Sora先生 & ニックニ(新国)先生の「女子医大・物理 完全攻略ガイド」
2019年度の東京女子医科大学・物理は、大問I「気体の状態変化と熱効率」、大問II「単振り子と釘による円運動」、大問III「誘電体を含むコンデンサー回路」の3題構成です!どれも典型テーマですが、大問Iでは「単位のつけ忘れ注意」、大問IIでは「円運動の最高点を通過する条件」、大問IIIでは「極板の正負を逆につないだときの電位」など、うっかりミスを誘うトラップが仕掛けられています。1ステップずつ図解と一緒に完全マスターしていきましょう!
⚡ 解答一覧(スピードチェック)
まずは自分の答えと照らし合わせよう!大問 I :熱力学(単原子分子理想気体のサイクル)
大問 II :力学(単振り子と釘による鉛直面内の円運動)
大問 III :電磁気(平行板コンデンサーへの誘電体挿入と再接続)
熱力学:単原子分子理想気体の状態変化と熱効率
大問Iは「定積・等温・定圧・等温」の4つの過程からなるサイクルの基本問題です!ここは絶対に満点を取りたい得点源ですよ。
ただし、問題文の冒頭に「単位が必要な数値には単位を付けよ」という超重要な指示があります!(温度なら $\text{K}$、熱量や仕事なら $\text{J}$、体積なら $\text{m}^3$、そして⑩の熱効率は無次元なので単位なし!)。また、単原子分子理想気体では内部エネルギーの変化を $\Delta U = \dfrac{3}{2}nR\Delta T = \dfrac{3}{2}\Delta(pV)$ で計算できることを使えば、秒速で解けますよ!
設問 (1) の問題と完全ステップ解説
(1) 以下の空欄を数値で埋めよ。なお,単位が必要な数値には単位を付けよ。
シリンダーとピストンからなる容器に封じ込められた単原子分子理想気体が温度 $3.0 \times 10^2\text{ K}$,圧力 $2.0 \times 10^5\text{ Pa}$,体積 $2.0 \times 10^{-4}\text{ m}^3$ の状態Aにあった。
最初に,状態Aから体積を一定に保ったまま加熱し,圧力 $3.0 \times 10^5\text{ Pa}$ の状態Bに変化させた。状態Bの温度は ① である。状態Aから状態Bまでの過程で容器内の気体の内部エネルギーの変化量は ② である。
続いて,状態Bから温度を一定に保ったまま減圧し,圧力 $1.0 \times 10^5\text{ Pa}$ の状態Cに変化させた。状態Cの体積は ③ である。状態Bから状態Cまでの過程で容器内の気体は $66\text{ J}$ の熱量を吸収した。このとき,容器内の気体が外部にした仕事は ④ である。
さらに,状態Cから圧力を一定に保ったまま冷却し,温度 $3.0 \times 10^2\text{ K}$ の状態Dに変化させた。状態Dの体積は ⑤ である。状態Cから状態Dまでの過程で容器内の気体が放出した熱量は ⑥ である。
最後に,状態Dから温度を一定に保ったまま加圧し,状態Aに戻した。このとき,容器内の気体は外部から $28\text{ J}$ の仕事をされた。
A→B→C→D→Aのサイクルで容器内の気体が吸収した熱量は ⑦ ,放出した熱量は ⑧ であり,外部にした仕事と外部からされた仕事の差に相当する正味の仕事は ⑨ である。したがって,このサイクルの熱機関としての熱効率は ⑩ である。
📊 まず状態A・B・C・Dの $(p, V, T)$ を一覧表で整理しよう!
