TMPS化学道場 国際医療福祉大 化学2026
2026年度 一般選抜 全4大問 計算つき計算・構造を全てスクリプトで検算そっくり類題セット

国際医療福祉大学
医学部 化学
2026年度 解答・解説

問題文は掲載できませんが、
解説を読むだけでどんな問題かもわかる!

さらに、そっくり類題PDFを見れば、実際の問題イメージもわかるよ!

各小問を「どういう問題か」から説明し、計算は式を1行も飛ばさずに解説。最後に、本番と同じ4大問の構成で作ったそっくり類題セット(全問解答つき)で、2026年度を丸ごと演習できます。

Sora先生
解説:Sora先生(TMPS医学館) / 更新:2026.10.17 / 読了 約40分

📌 このページの使い方

  1. 過去問集をお持ちの方:本番と同じ60分(理科2科目で120分)で解き、答え一覧で採点してから解説へ
  2. お持ちでない方:各小問の「どういう問題か」を読めば、問題の中身がそのまま分かります
  3. 最後にそっくり類題セット(PDF版あり)を60分で解き、初見でも同じ解き方ができるか確かめる

※ 著作権に配慮し、入試問題の本文・図は掲載していません。解答番号(1〜41)は、本番のマークシートとの対応を示すためのものです。※ 知識で決まる問題(色・捕集法・製法・用語など)と、図を読んで決めた箇所は、スクリプトでは確かめられないため「要確認」を付けています。

⚠️ 問題等で誤りを発見された場合、修正しますので、TMPS医学館までLINEを下さい。(迅速に確認・更新いたします)

LINEで誤りを連絡
SUMMARY

3分で分かる 2026年度の国際医療福祉大の化学

Yuiちゃん
Yuiちゃん
全部マークなのに、60分で足りるでしょうか…。
Sora先生
Sora先生
大問ごとに目標時間を決めておけば大丈夫。第1問は1問1〜2分ずつで12分、残りの48分を3つの大問に配るイメージだよ。
Yuiちゃん
Yuiちゃん
知識問題で迷ったらどうしたらいいですか?
Sora先生
Sora先生
消去法で2分以内に決めて先へ進もう。計算や構造決定は、手を動かせば必ず答えが出るから、そっちに時間を残すのがコツ。
STRATEGY MAP

60分の立ち回りマップ

本番は理科2科目で120分。化学は60分を目安にします。時間はTMPSの目安です。

60分の時間配分。第1問12分、第2問18分、第3問15分、第4問15分
図A 60分の使い方(TMPS作成)
🧭 おすすめの解く順番
第1問 → 第2問 → 第3問 → 第4問(見直しは各大問の最後の1〜2分)
第4問は構造決定で時間がかかりやすいので、第1〜3問を目標時間より早く終えて、15分より多く残す意識を持ちましょう。理科2科目の合計で時間を調整できます。
ANSWERS

本番の答え一覧(採点用)

解説を読む前の採点用です。計算問題はpythonで再計算し、構造決定は全異性体の列挙で確かめています(結果は下の注記)。

第1問(解答番号 1〜8)

1:④2:④3:⑥4:②5:⑤6:⑦7:②8:④

第2問(9〜16)

9:⑧10:⑩11:⑤12:②13:⑧14:④15:⑧16:③

第3問(17〜32)

17:⑥18:①19:②20:①21:③22:⑧23:③24:⑧25:③26:②27:④28:⑥29:⑨30:①31:①32:①

第4問(33〜41)

33:①34:①35:⑤36:④37:④38:③39:①40:②41:⑦
⚠️ 要確認(スクリプトでは確かめられない箇所):第1問(1)(2)(3)(5)(6)の用語・性質の真偽、第2問(1)の気体の捕集法、第3問(2)の酸化物の色、第2問(5)(6)の「膜の並び」の読み取り。知識や図の読みで決めているため、断定せずに「要確認」としています。

※ 検算:計算問題はpythonで有効数字・単位まで再計算し、構造決定はC₆H₁₂のアルケン13種・C₁₁H₁₆Oの芳香族アルコール・C₅H₁₀O₂のエステルを全部列挙して条件で絞り込み、すべて一致しました。

採点したら → 30秒の得点診断へ
第1問 / 目標:12分(問1〜問8、解答番号 1〜8)

第1問 小問集合 ── 知識は消去法、計算と構造は確実に

8つの独立した小問が並びます。1問あたり1〜2分が目安です。知識問題で迷ったら深追いせず、計算・構造の問題に時間を回しましょう。

現場戦略試験会場でのリアルな立ち回り(第1問)
⏱ 目標時間 & 死守ライン目標12分(問1〜3は計4分、問4・5は3分、問6〜8は5分)。問4・7・8の計算と構造は必ず取る。
⚠️ 損切り・警戒ライン問1〜2の「正誤の文」で2分迷ったら、消去法で決めて先へ。問5の呈色反応は3つとも確信が持てなくても、(a)(c)の2つが分かれば絞れる。
💡 初手の思考トリガー問4は電離定数の式を2本立てる、問7は加水分解して生成物ごとに条件を確認、問8は1組あたりの質量を出して比例計算。

問1光に関する文の正誤(解答番号1)

📝 どういう問題か?

