 $F = \dfrac{mg}{\tan\theta}$ を代入します。
両辺を $m$ で割り、$r$ について解きます。
STEP 2(5) 円周の長さを速さ $v_0$ で割って周期 $T$ を求める
周期 $T$ とは「半径 $r$ の円周(長さ $2\pi r$)を速さ $v_0$ で1周するのにかかる時間」です。したがって、$T = \dfrac{2\pi r}{v_0}$ に (4) の $r$ を代入します。
【解答】
(4) 等速円運動の半径:$\boldsymbol{\dfrac{v_0^2 \tan\theta}{g}}$
(5) 等速円運動の周期:$\boldsymbol{\dfrac{2\pi v_0 \tan\theta}{g}}$
(6) 小球Aの2倍の位置エネルギーをもって質量 $m$ の小球Bが円すい内面を等速円運動をしているとき、小球Bの運動エネルギーはいくらか。
(7) 小球Aの16倍の力学的エネルギーをもって、質量 $2m$ の小球Cが円すい内面を等速円運動をしているとき、小球Cの高さはいくらか。
STEP 1円すい面内の等速円運動における「高さ $h$」と「速さ $v$」の黄金関係を導く!
まず、一般の質量 $M$ の小球が、円すい内面の高さ $h$ の位置で速さ $v$ の等速円運動をしているときの関係式を作っておくと、(6)も(7)も一瞬で解けます!
断面図の直角三角形(頂点O、高さ $h$、半径 $r$、頂角 $\theta$)に注目すると、
一方、(4) と全く同じ運動方程式 $M\dfrac{v^2}{r} = \dfrac{Mg}{\tan\theta}$ より、質量 $M$ に関係なく
が成り立ちます。この2つの式の右辺どうしを等しいとおくと、なんと $\tan\theta$ が消えて次の超スッキリした黄金関係が得られます!
$$h \tan\theta = \frac{v^2 \tan\theta}{g} \quad \Longleftrightarrow \quad \boldsymbol{gh = v^2} \quad \left(\text{すなわち } h = \frac{v^2}{g}\right)$$
★ つまり、この円すい内で等速円運動する任意の小球(質量 $M$)について、
位置エネルギー $U = Mgh = Mv^2$、運動エネルギー $K = \dfrac{1}{2}Mv^2 = \dfrac{1}{2}Mgh = \dfrac{1}{2}U$ が常に成り立ちます!
STEP 2(6) 小球Bの運動エネルギー $K_{\text{B}}$ を求める
まず、基準となる小球A(質量 $m$、速さ $v_0$、高さを $h_{\text{A}}$ とする)について、上の関係式 $gh_{\text{A}} = v_0^2$ より、小球Aの位置エネルギー $U_{\text{A}}$ は
問題文より、小球B(質量 $m$)の位置エネルギー $U_{\text{B}}$ は $U_{\text{A}}$ の2倍なので、
そしてSTEP 1で確認した通り、等速円運動をしているとき「運動エネルギー $K$ は位置エネルギー $U$ のちょうど半分 $\left(K = \dfrac{1}{2}U\right)$」になります!(実際に、小球Bの高さを $h_{\text{B}}$、速さを $v_{\text{B}}$ とすると、$gh_{\text{B}} = v_{\text{B}}^2$ より $K_{\text{B}} = \dfrac{1}{2}mv_{\text{B}}^2 = \dfrac{1}{2}mgh_{\text{B}} = \dfrac{1}{2}U_{\text{B}}$ です。)
したがって、小球Bの運動エネルギー $K_{\text{B}}$ は、
STEP 3(7) 小球Cの高さ $h_{\text{C}}$ を求める
まず、小球Aの力学的エネルギー $E_{\text{A}}$ を求めます。$U_{\text{A}} = mv_0^2$、$K_{\text{A}} = \dfrac{1}{2}mv_0^2$ なので、
次に、質量 $2m$ の小球Cが高さ $h_{\text{C}}$、速さ $v_{\text{C}}$ で等速円運動しているときの力学的エネルギー $E_{\text{C}}$ を、高さ $h_{\text{C}}$ を用いて表します。
黄金関係 $v_{\text{C}}^2 = gh_{\text{C}}$ を使うと、
- 小球Cの位置エネルギー:$U_{\text{C}} = (2m)gh_{\text{C}} = 2mgh_{\text{C}}$
- 小球Cの運動エネルギー:$K_{\text{C}} = \dfrac{1}{2}(2m)v_{\text{C}}^2 = mv_{\text{C}}^2 = mgh_{\text{C}}$
よって、小球Cの力学的エネルギー $E_{\text{C}}$ は、
問題文より「$E_{\text{C}}$ は $E_{\text{A}}$ の16倍」なので、$E_{\text{C}} = 16E_{\text{A}}$ を立てます。
両辺を $3mg$ で割ると、小球Cの高さ $h_{\text{C}}$ が求まります!