| 状態 | 圧力 $p\ [\text{Pa}]$ | 体積 $V\ [\text{m}^3]$ | 温度 $T\ [\text{K}]$ | 次の状態への変化 |
|---|---|---|---|---|
| 状態 A | $2.0 \times 10^5$ | $2.0 \times 10^{-4}$ | $3.0 \times 10^2$ | A→B:定積加熱($V$一定) |
| 状態 B | $3.0 \times 10^5$ | $2.0 \times 10^{-4}$ | ① $4.5 \times 10^2$ | B→C:等温膨張($T$一定) |
| 状態 C | $1.0 \times 10^5$ | ③ $6.0 \times 10^{-4}$ | $4.5 \times 10^2$ | C→D:定圧冷却($p$一定) |
| 状態 D | $1.0 \times 10^5$ | ⑤ $4.0 \times 10^{-4}$ | $3.0 \times 10^2$ | D→A:等温圧縮($T$一定) |
STEP 1 空欄 ①・②(状態A $\to$ 状態B:定積変化)
状態Aでは $p_{\text{A}} = 2.0 \times 10^5\text{ Pa}$,$V_{\text{A}} = 2.0 \times 10^{-4}\text{ m}^3$,$T_{\text{A}} = 3.0 \times 10^2\text{ K}$ です。
状態Aから状態Bへは体積を一定に保ったまま($V_{\text{B}} = V_{\text{A}} = 2.0 \times 10^{-4}\text{ m}^3$)加熱し,圧力が $p_{\text{B}} = 3.0 \times 10^5\text{ Pa}$ になりました。
【① 状態Bの温度 $T_{\text{B}}$】
ボイル・シャルルの法則 $\dfrac{pV}{T} = \text{一定}$ より,$V_{\text{A}} = V_{\text{B}}$ なので圧力と絶対温度は比例します:
$$\frac{p_{\text{A}}}{T_{\text{A}}} = \frac{p_{\text{B}}}{T_{\text{B}}}$$
数値を代入すると,
$$T_{\text{B}} = \frac{p_{\text{B}}}{p_{\text{A}}} T_{\text{A}} = \frac{3.0 \times 10^5}{2.0 \times 10^5} \times (3.0 \times 10^2) = 1.5 \times 3.0 \times 10^2 = 4.5 \times 10^2\text{ K}$$
よって,① の答えは $4.5 \times 10^2\text{ K}$ です。
【② A→Bにおける内部エネルギーの変化量 $\Delta U_{\text{AB}}$】
単原子分子理想気体の内部エネルギー $U$ は,気体の物質量を $n$,気体定数を $R$ とすると,状態方程式 $pV = nRT$ を用いて次のように表せます:
$$U = \frac{3}{2}nRT = \frac{3}{2}pV$$
したがって,状態Aから状態Bへの内部エネルギーの変化量 $\Delta U_{\text{AB}} = U_{\text{B}} - U_{\text{A}}$ は,
$$\Delta U_{\text{AB}} = \frac{3}{2}(p_{\text{B}}V_{\text{B}} - p_{\text{A}}V_{\text{A}}) = \frac{3}{2}(p_{\text{B}} - p_{\text{A}})V_{\text{A}}$$
数値を代入して計算します:
$$\Delta U_{\text{AB}} = \frac{3}{2} \times (3.0 \times 10^5 - 2.0 \times 10^5) \times (2.0 \times 10^{-4}) = \frac{3}{2} \times (1.0 \times 10^5) \times (2.0 \times 10^{-4}) = 30\text{ J}$$
よって,② の答えは $30\text{ J}$ です。
STEP 2 空欄 ③・④(状態B $\to$ 状態C:等温変化)
状態Bから状態Cへは温度を一定に保ったまま($T_{\text{C}} = T_{\text{B}} = 4.5 \times 10^2\text{ K}$)減圧し,圧力が $p_{\text{C}} = 1.0 \times 10^5\text{ Pa}$ になりました。
【③ 状態Cの体積 $V_{\text{C}}$】
等温変化なので,ボイルの法則 $p_{\text{B}}V_{\text{B}} = p_{\text{C}}V_{\text{C}}$ が成り立ちます:
$$(3.0 \times 10^5) \times (2.0 \times 10^{-4}) = (1.0 \times 10^5) \times V_{\text{C}}$$
$$V_{\text{C}} = \frac{3.0 \times 10^5}{1.0 \times 10^5} \times (2.0 \times 10^{-4}) = 3.0 \times 2.0 \times 10^{-4} = 6.0 \times 10^{-4}\text{ m}^3$$
よって,③ の答えは $6.0 \times 10^{-4}\text{ m}^3$ です。
【④ B→Cで気体が外部にした仕事 $W_{\text{BC}}$】
B→Cは温度が一定($\Delta T_{\text{BC}} = 0$)なので,理想気体の内部エネルギーは変化しません:
$$\Delta U_{\text{BC}} = \frac{3}{2}nR\Delta T_{\text{BC}} = 0\text{ J}$$
熱力学第一法則(吸収した熱量 $Q_{\text{BC}} = \Delta U_{\text{BC}} + \text{外部にした仕事 }W_{\text{BC}}$)において,$Q_{\text{BC}} = 66\text{ J}$,$\Delta U_{\text{BC}} = 0\text{ J}$ を代入すると,