各選択肢の文を、1つずつ正誤判定する知識問題。

  • 解答番号1:光(光化学反応・光合成・発光など)に関する6つの文から、誤っているものを1つ選ぶ

正解は④。④は光合成の熱の出入りに関する記述で、光合成は光エネルギーを吸収して進む吸熱反応なので、これと食い違う記述になっている点が誤りです。他の文は、光化学反応や光の利用についての正しい記述です。

🎯 問1の答え
1:④
⚠️ 知識で決める問題なので、機械での検算はできません。「誤りを選ぶ」問題は、まず①から順に○✕を付けて、✕が1つだけになることを確認しましょう 要確認

問2滴定・中和についての3つの文(解答番号2)

📝 どういう問題か?

滴定の操作や指示薬の選び方、沈殿の溶け方についての記述を読み、どれが正しいかを判定する。

  • 解答番号2:3つの文(a)〜(c)のうち正しいものの組合せを選ぶ(「(a)のみ」「(a)と(b)」…の7通り)

(a)(b)は正しい記述。(c)は炭酸バリウムの沈殿が酸に溶けてしまう点を見落とした記述で誤りです。したがって「(a)と(b)」で④。

指示薬の選び方の基本は中和点のpHを見ること。強酸+強塩基は中性、弱酸+強塩基は塩基性(フェノールフタレイン)、強酸+弱塩基は酸性(メチルオレンジ)です。

🎯 問2の答え
2:④
⚠️ 組合せ問題は、1つの文の正誤が分かれば候補が半分に絞れます。(c)の誤りに気づければ、あとは(a)(b)の確認だけです 要確認

問3状態図と状態変化(解答番号3)

📝 どういう問題か?

状態図の読み取りの問題。点の名前と、矢印の向きが「どの状態からどの状態へ」を表すかを結びつけて答える。

  • 解答番号3:状態図の2つの特別な点(三重点・臨界点)、図中の矢印i〜ivが表す状態変化から、「臨界点を表す点」「固体が液体になる変化」「減圧して固体が気体になる変化(フリーズドライの原理)」の組合せを選ぶ(①〜⑧)

状態図は、線をまたぐ向きで状態変化が決まります。三重点は固体・液体・気体が共存する点、臨界点は液体と気体の区別がなくなる点です。

状態図の読み方。固体・液体・気体の領域、三重点、臨界点、昇華曲線・融解曲線・蒸気圧曲線
図B 状態図の読み方(TMPS作成・一般的な形)

本番の図では、臨界点を表す点はY。固体→液体は「圧力を上げて融解曲線を越える」変化の矢印i。減圧して固体→気体は、昇華曲線を越える矢印ivです。→ Y・i・iv の組合せで⑥。

🎯 問3の答え
3:⑥
⚠️ 矢印の向き(図のどちらを向くか)を読み違えると全滅します。答える前に「矢印の根元は何の領域か、先は何の領域か」を口に出して確認しましょう 要確認

問4アラニンの電離平衡(解答番号4)

📝 どういう問題か?

電離定数の式から、各形のモル濃度の比を$[\mathrm{H^+}]$で表して数値を入れる計算問題。

  • 解答番号4:アラニンの2段階の電離定数 $K_1,K_2$ が与えられ、pH 4.0の緩衝液中での「陽イオン:双性イオン:陰イオン」のモル濃度の比を選ぶ(6通り)

双性イオンを基準(=1)にすると、2つの電離定数の式から比がすぐ出ます。

$$K_1=\frac{[\text{双}][\mathrm{H^+}]}{[\text{陽}]}\ \Rightarrow\ \frac{[\text{陽}]}{[\text{双}]}=\frac{[\mathrm{H^+}]}{K_1}=\frac{10^{-4.0}}{10^{-2.3}}=10^{-1.7}=2.0\times10^{-2}$$
$$K_2=\frac{[\text{陰}][\mathrm{H^+}]}{[\text{双}]}\ \Rightarrow\ \frac{[\text{陰}]}{[\text{双}]}=\frac{K_2}{[\mathrm{H^+}]}=\frac{10^{-9.7}}{10^{-4.0}}=10^{-5.7}=2.0\times10^{-6}$$

よって比は $2.0\times10^{-2}:1:2.0\times10^{-6}$ で②。($10^{0.3}=2$ を使うと数値が出ます。)

🎯 問4の答え
4:②
Yuiちゃん
Yuiちゃん
陽イオンと陰イオン、どっちが$K$の分子でどっちが分母か、いつも迷います…。
Sora先生
Sora先生
「陽イオン→双性イオン」は$\mathrm{H^+}$が1つ取れる反応だから、$K_1$の分子に双性イオン。この向きだけ覚えれば、pHが下がるほど陽イオンが増えることとも合うよ。

問5トリペプチドの性質(解答番号5)

📝 どういう問題か?

アミノ酸の側鎖の性質(硫黄・酸性基)と、pHによる電荷の向きを使って正誤を判定する。

  • 解答番号5:グルタミン酸・フェニルアラニン・システインがつながったトリペプチドについて、3つの文(a)〜(c)(黒色沈殿・電気泳動・呈色反応)のうち正しいものの組合せを選ぶ

(a) システインは硫黄を含むので、水酸化ナトリウムで加熱後に酢酸鉛(II)を加えると硫化鉛(II)の黒色沈殿ができます。正しい。

(b) pH 10では、グルタミン酸の側鎖とC末端の2つのカルボキシ基が電離して負に帯電し、N末端のアミノ基は電離が進んで電荷が小さくなるため、全体では負に帯電します。電気泳動では陽極側へ動くので、「陰極側へ移動」は誤りです。

(c) ペプチド結合が2個以上あればビウレット反応(赤紫色)を示します。トリペプチドは結合が2個なので正しい。

→ (a)と(c)で⑤。

🎯 問5の答え
5:⑤
⚠️ (b)は、pHと等電点の関係を式で追わなくても「酸性アミノ酸を含む→アルカリ性では負」と考えれば決まります。pKaを幅広く振っても、負の向きは変わらないことを確かめています 要確認

問6エンタルピーとエントロピー(解答番号6)

📝 どういう問題か?