【解答】
(6) 小球Bの運動エネルギー:$\boldsymbol{mgv_0^2}$ ではなく(※ $g$ は不要!) $\boldsymbol{mv_0^2}$
(7) 小球Cの高さ:$\boldsymbol{\dfrac{8v_0^2}{g}}$
II. 図1-2のように高さが $h_1$ の点Eで小球Dを水平方向に速さ $v_1$ で滑らせたところ、小球Dは円すい内面に沿って回りながらすべり降り、高さが $h_2$ の点Fまで到達した。図1-2は模式的に表されている。
(8) 点Fにあるときの小球Dの速さはいくらか。
(9) 点Eでの速さを $v_1$、点Fでの速さを $v_2$ とすると、点Eと点Fで高さと速さの積は互いに等しく $h_1 v_1 = h_2 v_2$ となっていた。$v_1^2$ はいくらか。$h_1$,$h_2$,$g$ を用いて答えよ。
(10) 点Eと点Fで高さと速さの積は互いに等しく、E点では小球Dの重力による位置エネルギーは運動エネルギーの6倍であった。E点,F点の高さをそれぞれ $v_1$ と $g$ を用いて表せ。
STEP 1(8) 力学的エネルギー保存則から点Fでの速さを求める
円すいの内面はなめらか(摩擦なし)なので、小球Dが内面から受ける垂直抗力は常に小球Dの運動方向と垂直であり、仕事をしません。
したがって、小球Dの力学的エネルギーは保存されます!
小球Dの質量を $m_{\text{D}}$、点Fでの速さを $v_2$ とすると、点E(高さ $h_1$、速さ $v_1$)と点F(高さ $h_2$、速さ $v_2$)の間で力学的エネルギー保存則を立てます。
両辺を $\dfrac{1}{2}m_{\text{D}}$ で割ると、
$v_2 > 0$ より、平方根をとって点Fでの速さが求まります。
STEP 2(9) $h_1 v_1 = h_2 v_2$ と力学的エネルギー保存則を連立して $v_1^2$ を求める
(※背景知識:点Eと点Fでは小球の速度が水平方向を向いているため、中心軸まわりの角運動量保存則・面積速度一定の法則 $r_1 v_1 = r_2 v_2$ が成り立ち、$r = h\tan\theta$ より $h_1 v_1 = h_2 v_2$ となります。問題文にこの式が書いてあるのでそのまま使えばOKです!)
まず、$h_1 v_1 = h_2 v_2$ より $v_2$ を $v_1$ で表します。
これを、STEP 1で導いたエネルギー保存則の式 $v_2^2 - v_1^2 = 2g(h_1 - h_2)$ に代入します!
左辺を $v_1^2$ でくくり、通分して因数分解します。
図1-2より点Eと点Fの高さは異なる($h_1 \neq h_2$、すなわち $h_1 - h_2 \neq 0$)ので、両辺を $(h_1 - h_2)$ で割ることができます!
STEP 3(10) 条件「点Eで $U_{\text{E}} = 6K_{\text{E}}$」からE点の高さ $h_1$ とF点の高さ $h_2$ を求める
まず、E点での高さを $h_1$、F点での高さを $h_2$ とおきます。
問題文より「E点では重力による位置エネルギー $m_{\text{D}}gh_1$ は運動エネルギー $\dfrac{1}{2}m_{\text{D}}v_1^2$ の6倍であった」とあるので、そのまま式にします!
これでE点の高さ $h_1 = \dfrac{3v_1^2}{g}$ が一瞬で求まりました!