$$66 = 0 + W_{\text{BC}} \quad \Longleftrightarrow \quad W_{\text{BC}} = 66\text{ J}$$
よって,④ の答えは $66\text{ J}$ です。
STEP 3 空欄 ⑤・⑥(状態C $\to$ 状態D:定圧変化)
状態Cから状態Dへは圧力を一定に保ったまま($p_{\text{D}} = p_{\text{C}} = 1.0 \times 10^5\text{ Pa}$)冷却し,温度が $T_{\text{D}} = 3.0 \times 10^2\text{ K}$ になりました。
【⑤ 状態Dの体積 $V_{\text{D}}$】
定圧変化なので,シャルルの法則 $\dfrac{V_{\text{C}}}{T_{\text{C}}} = \dfrac{V_{\text{D}}}{T_{\text{D}}}$ が成り立ちます(または状態Aと状態Dが同じ温度 $3.0 \times 10^2\text{ K}$ であることに注目してボイルの法則 $p_{\text{A}}V_{\text{A}} = p_{\text{D}}V_{\text{D}}$ を使ってもOKです!):
$$V_{\text{D}} = \frac{T_{\text{D}}}{T_{\text{C}}} V_{\text{C}} = \frac{3.0 \times 10^2}{4.5 \times 10^2} \times (6.0 \times 10^{-4}) = \frac{2}{3} \times (6.0 \times 10^{-4}) = 4.0 \times 10^{-4}\text{ m}^3$$
よって,⑤ の答えは $4.0 \times 10^{-4}\text{ m}^3$ です。
【⑥ C→Dで気体が放出した熱量 $Q_{\text{CD, out}}$】
C→Dは圧力 $p_{\text{C}} = 1.0 \times 10^5\text{ Pa}$ で一定の定圧変化です。
まず,内部エネルギーの変化量 $\Delta U_{\text{CD}}$ は,
$$\Delta U_{\text{CD}} = \frac{3}{2}p_{\text{C}}(V_{\text{D}} - V_{\text{C}}) = \frac{3}{2} \times (1.0 \times 10^5) \times (4.0 \times 10^{-4} - 6.0 \times 10^{-4}) = \frac{3}{2} \times (1.0 \times 10^5) \times (-2.0 \times 10^{-4}) = -30\text{ J}$$
次に,定圧変化で気体が外部にした仕事 $W_{\text{CD}}$ は,
$$W_{\text{CD}} = p_{\text{C}}(V_{\text{D}} - V_{\text{C}}) = (1.0 \times 10^5) \times (4.0 \times 10^{-4} - 6.0 \times 10^{-4}) = -20\text{ J}$$
したがって,熱力学第一法則より気体が吸収した熱量 $Q_{\text{CD}}$ は,
$$Q_{\text{CD}} = \Delta U_{\text{CD}} + W_{\text{CD}} = (-30) + (-20) = -50\text{ J}$$
(別解:単原子分子の定圧モル比熱 $C_p = \dfrac{5}{2}R$ より,$Q_{\text{CD}} = \dfrac{5}{2}nR\Delta T = \dfrac{5}{2}p_{\text{C}}\Delta V = \dfrac{5}{2} \times (-20\text{ J}) = -50\text{ J}$ と一発で求めてもバッチリです!)
問題文では「放出した熱量」を聞かれているので,符号を正にして答えは $50\text{ J}$ です。
STEP 4 空欄 ⑦・⑧・⑨・⑩(D $\to$ A とサイクル全体の熱収支・熱効率)
まず最後の過程 D $\to$ A(等温圧縮)を確認しましょう。
状態D($T_{\text{D}} = 3.0 \times 10^2\text{ K}$)から状態A($T_{\text{A}} = 3.0 \times 10^2\text{ K}$)へは温度一定なので,内部エネルギーの変化は $\Delta U_{\text{DA}} = 0\text{ J}$ です。
このとき「外部から $28\text{ J}$ の仕事をされた(つまり外部にした仕事 $W_{\text{DA}} = -28\text{ J}$)」ので,熱力学第一法則より:
$$Q_{\text{DA}} = \Delta U_{\text{DA}} + W_{\text{DA}} = 0 + (-28) = -28\text{ J}$$
すなわち,過程 D $\to$ A では気体は外部へ $28\text{ J}$ の熱量を放出しています。
| 過程 | 変化の種類 | $\Delta U\ [\text{J}]$ | 外部にした仕事 $W\ [\text{J}]$ | 熱量 $Q\ [\text{J}]$ | 吸熱 / 放熱の判定 |
|---|---|---|---|---|---|
| A $\to$ B | 定積加熱 | $+30$ | $0$ | $+30$ | 🔥 吸熱 ($30\text{ J}$) |
| B $\to$ C | 等温膨張 | $0$ | $+66$ | $+66$ | 🔥 吸熱 ($66\text{ J}$) |
| C $\to$ D | 定圧冷却 | $-30$ | $-20$ | $-50$ | ❄️ 放熱 ($50\text{ J}$) |
| D $\to$ A | 等温圧縮 | $0$ | $-28$ | $-28$ | ❄️ 放熱 ($28\text{ J}$) |
-