用語の定義を2つ並べて確認する知識問題。

  • 解答番号6:反応が自発的に進む方向について、「エンタルピー」「エントロピー」の組合せ(各「増加」か「減少」か)を選ぶ

反応が自発的に進みやすいのは、エンタルピーが減少(熱を出して安定になる)し、エントロピーが増加(乱雑さが増える)する方向です。この組合せが⑦。

🎯 問6の答え
6:⑦
⚠️ 「エントロピー=乱雑さ」「エンタルピー=熱の出入り」と、言葉と中身を先に結びつけておけば、30秒で決まります 要確認

問7C₅H₁₀O₂ のエステルの構造(解答番号7)

📝 どういう問題か?

加水分解して、生成物ごとに条件を確かめる構造決定。

  • 解答番号7:分子式 $\mathrm{C_5H_{10}O_2}$ のエステルのうち、3つの条件(加水分解生成物に銀鏡反応を示すものがない・ヨードホルム反応を示すものがある・第一級アルコールが生じる)をすべて満たすものを選ぶ(8通り)

エステルを加水分解すると「カルボン酸」と「アルコール」に分かれます。条件を1つずつ当てます。

銀鏡反応を示すものがない:ギ酸エステルは、生じるギ酸が銀鏡反応を示すので不適。ヨードホルム反応を示すものがある:生じるアルコールがエタノール($\mathrm{CH_3CH_2OH}$)や $\mathrm{CH_3CH(OH){-}}$ をもつものなら陽性。第一級アルコールが生じる:酸化するとアルデヒドになるアルコール。

3つがそろうのは、プロピオン酸とエタノールになる $\mathrm{CH_3CH_2COOCH_2CH_3}$(プロピオン酸エチル)だけで、番号は②。

🎯 問7の答え
7:②
⚠️ 選択肢の中には、エステルでなくカルボン酸の構造が混ざっています。加水分解しないものは先に除きましょう。

問8イオン交換樹脂の質量(解答番号8)

📝 どういう問題か?

スチレン部分の物質量を出し、スルホン化で質量がどれだけ増えるかを足す計算問題。

  • 解答番号8:スチレンとp-ジビニルベンゼンを5:1で共重合した樹脂5.0 gのスチレン部分のベンゼン環の80%をスルホン化したとき、得られる陽イオン交換樹脂の質量を選ぶ(6通り)

スチレン5個とジビニルベンゼン1個で1組とします。1組の質量は $5\times104+130=650$。5.0 gには $5.0/650$ 組あり、スチレン部分は5倍の物質量です。

$$n_{\text{スチレン}}=\frac{5.0}{650}\times5=0.0385\ \mathrm{mol},\quad n_{\text{スルホン化}}=0.0385\times0.80=0.0308\ \mathrm{mol}$$

ベンゼン環のHを $\mathrm{SO_3H}$ に置き換えると、1個あたり $81-1=80$ 増えます。

$$5.0+0.0308\times80=7.46\ \text{g}\ \approx\ 7.5\ \text{g}$$
🎯 問8の答え
8:④
Sora先生の総整理表

第1問:8問の型

問型着眼点
問1・2・3知識・図読み正誤を1つずつ○✕。状態図は矢印の根元と先の領域を確認
問4電離平衡$K_1,K_2$ の式を立て、$[\mathrm{H^+}]/K_1$ と $K_2/[\mathrm{H^+}]$ を計算
問5ペプチドの性質硫黄→黒色沈殿、酸性基→アルカリ性で負、ビウレットは結合2個以上
問6用語エンタルピー減少・エントロピー増加
問7構造決定加水分解して生成物ごとに条件確認。ギ酸エステルは銀鏡反応
問8質量計算1組あたりの質量→物質量→増加分(1個あたり+80)
TMPSコーチング診断

🩺【自己診断】第1問で手が止まった人への処方箋

  • 問1〜3知識問題で3分以上悩む → 消去法で決めて先へ。ここで時間を失うと計算問題が崩れる
  • 問4比がうまく出ない → 双性イオンを1にして、$K_1$・$K_2$ の式を1本ずつ書く。$10^{0.3}=2$ を使う
  • 問5(b)の電荷が決められない → 酸性基が多ければアルカリ性で負、塩基性基が多ければ酸性で正
  • 問7構造が決められない → 加水分解して、生成物を1つずつ「銀鏡?ヨードホルム?第一級?」で判定
  • 問8質量が合わない → ジビニルベンゼンの分も入れた「1組の質量」で割る。増加は1個あたり80
第2問 / 目標:18分(問1〜問6、解答番号 9〜16)

第2問 電気分解 ── 電極反応を先に決め、膜は「イオンの通り道」で追う

4種類の電解槽、リチウムイオン電池による食塩電解、そして陽・陰イオン交換膜を交互に並べた5つの槽。電気量とイオンの物質量を、同じ単位(mol)に揃えるのが全体を貫くコツです。