次に、F点の高さ $h_2$ を求めます。(9) で導いた関係式
に、いま求めた $v_1^2 = \dfrac{1}{3}gh_1$ を代入して、$h_2$ と $h_1$ の比を求めましょう!(もちろん $h_1 = \dfrac{3v_1^2}{g}$ を代入しても同じです。)
両辺を $g$ で割り、分母を払って整理します。
左辺をたすき掛けで因数分解すると、
高さは正($h_1 > 0, h_2 > 0$)なので $3h_2 + h_1 > 0$ です。よって $2h_2 - h_1 = 0$、すなわち
ここに $h_1 = \dfrac{3v_1^2}{g}$ を代入……
ここで最大の注意点を確認しましょう!もし $h_2 = \dfrac{1}{2}h_1$ に $h_1 = \dfrac{3v_1^2}{g}$ を代入すると $h_2 = \dfrac{3v_1^2}{2g}$ になりますが、念のため方程式の係数をもう一度丁寧に見直してみましょう!
🔍 検算チェック(エネルギー保存則と直接照合!)
E点では $K_{\text{E}} = \dfrac{1}{2}m_{\text{D}}v_1^2$、$U_{\text{E}} = 6K_{\text{E}} = 3m_{\text{D}}v_1^2$ なので、全エネルギーは $E = K_{\text{E}} + U_{\text{E}} = \dfrac{7}{2}m_{\text{D}}v_1^2$ です。
もし $h_1 = \dfrac{3v_1^2}{g}$ で、$h_2$ での速さが $v_2 = \dfrac{h_1}{h_2}v_1$ だとすると、F点での全エネルギーは
$$E = \frac{1}{2}m_{\text{D}}\left(\frac{h_1}{h_2}v_1\right)^2 + m_{\text{D}}gh_2$$
です。ここで $gh_1 = 3v_1^2 \Longleftrightarrow v_1^2 = \dfrac{1}{3}gh_1$ なので、エネルギー保存則は
$$\frac{1}{2}\left(\frac{1}{3}gh_1\right) + gh_1 = \frac{1}{2}\left(\frac{h_1}{h_2}\right)^2\left(\frac{1}{3}gh_1\right) + gh_2$$
両辺を $g$ で割って6倍すると:
$$h_1 + 6h_1 = \frac{h_1^3}{h_2^2} + 6h_2 \quad \Longleftrightarrow \quad 7h_1 h_2^2 = h_1^3 + 6h_2^3$$
$h_2 = h_1$(E点そのもの)を因数にもつので $(h_2 - h_1)$ で割ると:
$$6h_2^2 + 6h_1 h_2 - h_1^2 = 0 \text{ ではなく、}$$
$$6h_2^3 - 7h_1 h_2^2 + h_1^3 = (h_2 - h_1)(6h_2^2 - h_1 h_2 - h_1^2) = (h_2 - h_1)(2h_2 - h_1)(3h_2 + h_1) = 0$$
やっぱり因数分解は $(2h_2 - h_1)(3h_2 + h_1) = 0$ で100%完璧に一致します!
すなわち、$h_2 = \dfrac{1}{2}h_1 = \dfrac{1}{2}\left(\dfrac{3v_1^2}{g}\right) = \boldsymbol{\dfrac{3v_1^2}{2g}}$ です!
【解答】
(8) 点Fでの速さ:$\boldsymbol{\sqrt{v_1^2 + 2g(h_1 - h_2)}}$
(9) $v_1^2$:$\boldsymbol{\dfrac{2gh_2^2}{h_1 + h_2}}$
(10) E点の高さ:$\boldsymbol{\dfrac{3v_1^2}{g}}$ , F点の高さ:$\boldsymbol{\dfrac{3v_1^2}{2g}}$
大問 2:熱気球の浮上と静止(気体の状態方程式・空気の密度・浮力)
分野:熱力学・力学融合 / 目標解答時間:20分 / 難易度:標準
大問2は、医学部入試で大頻出の「熱気球」です!
熱気球の問題で絶対に押さえるべきルールはたった2つ!
ルール①:開口部があるから、風船内部の圧力 $P$ は常に外部の気圧と等しい!(したがって、$PV = nRT$ より、圧力 $P$ と体積 $V$ が一定のとき、温度 $T$ と物質量 $n$(および密度 $\rho$)は反比例する:$\rho T = \text{一定}$!)
ルール②:力のつりあいを立てるときは、「(外部空気から受ける浮力 $\rho_{\text{外}}Vg$)$=$(風船内部の空気の重力 $\rho_{\text{内}}Vg$)$+$(気球本体・おもりの重力 $Mg$)」とする!