【⑦ サイクルで吸収した熱量 $Q_{\text{in}}$】
気体が熱を吸収したのは A $\to$ B と B $\to$ C の2過程です。したがって, $$Q_{\text{in}} = 30 + 66 = 96\text{ J}$$ よって,⑦ の答えは $96\text{ J}$ です。 -
【⑧ サイクルで放出した熱量 $Q_{\text{out}}$】
気体が熱を放出したのは C $\to$ D と D $\to$ A の2過程です。したがって, $$Q_{\text{out}} = 50 + 28 = 78\text{ J}$$ よって,⑧ の答えは $78\text{ J}$ です。 -
【⑨ 1サイクルの正味の仕事 $W_{\text{net}}$】
1サイクル回って元の状態Aに戻ると内部エネルギーの変化は $\Delta U_{\text{cycle}} = 0$ なので,正味の仕事 $W_{\text{net}}$ は「吸収した熱量 $Q_{\text{in}}$ と放出した熱量 $Q_{\text{out}}$ の差」に等しくなります(もちろん各過程の仕事 $0 + 66 - 20 - 28$ を足しても同じです!): $$W_{\text{net}} = Q_{\text{in}} - Q_{\text{out}} = 96 - 78 = 18\text{ J}$$ よって,⑨ の答えは $18\text{ J}$ です。 -
【⑩ 熱機関としての熱効率 $e$】
熱効率 $e$ の定義式に $W_{\text{net}} = 18\text{ J}$,$Q_{\text{in}} = 96\text{ J}$ を代入します: $$e = \frac{W_{\text{net}}}{Q_{\text{in}}} = \frac{18}{96} = \frac{3}{16} = 0.1875$$ 問題文の数値が有効数字2桁($3.0 \times 10^2$,$66$,$28$ など)で与えられているため,有効数字2桁に四捨五入して $0.19$(または分数で $\dfrac{3}{16}$)となります(※熱効率は無次元量なので単位は付けません!)。
設問 (2) の問題と完全ステップ解説
(2) (1)に示された A→B→C→D→A のサイクルの圧力 $p$ と体積 $V$ の関係を図に描くとともに,正味の仕事を表す領域を斜線で示せ。
作図のポイント 採点官に満点をもらえる $p$-$V$ グラフの描き方
- 縦軸・横軸のラベルと単位: 縦軸に $p\ [\times 10^5\text{ Pa}]$(または $[\text{Pa}]$)、横軸に $V\ [\times 10^{-4}\text{ m}^3]$(または $[\text{m}^3]$)を明記します。
- 4つの頂点 A, B, C, D の座標と補助線:
- ・点A:$(V, p) = (2.0 \times 10^{-4}\text{ m}^3,\ 2.0 \times 10^5\text{ Pa})$
- ・点B:$(V, p) = (2.0 \times 10^{-4}\text{ m}^3,\ 3.0 \times 10^5\text{ Pa})$
- ・点C:$(V, p) = (6.0 \times 10^{-4}\text{ m}^3,\ 1.0 \times 10^5\text{ Pa})$
- ・点D:$(V, p) = (4.0 \times 10^{-4}\text{ m}^3,\ 1.0 \times 10^5\text{ Pa})$
- 各過程の線の形と矢印の向き: A→B は縦軸に平行な直線(上向き矢印)、B→C と D→A は原点に対して下に凸のなめらかな反比例の曲線(双曲線)、C→D は横軸に平行な直線(左向き矢印)を描きます。
- 正味の仕事を表す領域: サイクル A→B→C→D→A のループで囲まれた内部の領域に斜線を引きます。
力学:単振り子の周期と釘による鉛直面内の非等速円運動
大問IIは、前半の(1)・(2)が「釘があるときの単振り子の周期」、後半の(3)・(4)・(5)が「糸がたるまずに円運動の最高点Cを通過する条件と最大張力」という王道テーマです!
一番の合否の分かれ目は(2)と(3)での「円の半径」の読み取りです!釘Bは最下点Aから高さ $\dfrac{l}{4}$ の位置にあるので、操作2(微小振動)ではO点から釘Bまでの距離 $\dfrac{3}{4}l$ が振り子の長さにならないように超注意!釘Bから最下点Aまでの長さは $\dfrac{l}{4}$ ですよ!ここを図で正確にイメージできれば一気に完答できます!
図1のように,ある鉛直面上のO点に一端が固定された長さ $l$ の糸がある。他の一端に質量 $m$ の球を取り付けてつり下げ,この鉛直面内で運動できるようにした。球の最下点をA点とし,A点を含む水平線から上方への距離を球の高さにとる。糸の質量や太さ,球の大きさは無視できるものとし,重力加速度の大きさを $g$ として,以下の問いに答えよ。
操作1
糸がたるまないようにして球をA点から左にわずかに持ち上げ,P点で静かに放したところ,球は単振動で近似できる運動を始めた(図1)。
(1) 球がP点から出発して再びP点に戻ってくるまでの時間 $t_1$ を求めよ。
解説 (1) 長さ $l$ の単振り子の1周期
球がP点(左端)から出発して最下点Aを通り、右端まで行って折り返し、再びP点に戻ってくるまでの時間 $t_1$ は、長さ $l$ の単振り子の1周期 $T$ そのものです。
単振り子の周期の公式より、
$$t_1 = 2\pi\sqrt{\frac{l}{g}}$$
よって、求める時間 $t_1$ は $2\pi\sqrt{\dfrac{l}{g}}$ です。
操作2
次に,A点の真上の高さ $\dfrac{l}{4}$ のB点に太さが無視できる釘を面に対して垂直に打った。操作1と同様に球をP点から静かに放したところ,球はA点の右側においても単振動で近似できる運動をした(図2)。
(2) 球がP点から出発して再びP点に戻ってくるまでの時間 $t_2$ を求めよ。
解説 (2) A点の左側と右側で振り子の長さが変わる!