現場戦略試験会場でのリアルな立ち回り(第2問)
⏱ 目標時間 & 死守ライン目標18分(問1・2で4分、問3・4で6分、問5・6で8分)。問3・4は計算が一本道なので落とさない。
⚠️ 損切り・警戒ライン問5・6のイオン移動で整理がつかなければ、問6を後回しにして問5のpH(陰極の生成物から出る)だけ先に取る。
💡 初手の思考トリガー最初の一手は各電解槽の陽極・陰極で何が出るかを表にすること。問1〜2がそのまま取れ、問3〜6の土台にもなる。

本番の実験は4つ。実験1:炭素電極の4つの電解槽(塩化銅(II)・ヨウ化カリウム・硫酸ナトリウム・硝酸銀の各水溶液)を電気分解。実験2:陽イオン交換膜で仕切った食塩電解槽の電流を、発生した水素の体積から求め、リチウムイオン電池の正極の質量増加と結びつける。実験3:同じ装置で、毎分の水酸化ナトリウムの生成量から電流を比べる。実験4:陽・陰のイオン交換膜を交互に並べた5つの槽での電気分解。

Sora先生の総整理表

実験1:4つの電解槽の電極反応

槽陰極陽極ポイント
A 塩化銅(II)$\mathrm{Cu}$$\mathrm{Cl_2}$$\mathrm{Cu^{2+}}$ は水より還元されやすい
B ヨウ化カリウム$\mathrm{H_2}$$\mathrm{I_2}$$\mathrm{I^-}$ は水より酸化されやすく、水素が出る($\mathrm{K^+}$ は還元されない)
C 硫酸ナトリウム$\mathrm{H_2}$$\mathrm{O_2}$水の電気分解(イオンは反応しない)
D 硝酸銀$\mathrm{Ag}$$\mathrm{O_2}$$\mathrm{Ag^+}$ が析出、陽極は水の酸化

問1電極から出る気体と捕集法(解答番号9・10)

📝 どういう問題か?

上の表を使って、電極反応から気体の種類を決め、捕集法に結びつける。

  • 解答番号9(空欄ア):陰極から発生し、上方置換で捕集できる気体を出す電解槽の組合せ
  • 解答番号10(空欄イ):陽極から酸素を発生する電解槽の組合せ(酸素は塩素酸カリウムの熱分解でも得られる気体)。選択肢は ①Aのみ〜⑩CとD の10通り

ア:陰極から出る気体で上方置換(空気より軽く水に溶けにくい)が使えるのは水素。陰極で水素が出るのはBとCで、番号は⑧。

イ:陽極から酸素が出るのはCとDで、⑩。

🎯 問1の答え
9:⑧10:⑩
⚠️ 気体の捕集法(上方・下方・水上)は知識問題です。水素は軽いので上方置換、水に溶けにくいので水上置換も可 要確認

問2陰極と陽極の生成物の物質量の比(解答番号11)

📝 どういう問題か?

電子1 molあたりの生成物の物質量を、電極ごとに出して比べる。

  • 解答番号11:陰極と陽極で生成する単体の物質量の比が1:1になる電解槽を選ぶ

電子2 molあたりの物質量は、$\mathrm{Cu}$ 1 mol、$\mathrm{Cl_2}$ 1 mol、$\mathrm{H_2}$ 1 mol、$\mathrm{I_2}$ 1 mol、$\mathrm{O_2}$ 0.5 mol、$\mathrm{Ag}$ 2 mol。比を出すと、Aは $\mathrm{Cu}:\mathrm{Cl_2}=1:1$、Bは $\mathrm{H_2}:\mathrm{I_2}=1:1$、Cは $\mathrm{H_2}:\mathrm{O_2}=2:1$、Dは $\mathrm{Ag}:\mathrm{O_2}=4:1$。→ AとBで⑤。

🎯 問2の答え
11:⑤

問3電流から求めるリチウムの質量増加(解答番号12・13)

📝 どういう問題か?

発生した水素の体積から電子の物質量を出し、それが正極でとりこまれる $\mathrm{Li^+}$ の質量に等しいことから答える。

  • 解答番号12・13:実験2の電解で、リチウムイオン電池の正極活物質の質量の増加が「0.[12][13] g」の形になる。1桁ずつ①〜⑩から数字を選ぶ
  • 放電時の正極反応(電子1 molにつき $\mathrm{Li^+}$ 1 molが入る)が与えられている
$$n(\mathrm{H_2})=\frac{0.448}{22.4}=0.0200\ \mathrm{mol},\qquad n(\mathrm{e^-})=2\times0.0200=0.0400\ \mathrm{mol}$$
$$\Delta m=0.0400\times6.94=0.2776\ \mathrm{g}\ \approx\ 0.28\ \mathrm{g}$$

よって 0.28 g。12=2(②)、13=8(⑧)。

🎯 問3の答え
12:②13:⑧

問42つの電流の比(解答番号14)

📝 どういう問題か?

2つの実験の電気量を、どちらも「流れた電子の物質量」に直して比べる。

  • 解答番号14:実験2(水素の体積から)と実験3(毎分の水酸化ナトリウムの生成量から)の電流 $I_\mathrm{A}$ と $I_\mathrm{B}$ の比 $I_\mathrm{B}/I_\mathrm{A}$ を選ぶ(6通り)
$$I_\mathrm{A}=\frac{0.0400\times9.65\times10^{4}}{33\times60+20}=\frac{3860}{2000}=1.93\ \mathrm{A}$$
$$I_\mathrm{B}=\frac{(0.12/40.0)\times9.65\times10^{4}}{60}=\frac{3.0\times10^{-3}\times9.65\times10^{4}}{60}=4.83\ \mathrm{A}$$
$$\frac{I_\mathrm{B}}{I_\mathrm{A}}=\frac{4.825}{1.930}=2.5$$
🎯 問4の答え
14:④

問5第V槽のpH(解答番号15)

📝 どういう問題か?