これさえ守れば、(1)〜(10)までパズルのようにスルスル解けますよ!指定文字のチェックだけは指差し確認しよう!
【問題文 2】
熱気球は、風船内部の空気を加熱することで上昇することができる。気球の風船部分は伸び縮みしない薄い断熱性の素材で作られていて、常に体積 $V$ の球形で変形しないものとする。図2のように気球には小さなゴンドラなどが取りつけられているが、空気の浮力がはたらくのは、風船部分だけであるとする。風船部の下部には開口部があり、風船内部の圧力は一様で常に外気と等しい圧力に保たれているものとする。浮力ははたらくが、風船部の大きさの範囲では、外気の圧力は一定とみなせるとする。また、風船部の大きさの範囲では、内外の密度はそれぞれ一定とみなせるとする。内部と外部とでは密度は異なっていてもよい。外気の温度は高度によらずに $T_0$ で一定であり、初めの状態では、気球の内部の温度も $T_0$ であるとする。温度は絶対温度で表記するものとする。内部の空気も外部の空気も同じ理想気体で、$1\text{ mol}$ あたりの質量を $m$ とし、気体定数を $R$ とする。初めはゴンドラにはおもりが載せられており、これによって気球は地表に留められている。この状態では、風船部の空気を除いた気球の質量は、おもりを含めて $M_1$ である。重力加速度の大きさを $g$ とする。
【図2:熱気球の構造】
【Sora先生の「浮上開始&静止」力のつりあい図】
I. 地表の空気の圧力を $P_0$ とする。
(1) 風船部に、物質量 $n_0$ の空気が入っていたとすると、風船内の空気の圧力と体積の積 $P_0 V$ は、$n_0$,$T_0$,$R$ を用いてどのように表されるか。
(2) 初めの風船内の密度を、$m$,$R$,$P_0$,$T_0$ を用いて表せ。
(3) 風船内の空気を加熱すると、風船内の物質量は大きくなるか、小さくなるか、それとも変わらないか。
(4) 初めの風船内の密度を $\rho_0$ とし、風船内の空気を温度 $T$ に加熱したときの風船内の密度を $\rho_0$,$T_0$,$T$ を用いて表せ。
STEP 1(1) 理想気体の状態方程式を立てる
初めの状態では、風船内の圧力は地表の外気圧と同じ $P_0$、体積は $V$、物質量は $n_0$、絶対温度は $T_0$ です。理想気体の状態方程式より、直ちに次式が成り立ちます。
STEP 2(2) 初めの風船内の空気の密度 $\rho_0$ を求める
密度とは「単位体積($1\text{ m}^3$)あたりの質量」、すなわち $\text{密度} = \dfrac{\text{風船内の空気の質量}}{\text{風船の体積 } V}$ です。
空気 $1\text{ mol}$ あたりの質量(モル質量)が $m$ であり、風船内に $n_0\text{ [mol]}$ の空気が入っているので、風船内の空気の総質量は $n_0 m$ です。
したがって、初めの密度 $\rho_0$ は、
ここで、(1) の状態方程式 $P_0 V = n_0 R T_0$ より $\dfrac{n_0}{V} = \dfrac{P_0}{R T_0}$ ですから、これを代入すると、
STEP 3(3) 加熱したときの風船内の物質量 $n$ の変化
風船の下部には開口部があるため、加熱しても風船内の圧力は $P_0$ で一定であり、風船の体積も $V$ で一定です。
温度を $T$ にしたときの物質量を $n$ とすると、状態方程式は $P_0 V = n R T$ となります。
左辺の $P_0 V$ が一定で気体定数 $R$ も一定なので、
となり、物質量 $n$ は絶対温度 $T$ に反比例します。したがって、加熱して温度 $T$ が高くなると、膨張した空気が開口部から外へ出ていくため、風船内の物質量は小さくなることがわかります。
STEP 4(4) 温度 $T$ に加熱したときの風船内の密度 $\rho$ を求める
(2) と全く同じように考えると、圧力 $P_0$ のもとで温度が $T$ になったときの密度 $\rho$ は、
です。これを初めの密度 $\rho_0 = \dfrac{m P_0}{R T_0}$ と比較すると、圧力 $P_0$ が一定のとき密度 $\rho$ は絶対温度 $T$ に反比例します($\rho T = \rho_0 T_0 = \dfrac{mP_0}{R} = \text{一定}$)。よって、
【解答】
(1) $P_0 V$ の式:$\boldsymbol{n_0 R T_0}$
(2) 初めの密度:$\boldsymbol{\dfrac{m P_0}{R T_0}}$
(3) 物質量の変化:$\boldsymbol{\text{小さくなる}}$
(4) 温度 $T$ での密度:$\boldsymbol{\dfrac{T_0}{T}\rho_0}$
(5) 風船内の空気の温度を $T_1$ としたときに、気球は地面を離れて上昇を始めた。このときの風船内の密度を $\rho_1$ とする。気球にかかる浮力の大きさを、気体定数を用いずに、$\rho_1$,$V$,$M_1$,$g$ を用いて表せ。
(6) 気球が上昇を始める温度を、初めの風船内の密度 $\rho_0$,$V$,$M_1$,$T_0$ を用いて表せ。
STEP 1(5) 地面を離れる瞬間の力のつりあいから浮力を求める(※指定文字に超注意!)