釘Bは「A点の真上の高さ $\dfrac{l}{4}$」の位置にあります。つまり、
- A点の左側(P $\leftrightarrow$ A): 支点はO点のままなので、振り子の糸の長さは $l$ です。
- A点の右側(A $\leftrightarrow$ 右端): 糸が釘Bに引っかかるため、支点がB点になります。B点はA点の真上 $\dfrac{l}{4}$ にあるので、B点から球までの糸の長さは $l' = \dfrac{l}{4}$ です!(※ $\dfrac{3}{4}l$ と間違えないように注意!)
P点から出発して再びP点に戻ってくる1往復の運動は、 「長さ $l$ の単振り子の半周期(P $\to$ A と A $\to$ P を合わせて $\dfrac{1}{2}$ 周期分)」と、 「長さ $\dfrac{l}{4}$ の単振り子の半周期(A $\to$ 右端 $\to$ A で $\dfrac{1}{2}$ 周期分)」の和になります。
長さ $\dfrac{l}{4}$ の単振り子の周期を $T'$ とすると、 $$T' = 2\pi\sqrt{\frac{l/4}{g}} = 2\pi \times \frac{1}{2}\sqrt{\frac{l}{g}} = \pi\sqrt{\frac{l}{g}}$$ したがって、求める往復時間 $t_2$ は、 $$t_2 = \frac{1}{2}t_1 + \frac{1}{2}T' = \frac{1}{2}\left(2\pi\sqrt{\frac{l}{g}}\right) + \frac{1}{2}\left(\pi\sqrt{\frac{l}{g}}\right) = \pi\sqrt{\frac{l}{g}} + \frac{1}{2}\pi\sqrt{\frac{l}{g}} = \frac{3}{2}\pi\sqrt{\frac{l}{g}}$$ よって、求める時間 $t_2$ は $\dfrac{3}{2}\pi\sqrt{\dfrac{l}{g}}$ です。
操作3
さらに,糸がたるまないようにして球を高く持ち上げて,高さ $h\ (h \leqq l)$ のQ点から静かに放した。糸がたるむことなく,球はA点を通過したあと円弧を描く運動をしてA点の真上のC点に到達した(図3)。
(3) C点に達したときの球の速さ $v$ を求めよ。
解説 (3) まずC点の高さを求め、力学的エネルギー保存則を立てる!
A点を通過したあと、球は釘Bを中心とする半径 $r = \dfrac{l}{4}$ の円運動をします。
C点は、その円軌道の最高点(B点の真上 $\dfrac{l}{4}$ の位置)です。したがって、最下点Aを基準としたC点の高さ $h_{\text{C}}$ は、直径の分だけ高くなるので、
$$h_{\text{C}} = 2r = 2 \times \frac{l}{4} = \frac{l}{2}$$
となります。
糸の張力は常に球の進行方向(速度ベクトル)と垂直にはたらくため仕事をしません。よって、Q点(高さ $h$、速さ $0$)とC点(高さ $\dfrac{l}{2}$、速さ $v$)の間で力学的エネルギー保存則が成り立ちます。
A点の高さを重力による位置エネルギーの基準(高さ $0$)にとると、
$$\underbrace{0 + mgh}_{\text{Q点での力学的エネルギー}} = \underbrace{\frac{1}{2}mv^2 + mg\left(\frac{l}{2}\right)}_{\text{C点での力学的エネルギー}}$$
両辺から $m$ を割り、$v^2$ について解きます:
$$\frac{1}{2}v^2 = g\left(h - \frac{l}{2}\right) \quad \Longleftrightarrow \quad v^2 = g(2h - l)$$
$v > 0$ より、C点での速さ $v$ は $\sqrt{g(2h - l)}$ です。
(4) C点に達するための $h$ の最小値を求めよ。
解説 (4) 糸がたるまずに円軌道の最高点Cを通過する条件!
ここが物理の超重要ポイントです!「球が糸がたるむことなくC点に達する」ためには、単に「C点で速さ $v \geqq 0$」ではなく、「最高点Cにおいて糸の張力 $T_{\text{C}} \geqq 0$ であること」が必要です!(最高点Cで張力が $0$ 以上であれば、それより低い位置では速さが大きく重力の向心成分も小さいので、途中のどこでも糸はたるみません)。
【最高点Cでの円運動の運動方程式】
C点において、球には鉛直下向き(円の中心Bに向かう向き)に重力 $mg$ と糸の張力 $T_{\text{C}}$ がはたらきます。
円の半径は $r = \dfrac{l}{4}$ なので、中心Bに向かう向きの運動方程式は:
$$m\frac{v^2}{l/4} = T_{\text{C}} + mg$$
上の運動方程式を $T_{\text{C}}$ について整理し、(3)で求めた $v^2 = g(2h - l)$ を代入します: $$T_{\text{C}} = \frac{4mv^2}{l} - mg = \frac{4mg(2h - l)}{l} - mg = \frac{mg}{l}(8h - 5l)$$ 糸がたるまずにC点に達するための条件は $T_{\text{C}} \geqq 0$ ですから、 $$\frac{mg}{l}(8h - 5l) \geqq 0 \quad \Longleftrightarrow \quad 8h - 5l \geqq 0 \quad \Longleftrightarrow \quad h \geqq \frac{5}{8}l$$
💡 ニックニ先生&Sora先生の「入試採点基準・完全フォロー」
実はこの(4)・(5)には、受験界や過去問解説書(赤本など)で2つの解釈ルートが存在します。どちらの思考プロセスも完璧に理解しておきましょう!