陰極の槽で生成する水酸化物イオンの量から、pHを求める。

  • 解答番号15:実験4(5つの槽、電子0.18 molを流す)の電気分解後の第V槽のpHを選ぶ(8通り)。体積変化は無視してよい

膜のしくみ:陽イオン交換膜は陽イオンだけ、陰イオン交換膜は陰イオンだけを通します。電気分解の間、陽イオンは陰極へ、陰イオンは陽極へ動きます。

イオン交換膜の考え方。陽イオン交換膜はNa+を陰極側へ通し、陰イオン交換膜はCl-を陽極側へ通す
図C イオン交換膜のしくみ(TMPS作成)

第V槽は陰極(鉄)。$2\mathrm{H_2O}+2\mathrm{e^-}\to\mathrm{H_2}+2\mathrm{OH^-}$ で、電子0.18 molで $\mathrm{OH^-}$ が0.18 mol生じます。第V槽の隣は陽イオン交換膜で、$\mathrm{Na^+}$ が入ってきて電気的な釣り合いが取れます。体積は1.0 Lなので

$$[\mathrm{OH^-}]=0.18\ \mathrm{mol/L},\qquad \mathrm{pH}=14+\log_{10}0.18=14+(0.30+0.96-2)=13.26\approx13.3$$
🎯 問5の答え
15:⑧
⚠️ 膜の並び(陰・陽・陰・陽)は図から読み取っています 要確認。読み違えると問5・6が一緒に崩れるので、図を見るときは「陽極側から順に、陽か陰か」を声に出して確かめましょう。

問6第I槽・第IV槽の濃度変化(解答番号16)

📝 どういう問題か?

各膜でどのイオンが何mol動くかを追い、槽ごとの $\mathrm{Na^+}$ と $\mathrm{Cl^-}$ の出入りを数える。

  • 解答番号16:電気分解で第I槽と第IV槽の塩化ナトリウム水溶液のモル濃度が「変化しない/増加する/減少する」のどれになるかの組合せ(9通り)

流れた電子0.18 molと同じ量の電気が、膜を通るイオンによって運ばれます(陽イオンなら $\mathrm{Na^+}$ 0.18 mol、陰イオンなら $\mathrm{Cl^-}$ 0.18 mol)。

第I槽(陽極):$\mathrm{Cl^-}$ が陽極で0.18 mol消費される。一方、隣の第II槽との間は陰イオン交換膜で、第II槽から $\mathrm{Cl^-}$ が0.18 mol入る。$\mathrm{Na^+}$ は動かない。→ 塩化ナトリウムの量は変化しない。

第IV槽:第III槽との間は陰イオン交換膜で $\mathrm{Cl^-}$ が0.18 mol出ていき、第V槽との間は陽イオン交換膜で $\mathrm{Na^+}$ が0.18 mol出ていく。→ 減少する。

→ 第I槽は変化しない、第IV槽は減少するで③。

🎯 問6の答え
16:③
Yuiちゃん
Yuiちゃん
膜が5つの槽にどう効くのか、頭の中でぐちゃぐちゃになります…。
Sora先生
Sora先生
槽ごとに「Na⁺の出入り」「Cl⁻の出入り」を別々の表に書こう。陽極の槽だけは電極反応でCl⁻が減るのを忘れずに。最後に、全部の槽でNa⁺の合計とCl⁻の合計が合うか確かめられるよ。
Sora先生の総整理表

第2問:電気分解の型

問型着眼点
問1・2電極反応陰極・陽極の生成物を表にする。ヨウ化物イオンは水より酸化されやすい
問3電気量→質量$\mathrm{H_2}$ 1 molで電子2 mol、電子1 molで $\mathrm{Li^+}$ 1 mol
問4電流の比較2つの実験とも「電子の物質量」に直してから $I=Q/t$
問5pH陰極の槽の $\mathrm{OH^-}$ の物質量から。陽イオン交換膜側から $\mathrm{Na^+}$ が入る
問6膜とイオンの移動陽イオンは陰極へ、陰イオンは陽極へ。槽ごとの出入りを数える
TMPSコーチング診断

🩺【自己診断】第2問で手が止まった人への処方箋

  • 問1・2電極反応が出ない → 水溶液中の陽イオン・陰イオンと水を比べる。Cu・Agは析出、アルカリ金属・硫酸イオンは反応しない
  • 問3質量が合わない → 電子の物質量が基準。H₂ 1 mol = 電子2 mol。正極では電子1 molにつき Li⁺ 1 mol
  • 問4電流の比が合わない → 実験3は「毎分」なので60秒で割る。NaOHの式量は40.0
  • 問5pHが合わない → 陰極の槽の OH⁻ の物質量(電子と同数)を、体積で割ってから $14+\log$
  • 問6濃度の変化を決められない → 槽ごとにNa⁺・Cl⁻の出入りを書き、陽極の槽のCl⁻の減少も忘れない
第3問 / 目標:15分(問1〜問6、解答番号 17〜32)