アルキメデスの原理より、本来「気球にかかる浮力の大きさ $F_{\text{浮}}$」は、周囲の外気(地表なので密度は $\rho_0$)が押しのけられた重さに等しく、$F_{\text{浮}} = \rho_0 V g$ です。
しかし!!問題文(5)の指定文字を見てください!
「$\boldsymbol{\rho_1}$,$V$,$M_1$,$g$ を用いて表せ」(※ $\rho_0$ は指定文字に入っていません!)と書かれています!
そこで、「気球が地面を離れて上昇を始める瞬間(垂直抗力がちょうど $0$ になった瞬間)の力のつりあい」を使います。
このとき、気球全体(風船内の空気 + 気球本体とおもり)にはたらく力は、
- 鉛直上向きの力:気球にかかる浮力 $F_{\text{浮}}$
- 鉛直下向きの力:風船内の空気にはたらく重力 $\rho_1 V g$ + 風船部の空気を除いた気球(おもり含む)にはたらく重力 $M_1 g$
上昇を始める瞬間、これらがつりあっているので、
これで、指定された文字($\rho_1, V, M_1, g$)だけで浮力の大きさを表すことができました!
STEP 2(6) 浮力 $F_{\text{浮}} = \rho_0 V g$ と結びつけて温度 $T_1$ を求める
一方、地表付近の外気は圧力 $P_0$、温度 $T_0$ なので、外気の密度は初めの風船内の密度と同じ $\rho_0$ です。
アルキメデスの原理より、体積 $V$ の風船部が密度 $\rho_0$ の外気から受ける浮力の大きさは
です。これを (5) のつりあいの式 $F_{\text{浮}} = (\rho_1 V + M_1)g$ に代入すると、
さらに、(4) の結果より、温度 $T_1$ のときの風船内の密度 $\rho_1$ は $\rho_1 = \dfrac{T_0}{T_1}\rho_0$ です。これを①式に代入して $T_1$ について解きます!
【解答】
(5) 気球にかかる浮力の大きさ:$\boldsymbol{(\rho_1 V + M_1)g}$ (または $\boldsymbol{\rho_1 V g + M_1 g}$)
(6) 上昇を始める温度:$\boldsymbol{\dfrac{\rho_0 V}{\rho_0 V - M_1}T_0}$
II. 風船部の温度を気球が上昇を始める温度 $T_1$ で固定し、ゴンドラからおもりを取り除くと、気球は静かに上昇し、ある高さで静かに止まった。おもりを取り除いたとき、風船部の空気を除いた気球の質量は $M_2$ である。気球が止まった高さでの風船外部の密度を $\rho_{\text{h}}$、風船内部の密度を $\rho_2$ とする。
(7) $\dfrac{T_1 - T_0}{T_1}$ は、初めの風船内の密度 $\rho_0$,$V$,$M_1$ を用いてどのように表されるか。
(8) 気球が止まった高さでの風船内外の密度差の大きさは、$M_2$,$V$ を用いてどのように表されるか。
(9) 気球の外部でも風船と同じ体積の領域を考えることで、風船内外の密度の比 $\dfrac{\rho_{\text{h}}}{\rho_2}$ を $T_0$ と $T_1$ を用いて表せ。
(10) 気球が止まったときの風船内の密度 $\rho_2$ を、初めの風船内の密度 $\rho_0$ および $M_1$,$M_2$,$T_0$,$T_1$ を用いて表せ。
STEP 1(7) $\dfrac{T_1 - T_0}{T_1}$ を計算する
(6) の途中で登場した式 $\rho_0 V - M_1 = \rho_0 V \dfrac{T_0}{T_1}$ を使うと1行で出ます!(もちろん (6) の答えを代入してもOKです。)
まず、求める式を割り算の形に分解すると、
ここで、$\rho_0 V \dfrac{T_0}{T_1} = \rho_0 V - M_1$ の両辺を $\rho_0 V$ で割ると、
したがって、
STEP 2(8) 気球が止まった高さでの力のつりあいから密度差 $\rho_{\text{h}} - \rho_2$ を求める
気球が止まった高さでは、風船外部の空気の密度が $\rho_{\text{h}}$、風船内部の空気の密度が $\rho_2$、気球本体の質量が $M_2$ です。
この高さで気球が静止しているので、鉛直方向の力のつりあいの式「(外気からの浮力)$=$(内気の重力)$+$(気球本体の重力)」を立てます!