※物理的に厳密かつすべての教科書・問題集で標準とされるのはルートA((4) $\dfrac{5}{8}l$、(5) $6$倍)ですが、
(5) C点に達するために,糸は少なくとも $mg$ の何倍の張力に耐えられる必要があるか。
解説 (5) 糸の張力が最大になる瞬間はどこか?
球が運動している間、糸の張力 $T$ が最大になるのは「球の速さが最大」かつ「円運動の半径が最小($\dfrac{l}{4}$)」で「重力が張力と逆向き(鉛直下向き)にはたらく」瞬間、すなわち最下点Aを通過した直後(釘Bを中心とする半径 $\dfrac{l}{4}$ の円運動に入った直後)です!
高さ $h$ のQ点から放した球が最下点Aを通過するときの速さを $v_{\text{A}}$ とすると、力学的エネルギー保存則より: $$\frac{1}{2}mv_{\text{A}}^2 = mgh \quad \Longleftrightarrow \quad v_{\text{A}}^2 = 2gh$$ 最下点Aを通過した直後、球は釘Bを中心とする半径 $r = \dfrac{l}{4}$ の円運動を始めるので、A点通過直後の糸の張力を $T_{\text{A}}$ とすると、鉛直上向き(中心B向き)の円運動の運動方程式は: $$m\frac{v_{\text{A}}^2}{l/4} = T_{\text{A}} - mg$$ これに $v_{\text{A}}^2 = 2gh$ を代入すると、任意の高さ $h$ に対する最大張力 $T_{\text{A}}$ の式が得られます: $$T_{\text{A}} = mg + \frac{4mv_{\text{A}}^2}{l} = mg + \frac{8h}{l}mg = \left(1 + \frac{8h}{l}\right)mg$$
-
(4)で物理の厳密条件 $h_{\text{min}} = \dfrac{5}{8}l$ を用いた場合:
$$T_{\text{A, min}} = \left(1 + \frac{8}{l} \cdot \frac{5}{8}l\right)mg = (1 + 5)mg = 6mg$$ よって、糸は少なくとも $mg$ の $6$ 倍 の張力に耐えられる必要があります。 -
(4)で市販本別解の $h_{\text{min}} = \dfrac{3}{4}l$ を用いた場合:
$$T_{\text{A, min}} = \left(1 + \frac{8}{l} \cdot \frac{3}{4}l\right)mg = (1 + 6)mg = 7mg$$ この場合は $mg$ の $7$ 倍 となります。
電磁気:平行板コンデンサーへの誘電体挿入と再接続回路
大問IIIはコンデンサーの「極板間隔の変更」「右半分への誘電体挿入(並列接続とみなす!)」「別コンデンサーとの逆向き接続」という、医学部入試で超頻出のフルコース問題です!
一番のポイントは、(2)〜(4)がずっと「電池を切り離した状態(=蓄えられた電気量 $Q_0$ が一定!)」で行われていること!静電エネルギーを比べるときは $U = \dfrac{Q_0^2}{2C}$ を使うと計算が劇的にラクになります。
そして最後の(5)では、図3のコンデンサー2の $+$ と $-$ の向き(下が $+$、上が $-$)に要注意!電気量保存則を立てれば一発で解けますよ!