第3問 銅 ── 無機の知識と、結晶・反応式・平衡の計算

銅を題材に、周期表と結晶格子、希硝酸との反応式、酸化物の混合物の定量、アンモニア錯イオンの平衡と、解答番号が16個と最も多い大問です。1桁ずつの欄が多いので、計算結果をそのまま数字に分けて答えます。

現場戦略試験会場でのリアルな立ち回り(第3問)
⏱ 目標時間 & 死守ライン目標15分(問1〜2で2分、問3で4分、問4で2分、問5・6で7分)。問1〜5は式が一本道なので確実に取る。
⚠️ 損切り・警戒ライン問6は連立の式が重いので、時間が足りなければ最後に回す。答えの桁数(有効数字2桁)だけは先に分かる。
💡 初手の思考トリガー最初の一手は問4の反応式の係数(元素ごとの保存で決まる)と問3の格子の原子数。ここで解答番号が一気に埋まる。

問1銅の族と、同じ族に属さない元素(解答番号17)

📝 どういう問題か?

周期表の位置の知識問題。

  • 解答番号17:銅が属する周期表の族の数字と、その族に属さない元素の組合せ(数字×元素の9通り)

銅は11族(銅・銀・金)。選択肢の元素のうち、同じ11族に属さないのは白金(10族)です。→ ⑥。

🎯 問1の答え
17:⑥

問2銅の酸化物の色(解答番号18)

📝 どういう問題か?

銅の酸化物の色を覚えているかを問う知識問題。

  • 解答番号18:2種類の銅の酸化物(酸化銅(II)と酸化銅(I))の色の組合せを選ぶ

酸化銅(II) $\mathrm{CuO}$ は黒色、酸化銅(I) $\mathrm{Cu_2O}$ は赤色です。→ ①。

🎯 問2の答え
18:①
⚠️ 色は暗記です。機械では確かめられないので、確認のうえで覚えましょう(銅の酸化物は、加熱すると $\mathrm{CuO}$ が黒く、$\mathrm{Cu_2O}$ は赤いレンガ色)要確認

問3面心立方格子と原子半径(解答番号19〜22)

📝 どういう問題か?

銅は面心立方格子。格子の対角線に原子が接していることから、半径を一辺で表す。

  • (i) 解答番号19:銅の単位格子の名称と、単位格子に含まれる原子の数の組合せ(9通り)
  • (ii) 解答番号20〜22:単位格子の一辺 $a=3.6\times10^{-8}$ cm のとき、銅の原子半径が「[20].[21]×10^{-[22]} cm」の形になる。$\sqrt2=1.41$

(i) 頂点8個(各1/8)と面の中心6個(各1/2)で、含まれる原子は $8\times\frac18+6\times\frac12=4$ 個。→ 面心立方格子・4個で②。

(ii) 面の対角線(長さ $\sqrt2\,a$)に沿って原子3個分(半径の4倍)が接しています。

面心立方格子の1つの面。面の対角線の長さは一辺の√2倍で、原子半径の4倍に等しい
図D 面心立方格子(TMPS作成)
$$\sqrt2\,a=4r\ \Rightarrow\ r=\frac{\sqrt2\,a}{4}=\frac{1.41\times3.6\times10^{-8}}{4}=1.27\times10^{-8}\ \mathrm{cm}\approx1.3\times10^{-8}\ \mathrm{cm}$$

→ 20=1(①)、21=3(③)、22=8(⑧)。

🎯 問3の答え
19:②20:①21:③22:⑧

問4銅と希硝酸の反応式の係数(解答番号23〜27)

📝 どういう問題か?

電子の授受と元素の保存から、係数を決める。

  • 解答番号23〜27:銅が希硝酸に溶けて、硝酸銅(II)・一酸化窒素・水ができる反応式の5つの係数を、①〜⑨から選ぶ(係数1は①)

半反応で考えます。

$$\mathrm{Cu}\to\mathrm{Cu^{2+}}+2\mathrm{e^-},\qquad \mathrm{NO_3^-}+4\mathrm{H^+}+3\mathrm{e^-}\to\mathrm{NO}+2\mathrm{H_2O}$$

電子を合わせるため、前者を3倍、後者を2倍して足すと、

$$3\,\mathrm{Cu}+8\,\mathrm{HNO_3}\longrightarrow3\,\mathrm{Cu(NO_3)_2}+2\,\mathrm{NO}+4\,\mathrm{H_2O}$$

→ 23=3(③)、24=8(⑧)、25=3(③)、26=2(②)、27=4(④)。

🎯 問4の答え
23:③24:⑧25:③26:②27:④

問5酸化物の混合物の質量パーセント(解答番号28・29)

📝 どういう問題か?

質量の減少が「放出された酸素」であることから、$\mathrm{CuO}$ の量を逆算する。

  • 解答番号28・29:酸化銅(II)と酸化銅(I)の混合物4.61 gを加熱すると、酸素が放出されて質量が減る。もとの混合物に含まれる酸化銅(II)の質量パーセントを、1桁ずつ①〜⑩から数字を選んで答える

加熱では $4\mathrm{CuO}\to2\mathrm{Cu_2O}+\mathrm{O_2}$ が起こり、質量の減少が放出された酸素 $\mathrm{O_2}$ に当たります。

$$n(\mathrm{O_2})=\frac{4.61-4.29}{32.0}=0.0100\ \mathrm{mol},\quad n(\mathrm{CuO})=4\times0.0100=0.0400\ \mathrm{mol}$$
$$\frac{0.0400\times79.5}{4.61}\times100=68.98\approx69\ \%$$

→ 28=6(⑥)、29=9(⑨)。

🎯 問5の答え
28:⑥29:⑨

問6アンモニア錯イオンの平衡と全アンモニア量(解答番号30〜32)

📝 どういう問題か?