両辺を $g$ で割り、$\rho_2 V$ を左辺に移項します。
これが、気球が止まった高さでの風船内外の密度差の大きさです!
STEP 3(9) 止まった高さでの内外の密度の比 $\dfrac{\rho_{\text{h}}}{\rho_2}$ を求める
気球が止まった高さでの外気の圧力を $P_{\text{h}}$ とします。開口部があるため、風船内部の圧力も外部と同じ $P_{\text{h}}$ です。
また、問題文より「外気の温度は高度によらずに $T_0$ で一定」であり、「風船内部の温度は $T_1$ で固定」されています。
同じ圧力 $P_{\text{h}}$、同じ体積 $V$ の領域を考えると、(2)・(4) と同様に「密度は絶対温度に反比例する」ため、
- 外部の空気(圧力 $P_{\text{h}}$、温度 $T_0$)の密度:$\rho_{\text{h}} = \dfrac{m P_{\text{h}}}{R T_0}$
- 内部の空気(圧力 $P_{\text{h}}$、温度 $T_1$)の密度:$\rho_2 = \dfrac{m P_{\text{h}}}{R T_1}$
この2式の比をとると、共通の $\dfrac{m P_{\text{h}}}{R}$ が約分されて消えます!
STEP 4(10) (7)・(8)・(9) を連立して $\rho_2$ を指定文字で表す
この大問のクライマックスです!使いたい文字は $\rho_0, M_1, M_2, T_0, T_1$ です(体積 $V$ と外部密度 $\rho_{\text{h}}$ を消去します!)。
まず、(9) の式より $\rho_{\text{h}}$ を $\rho_2$ で表します。
これを (8) の式 $\rho_{\text{h}} - \rho_2 = \dfrac{M_2}{V}$ に代入して $\rho_{\text{h}}$ を消去します。
次に、②式の右辺にある体積 $V$ を消去するために、(7) の結果 $\dfrac{T_1 - T_0}{T_1} = \dfrac{M_1}{\rho_0 V}$ から $\dfrac{1}{V}$ を求めます。
これを②式の右辺に代入します!
なんと、両辺の分子にある $(T_1 - T_0)$ がきれいに約分されて消えます!
両辺を $\dfrac{T_0}{T_1 - T_0}$ 倍すると、求める密度 $\rho_2$ が鮮やかに得られます!
【解答】
(7) $\dfrac{T_1 - T_0}{T_1}$:$\boldsymbol{\dfrac{M_1}{\rho_0 V}}$
(8) 風船内外の密度差の大きさ:$\boldsymbol{\dfrac{M_2}{V}}$
(9) 密度の比 $\dfrac{\rho_{\text{h}}}{\rho_2}$:$\boldsymbol{\dfrac{T_1}{T_0}}$
(10) 止まったときの風船内の密度 $\rho_2$:$\boldsymbol{\dfrac{\rho_0 M_2 T_0}{M_1 T_1}}$
大問 3:電池の起電力・内部抵抗・端子電圧と最大消費電力(直流回路)
分野:電磁気(直流回路) / 目標解答時間:12分 / 難易度:基礎〜標準
大問3は、絶対に満点を取りたい「電池の内部抵抗と端子電圧」の超定番問題です!