空気中におかれた極板間隔 $d_0$,極板面積 $S$ の平行板コンデンサー(図1)に,極板間の電圧が $V_0$ となるように電荷を与えた。空気の誘電率は $\varepsilon_0$ とし,極板は十分に広いため周辺部による電場への影響は無視できるものとして,以下の問いに答えよ。
(1) コンデンサーに蓄えられた電気量 $Q_0$ と $V_0$ の関係,および,このときの静電エネルギーの大きさ $U_0$ と $V_0$ の関係を記せ。
解説 (1) 平行板コンデンサーの電気容量 $C_0$ の基本公式
空気の誘電率が $\varepsilon_0$、極板面積が $S$、極板間隔が $d_0$ である平行板コンデンサーの電気容量を $C_0$ とすると、 $$C_0 = \frac{\varepsilon_0 S}{d_0}$$ です。これに電圧 $V_0$ を与えたので、蓄えられた電気量 $Q_0$ は $Q_0 = C_0 V_0$ より: $$Q_0 = \frac{\varepsilon_0 S}{d_0}V_0$$ また、このときの静電エネルギー $U_0$ は $U_0 = \dfrac{1}{2}C_0 V_0^2$ より: $$U_0 = \frac{\varepsilon_0 S}{2d_0}V_0^2$$ よって、答えは $Q_0 = \dfrac{\varepsilon_0 S}{d_0}V_0$ 、$U_0 = \dfrac{\varepsilon_0 S}{2d_0}V_0^2$ です。
次に,このコンデンサーの極板間隔を $d_0$ から $d_1$ に広げた。
(2) 極板間の電圧は $V_0$ の何倍になるか求めよ。
解説 (2) 電気量 $Q_0$ が一定のまま極板間隔を $d_1$ に広げる
極板間隔を $d_0$ から $d_1$ に広げたときの電気容量を $C'$ とすると、 $$C' = \frac{\varepsilon_0 S}{d_1}$$ となります。この操作では極板に蓄えられた電気量 $Q_0$ は一定のまま保たれているので、広げた後の極板間の電圧を $V'$ とすると、$Q_0 = C' V' = C_0 V_0$ が成り立ちます: $$\frac{\varepsilon_0 S}{d_1}V' = \frac{\varepsilon_0 S}{d_0}V_0 \quad \Longleftrightarrow \quad V' = \frac{d_1}{d_0}V_0$$ よって、極板間の電圧は $V_0$ の $\dfrac{d_1}{d_0}$ 倍 になります。
さらに,このコンデンサーの右半分に誘電率 $\varepsilon$ の物質を,蓄えられた電気量に影響がないように挿入した(図2)。ただし,$\varepsilon > \varepsilon_0$ である。この状態のコンデンサーをコンデンサー1と呼ぶ。
(3) コンデンサー1の電気容量 $C_1$ を求めよ。
(4) コンデンサー1の静電エネルギーの大きさ $U_1$ は,$U_0$ と同じであった。$d_1$ は $d_0$ の何倍になるか求めよ。
解説 (3) 左右に分割されたコンデンサーは「並列接続」とみなす!
図2のように、面積 $S$ のコンデンサーの左半分(面積 $\dfrac{S}{2}$)が空気(誘電率 $\varepsilon_0$)、右半分(面積 $\dfrac{S}{2}$)が誘電率 $\varepsilon$ の誘電体で満たされています。
左右の領域はどちらも同じ上極板と下極板につながっている(極板間の電位差が共通である)ため、2つのコンデンサーの並列接続とみなすことができます!
- 左半分(空気、誘電率 $\varepsilon_0$、面積 $\dfrac{S}{2}$、間隔 $d_1$)の電気容量:$C_{\text{左}} = \dfrac{\varepsilon_0 (S/2)}{d_1} = \dfrac{\varepsilon_0 S}{2d_1}$
- 右半分(誘電体、誘電率 $\varepsilon$、面積 $\dfrac{S}{2}$、間隔 $d_1$)の電気容量:$C_{\text{右}} = \dfrac{\varepsilon (S/2)}{d_1} = \dfrac{\varepsilon S}{2d_1}$
並列接続の合成容量は足し算なので、コンデンサー1の電気容量 $C_1$ は、 $$C_1 = C_{\text{左}} + C_{\text{右}} = \frac{\varepsilon_0 S}{2d_1} + \frac{\varepsilon S}{2d_1} = \frac{(\varepsilon_0 + \varepsilon)S}{2d_1}$$ よって、(3)の答えは $C_1 = \dfrac{(\varepsilon_0 + \varepsilon)S}{2d_1}$ です。
解説 (4) 電気量 $Q_0$ が一定で静電エネルギー $U_1 = U_0$ となるとき、電気容量も $C_1 = C_0$!
初めの状態(図1)からコンデンサー1の状態(図2)まで、蓄えられた電気量はずっと $Q_0$ で一定です。
電気量 $Q_0$ を用いて静電エネルギーを表すと、
$$U_0 = \frac{Q_0^2}{2C_0}, \qquad U_1 = \frac{Q_0^2}{2C_1}$$
です。問題文より $U_1 = U_0$ なので、
$$\frac{Q_0^2}{2C_1} = \frac{Q_0^2}{2C_0} \quad \Longleftrightarrow \quad C_1 = C_0$$
すなわち、コンデンサー1の電気容量 $C_1$ は初めの電気容量 $C_0$ と等しいことがわかります!
$C_1 = \dfrac{(\varepsilon_0 + \varepsilon)S}{2d_1}$ と $C_0 = \dfrac{\varepsilon_0 S}{d_0}$ を等号で結ぶと、
$$\frac{(\varepsilon_0 + \varepsilon)S}{2d_1} = \frac{\varepsilon_0 S}{d_0}$$
両辺の $S$ を消去して $d_1$ について解くと、
$$d_1 = \frac{\varepsilon_0 + \varepsilon}{2\varepsilon_0}d_0$$
よって、$d_1$ は $d_0$ の $\dfrac{\varepsilon_0 + \varepsilon}{2\varepsilon_0}$ 倍 になります。
次に,極板間隔 $d_0$ の間に誘電率 $\varepsilon$ の物質を満たした,極板面積 $S$ の平行板コンデンサー2を別に用意した。コンデンサー2の極板間の電圧が $V_0$ となるように電荷を与え,その後,図3に示す配置でコンデンサー1と接続した。なお,図3に示してある $+$ と $-$ の符号は極板に帯電した電荷の正負を表している。
(5) スイッチを閉じた後の,B点を基準としたA点の電位 $V_{\text{AB}}$ を,$\varepsilon_0$ と $\varepsilon$ を用いて表せ。(※ $V_0$ も用いて表す)
解説 (5) スイッチを閉じる前後の「上側極板の孤立部分(A点側)」で電気量保存則を立てよう!