平衡定数の式から $[\mathrm{NH_3}]$ を出し、錯イオン1個に含まれるアンモニア4個を足す。

  • 解答番号30〜32:銅(II)イオンにアンモニアを加えてできる錯イオンについて、錯イオンと銅(II)イオンの濃度比と平衡定数 $K=8.0\times10^{12}$ が与えられ、溶液中のアンモニア分子と錯イオン中のアンモニアの物質量の合計を「[30].[31]×10^{-[32]} mol」の形で答える

錯イオンの濃度比が $2.0\times10^{8}$ なので、$K=\dfrac{[\text{錯}]}{[\mathrm{Cu^{2+}}][\mathrm{NH_3}]^4}$ から

$$[\mathrm{NH_3}]^4=\frac{2.0\times10^{8}}{8.0\times10^{12}}=2.5\times10^{-5}\ \Rightarrow\ [\mathrm{NH_3}]=0.0707\ \mathrm{mol/L}$$

銅(II)の総量が $1.0\times10^{-2}$ mol で、ほぼすべてが錯イオンなので、錯イオン中のアンモニアは $4\times1.0\times10^{-2}=0.040$ mol。体積を1.0 Lとして

$$0.0707+0.040=0.1107\approx1.1\times10^{-1}\ \mathrm{mol}$$

→ 30=1(①)、31=1(①)、32=1(①)。

🎯 問6の答え
30:①31:①32:①
Yuiちゃん
Yuiちゃん
4乗根は電卓がないとどうするんですか?
Sora先生
Sora先生
$2.5\times10^{-5}=25\times10^{-6}$ と書き直して、$\sqrt{\sqrt{25}}$ に近づけよう。まず $\sqrt{25\times10^{-6}}=5\times10^{-3}$、それの平方根が $\sqrt{5}\times10^{-1.5}$… とやると、0.07 くらいと見当がつくよ。選択肢の差が大きければ、概算で十分だよ。
Sora先生の総整理表

第3問:銅の型

問型着眼点
問1・2知識銅は11族。$\mathrm{CuO}$ は黒、$\mathrm{Cu_2O}$ は赤
問3結晶格子面心立方:原子4個。面の対角線 $\sqrt2\,a=4r$
問4反応式半反応で電子を合わせる(Cu×3、NO₃⁻×2)
問5混合物の定量質量減少=放出された O₂。$4\mathrm{CuO}\to2\mathrm{Cu_2O}+\mathrm{O_2}$
問6錯イオンの平衡$[\mathrm{NH_3}]^4=(\text{比})/K$。錯イオン1個にNH₃が4個
TMPSコーチング診断

🩺【自己診断】第3問で手が止まった人への処方箋

  • 問3半径が合わない → 面心立方は「面の対角線」に原子3個。体対角線ではない
  • 問4係数が合わない → 半反応で電子数をそろえてから足す。最後に原子数を左右で確認
  • 問5割合が合わない → 質量減少は O₂ の質量。CuO の物質量はその4倍
  • 問64乗根で止まる → $[\mathrm{NH_3}]^4=2.5\times10^{-5}$。概算で0.07と見当をつけて、選択肢と比べる
  • 1桁ずつの欄桁がずれる → 先に有効数字2桁の数値を書いてから、1桁ずつ番号に直す
第4問 / 目標:15分(問1〜問6、解答番号 33〜41)

第4問 アルケンの構造決定 ── データを順に当てはめ、A〜Dを決める

分子式 $\mathrm{C_6H_{12}}$ のアルケン4種類A〜Dについて、水素付加・水付加・オゾン分解のデータから構造を決めていきます。最後の問6は、芳香族アルコールKから始まる反応の流れ(K〜Q)です。データを当てはめる順番がすべてです。

現場戦略試験会場でのリアルな立ち回り(第4問)
⏱ 目標時間 & 死守ライン目標15分(問1で2分、問2〜5で8分、問6で5分)。問1の計算は必ず取る。
⚠️ 損切り・警戒ライン問6は反応の流れが長いので、時間が足りなければK〜Qを全部決めずに、文(a)〜(e)のうち確信のある2つ((b)(e))から答える。
💡 初手の思考トリガー最初の一手は問2のE。AとBに水素を付加すると同じ化合物になる → 直鎖か分枝かが決まり、A・Bの候補が一気に絞れる。

問1燃焼に必要な酸素の体積(解答番号33・34)

📝 どういう問題か?

燃焼の反応式と、気体の状態方程式を使う計算問題。

  • 解答番号33・34:4.2 gの $\mathrm{C_6H_{12}}$ を完全燃焼させるのに必要な酸素の体積を、温度・圧力が与えられた条件で「[33][34] L」の形で答える
$$\mathrm{C_6H_{12}}+9\,\mathrm{O_2}\to6\,\mathrm{CO_2}+6\,\mathrm{H_2O},\qquad n(\mathrm{C_6H_{12}})=\frac{4.2}{84.0}=0.050\ \mathrm{mol}$$
$$n(\mathrm{O_2})=0.050\times9=0.450\ \mathrm{mol},\qquad V=\frac{nRT}{P}=\frac{0.450\times8.31\times10^{3}\times303}{1.01\times10^{5}}=11.2\to11\ \mathrm{L}$$

→ 33=1(①)、34=1(①)。

🎯 問1の答え
33:①34:①

問2化合物Eの構造(解答番号35)

📝 どういう問題か?