電池は「起電力 $E$ の理想電源」と「内部抵抗 $r$」が直列につながったセットとして図を描けば、ただのオームの法則だけで全問解けます!
また、(5) の「外部抵抗 $R$ での消費電力が最大になる条件(インピーダンス整合:$R = r$)」は、相加・相乗平均の関係を使った変形とあわせて結果も暗記しておくと、試験場で10秒で即答できますよ!後半 II の数値計算では有効数字と単位のつけ忘れに気をつけよう!
【問題文 3】
図3のように、起電力が $E$ で内部抵抗が $r$ の電池と電気抵抗RとスイッチSをつないだ。導線の抵抗は無視できるとする。特に指定がない場合、スイッチは閉じているものとする。
【図3:問題図の再現】
【Sora先生の「電池の内部構造」明示回路図】
I. 抵抗Rの抵抗値を $R$ とする。
(1) スイッチが開いているとき、電池の端子電圧はいくらか。
(2) スイッチが閉じているとき、電池の端子電圧はいくらか。
(3) 抵抗Rに流れる電流はいくらか。
(4) 抵抗Rで消費される電力はいくらか。
(5) 抵抗値 $R$ の値を変化させて消費電力を調べた。抵抗Rでの消費電力が最大になるときの抵抗値 $R$ の値はいくらか。
STEP 1(1) スイッチが開いているときの端子電圧 $V$
電池に流れる電流を $I$ とすると、電池の両端の電圧(端子電圧 $V$)は、起電力 $E$ から内部抵抗 $r$ での電圧降下 $Ir$ を引いた値になります:
スイッチが開いているときは回路に電流が流れない($I = 0$)ため、内部抵抗での電圧降下は $0$ です。よって、端子電圧は起電力そのままの $E$ となります。
STEP 2(2)・(3) スイッチが閉じているときの電流 $I$ と端子電圧 $V$
スイッチが閉じているとき、回路に流れる電流を $I$ とします。キルヒホッフの第二法則(閉回路の起電力 $=$ 電圧降下の和)より、
これより、(3) の抵抗Rに流れる電流 $I$ は、
また、(2) の電池の端子電圧 $V$ は、抵抗Rの両端にかかる電圧 $RI$ に等しい(または $V = E - Ir$ に代入する)ので、
STEP 3(4) 抵抗Rで消費される電力 $P$
抵抗Rにかかる電圧が $V = \dfrac{R}{R+r}E$、流れる電流が $I = \dfrac{E}{R+r}$ なので、消費電力 $P = IV = RI^2$ より、
STEP 4(5) 消費電力 $P$ が最大になるときの $R$(相加・相乗平均の黄金変形!)
(4) で求めた消費電力 $P = \dfrac{RE^2}{(R + r)^2}$ において、変数 $R$ が分子にも分母にも入っています。
そこで、分母の $(R + r)^2$ を展開して、分母・分子を $R$($>0$)で割るのが定石です!
分子の $E^2$ は一定なので、分母が最小になるときに消費電力 $P$ は最大になります。
ここで、$R > 0, \dfrac{r^2}{R} > 0$ より、相加平均と相乗平均の大小関係を適用すると、
等号が成立するのは、
のときです!したがって、$R = r$ のときに分母は最小値 $2r + 2r = 4r$ をとり、消費電力 $P$ は最大値 $P_{\text{max}} = \dfrac{E^2}{4r}$ となります。
【解答】
(1) スイッチが開いているときの端子電圧:$\boldsymbol{E}$
(2) スイッチが閉じているときの端子電圧:$\boldsymbol{\dfrac{R}{R + r}E}$
(3) 抵抗Rに流れる電流:$\boldsymbol{\dfrac{E}{R + r}}$
(4) 抵抗Rで消費される電力:$\boldsymbol{\dfrac{RE^2}{(R + r)^2}}$
(5) 消費電力が最大になるときの $R$ の値:$\boldsymbol{r}$
II. 抵抗Rの値を変化させて、抵抗Rを流れる電流 $I$ と電池の端子電圧 $V$ を測定すると、$I = 0.20\text{ A}$ のとき $V = 1.50\text{ V}$,$I = 0.60\text{ A}$ のとき $V = 1.30\text{ V}$ となっていた。数値には単位をつけて答えよ。
(6) 電池の内部抵抗の値はいくらか。
(7) 抵抗値 $R$ を調節して、回路を流れる電流が $1.20\text{ A}$ となるようにした。このとき、抵抗Rの消費電力はいくらか。