① スイッチを閉じる前の各コンデンサーの電気容量と電気量
-
コンデンサー1:
(4)で見たように、コンデンサー1の電気容量 $C_1$ は初めの電気容量 $C_0$ と等しく、また蓄えられている電気量も初めの $Q_0$ のままです: $$C_1 = C_0 = \frac{\varepsilon_0 S}{d_0}, \qquad Q_1 = Q_0 = \frac{\varepsilon_0 S}{d_0}V_0$$ 図3より、コンデンサー1の上極板は正($+Q_1$)、下極板は負($-Q_1$)に帯電しています。 -
コンデンサー2:
極板間隔 $d_0$、極板面積 $S$ の全体が誘電率 $\varepsilon$ の物質で満たされているので、コンデンサー2の電気容量 $C_2$ は、 $$C_2 = \frac{\varepsilon S}{d_0}$$ これに電圧 $V_0$ となるように電荷を与えたので、蓄えられた電気量 $Q_2$ の大きさは、 $$Q_2 = C_2 V_0 = \frac{\varepsilon S}{d_0}V_0$$ ここで図3の符号をよく見ると、コンデンサー2の上極板は負($-Q_2$)、下極板は正($+Q_2$)に帯電しています!(※ $\varepsilon > \varepsilon_0$ なので $Q_2 > Q_1$ です)。
② スイッチを閉じた後の電気量保存則
スイッチを閉じた後、B点の電位を基準($0\text{ V}$)としたA点の電位を $V_{\text{AB}}$ とおきます。
このとき、コンデンサー1の上極板およびコンデンサー2の上極板の電位はどちらもA点と同じ $V_{\text{AB}}$ であり、下極板の電位はどちらもB点と同じ $0\text{ V}$ です。
したがって、スイッチを閉じた後にコンデンサー1の上極板に蓄えられる電気量を $Q_1'$、コンデンサー2の上極板に蓄えられる電気量を $Q_2'$ とすると、
$$Q_1' = C_1 V_{\text{AB}}, \qquad Q_2' = C_2 V_{\text{AB}}$$
と表せます。
A点につながる上側の2枚の極板(孤立部分)において、スイッチを閉じる前後で電気量の総和が保存される(電気量保存則)ので、 $$\underbrace{Q_1 + (-Q_2)}_{\text{閉じる前の総電気量}} = \underbrace{Q_1' + Q_2'}_{\text{閉じた後の総電気量}}$$ すなわち、 $$Q_1 - Q_2 = (C_1 + C_2)V_{\text{AB}}$$ が成り立ちます!
③ 代入して $V_{\text{AB}}$ を求めよう!
上の式に $C_1 = \dfrac{\varepsilon_0 S}{d_0}$、$C_2 = \dfrac{\varepsilon S}{d_0}$、$Q_1 = \dfrac{\varepsilon_0 S}{d_0}V_0$、$Q_2 = \dfrac{\varepsilon S}{d_0}V_0$ を代入します:
$$V_{\text{AB}} = \frac{Q_1 - Q_2}{C_1 + C_2} = \frac{\dfrac{\varepsilon_0 S}{d_0}V_0 - \dfrac{\varepsilon S}{d_0}V_0}{\dfrac{\varepsilon_0 S}{d_0} + \dfrac{\varepsilon S}{d_0}}$$
分母・分子を共通因数 $\dfrac{S}{d_0}$ で割ると、きれいに約分できて、
$$V_{\text{AB}} = \frac{\varepsilon_0 - \varepsilon}{\varepsilon_0 + \varepsilon}V_0 \quad \left(\text{または } -\frac{\varepsilon - \varepsilon_0}{\varepsilon + \varepsilon_0}V_0\right)$$
となります!($\varepsilon > \varepsilon_0$ なので $Q_2 > Q_1$ となり、A点の電位はB点より低くなるため $V_{\text{AB}} < 0$ となるのも物理的直感と完全に一致していますね!)。
よって、(5)の答えは $V_{\text{AB}} = \dfrac{\varepsilon_0 - \varepsilon}{\varepsilon_0 + \varepsilon}V_0$ です。
🎉 お疲れさまでした!2019年度 東京女子医科大学・物理の全問解説完了です!
大問Iの「熱力学サイクルと単位の明記」、大問IIの「釘による振り子半径の変化と円運動の通過条件」、大問IIIの「電気量一定のコンデンサー操作と電気量保存則」、どれも医学部合格に直結する超重要エッセンスが詰まっていましたね。間違えた設問はもう一度STEP解説を見直して、自分の手でゼロから再現できるようにしておきましょう!応援しています!
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