(8) (7)での抵抗Rは、$1.00\text{ }\Omega$ と $R_1\text{ }[\Omega]$ の抵抗が並列につながれた回路からなる抵抗であったとする。$R_1$ の値はいくらか。
STEP 1(6) 端子電圧の式 $V = E - rI$ に2組の測定値を代入して $r$ と $E$ を求める
電池の端子電圧 $V$ と電流 $I$ の関係式 $V = E - rI$ に、与えられた2つの測定データを代入します。
- $I = 0.20\text{ A},\ V = 1.50\text{ V}$ のとき:$1.50 = E - 0.20r \quad \cdots \text{①}$
- $I = 0.60\text{ A},\ V = 1.30\text{ V}$ のとき:$1.30 = E - 0.60r \quad \cdots \text{②}$
① $-$ ② を計算して $E$ を消去します。
また、これを①式に代入すると、電池の起電力 $E$ も求まります。
有効数字を確認すると、電流 $0.20\text{ A}, 0.60\text{ A}$ が有効数字2桁、電圧 $1.50\text{ V}, 1.30\text{ V}$ が有効数字3桁なので、内部抵抗は有効数字2桁で $0.50\text{ }\Omega$ と答えます。
STEP 2(7) 電流 $I = 1.20\text{ A}$ のときの端子電圧 $V$ と消費電力 $P$ を求める
STEP 1より、この電池の端子電圧の式は
です。ここに $I = 1.20\text{ A}$ を代入すると、このときの端子電圧(=抵抗Rの両端にかかる電圧)$V$ は、
となります!抵抗Rには電圧 $V = 1.00\text{ V}$ がかかり、電流 $I = 1.20\text{ A}$ が流れているので、抵抗Rでの消費電力 $P$ は、
※問題文の最初の測定値に $0.20\text{ A}$ などの2桁が含まれる一方、(7)単体の数値は $1.20\text{ A}$(3桁)、(8)も $1.00\text{ }\Omega$(3桁)で与えられているため、有効数字2桁($1.2\text{ W}$)または3桁($1.20\text{ W}$)のどちらでも正解となります。両方併記しておきます。
STEP 3(8) 並列回路の合成抵抗(または分流)から $R_1$ を求める
【解き方A:電流の分流で一瞬で解く方法(超おすすめ!)】
(7) の状態では、並列部分($1.00\text{ }\Omega$ の抵抗と $R_1\text{ }[\Omega]$ の抵抗)の両端に、共通の端子電圧 $V = 1.00\text{ V}$ がかかっています!
したがって、$1.00\text{ }\Omega$ の抵抗に流れる電流 $I_0$ は、オームの法則より
全体の電流が $I = 1.20\text{ A}$ なので、もう一方の抵抗 $R_1$ に流れる電流 $I_1$ は、
電圧 $1.00\text{ V}$ がかかって $0.20\text{ A}$ の電流が流れているので、抵抗値 $R_1$ は、
【解き方B:合成抵抗の公式から解く方法】
(7) での抵抗Rの合成抵抗値は $R = \dfrac{V}{I} = \dfrac{1.00}{1.20} = \dfrac{5}{6}\text{ }[\Omega]$ です。
並列の合成抵抗の式 $\dfrac{1}{R} = \dfrac{1}{1.00} + \dfrac{1}{R_1}$ に代入すると、
(※注意!問題文の最後に「数値には単位をつけて答えよ」と指示があり、(8)の設問文には「$R_1\text{ }[\Omega]$ の抵抗が…… $R_1$ の値はいくらか」と書かれています。念のため $5.0\text{ }\Omega$ のように必ず単位 $\Omega$ をつけて解答しましょう!)
【解答】(※すべて単位必須)
(6) 電池の内部抵抗の値:$\boldsymbol{0.50\text{ }\Omega}$
(7) 抵抗Rの消費電力:$\boldsymbol{1.2\text{ W}}$ (または $\boldsymbol{1.20\text{ W}}$)
(8) $R_1$ の値:$\boldsymbol{5.0\text{ }\Omega}$ (または $\boldsymbol{5.00\text{ }\Omega}$)
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