水素付加で炭素骨格が決まる。一塩素置換体の数=水素原子の種類の数。

  • 解答番号35:AとBに水素を付加すると同じ化合物Eになり、Eの水素原子1個を塩素に置換した化合物は3種類。Eの構造を選ぶ(5通り)

$\mathrm{C_6H_{12}}$ の鎖状アルケンは、立体を区別しなければ13種類あります。そのうち、水素付加で同じアルカンになるアルケンが2種類以上あり、しかも一塩素置換体が3種類になるのはヘキサンだけです(2,2-ジメチルブタンも一塩素置換体は3種類ですが、水素付加でそれになるアルケンは1種類しかない)。→ E=ヘキサンで⑤。

🎯 問2の答え
35:⑤

問3F・G・Hのうち不斉炭素をもつもの(解答番号36)

📝 どういう問題か?

水付加の生成物の違い(マルコフニコフ則)からA・Bを決め、アルコールの構造を決めて不斉炭素を数える。

  • 解答番号36:水付加で得られるアルコールF・G・Hのうち、不斉炭素原子をもつ組合せを選ぶ(6通り)

AとBは1-ヘキセンと2-ヘキセンのどちらか。2-ヘキセンは二重結合の両側の炭素の水素数が同じなので、水付加で2種類(2-ヘキサノールと3-ヘキサノール)が同程度にできます。1-ヘキセンはマルコフニコフ則で、主生成物が2-ヘキサノール、副生成物が1-ヘキサノールです。

よって A=2-ヘキセン、B=1-ヘキセン、F=3-ヘキサノール、G=2-ヘキサノール、H=1-ヘキサノール。不斉炭素は、Fの3位(4つの異なる基)、Gの2位にあり、Hにはありません。→ FとGで④。

🎯 問3の答え
36:④

問4オゾン分解で得られるIの性質(解答番号37)

📝 どういう問題か?

実験3のデータからIを決め、Iの製法・性質の知識を当てはめる。

  • 解答番号37:C・Dのオゾン分解で得られる化合物Iに関する6つの文から、適切なものを選ぶ

実験3の手がかりから、Iはアセトンと決まります。すると、オゾン分解でアセトンだけを生じるDは 2,3-ジメチル-2-ブテン、アセトンともう1つの化合物(プロパナール)を生じるCは 2-メチル-2-ペンテンです。

アセトンは酢酸カルシウムの乾留で得られます。→ ④。他の文は、1-プロパノールの酸化(プロパナール)、2-ブタノールの酸化(2-ブタノン)、ホルマリン(ホルムアルデヒド)、エチレンの酸化(アセトアルデヒド)、一酸化炭素と水酸化ナトリウム(ギ酸)に関するもので、アセトンには当てはまりません。

🎯 問4の答え
37:④
⚠️ 製法の知識は暗記です。アセトンは「酢酸カルシウムの乾留」「2-プロパノールの酸化」「クメン法の副生」の3つを覚えておきましょう 要確認

問5Cの構造式の空欄(解答番号38〜40)

📝 どういう問題か?

Cの構造を決めて、図の空欄の位置と一致させる。

  • 解答番号38〜40:Cの構造式の中の3つの空欄ア・イ・ウに入る基を、①〜⑤(H・CH₃・CH₂CH₃・CH₂CH₂CH₃・CH(CH₃)₂)から選ぶ。2つの空欄の基が異なるときは、原子量の和が大きい方を指定の位置に入れる

C=2-メチル-2-ペンテン $\mathrm{CH_3CH_2CH{=}C(CH_3)_2}$。二重結合の片方の炭素には $\mathrm{CH_3}$ が2つ、もう片方には $\mathrm{CH_2CH_3}$ と $\mathrm{H}$ が付きます。

空欄の位置の指定に従って、ア=$\mathrm{CH_2CH_3}$(③)、イ=$\mathrm{H}$(①)、ウ=$\mathrm{CH_3}$(②)。

🎯 問5の答え
38:③39:①40:②

問6芳香族アルコールの反応の流れ(解答番号41)

📝 どういう問題か?

Kの構造を条件から決め、順に生成物を追って、各文を判定する。

  • 解答番号41:芳香族アルコールK($\mathrm{C_{11}H_{16}O}$)から、脱水・オゾン分解・還元・脱水・水付加と続く反応の流れの化合物L〜Qについて、5つの文(a)〜(e)のうち正しいものの組合せを選ぶ(10通り)

Kの条件(芳香族一置換体・不斉炭素あり・Naで気体・脱水でL)を満たす構造は全異性体の中で1つだけで、$\mathrm{C_6H_5CH_2CH(OH)CH(CH_3)_2}$ です。ザイツェフ則で脱水すると $L=\mathrm{C_6H_5CH_2CH{=}C(CH_3)_2}$。

Lのオゾン分解で、M=フェニルアセトアルデヒド $\mathrm{C_6H_5CH_2CHO}$ とN=アセトン。Mを還元してO=2-フェニルエタノール、脱水してP=スチレン、水付加でQ=1-フェニルエタノール(主生成物)。

各文の判定です。(a)=Kのアルコールの級:Kは第二級なので誤り。(b)=Nの別の生成法:アセトンはプロピンへの水の付加(エノールがケトンに変わる)でも得られるので正しい。(c)=Pの重合の種類:スチレンは付加重合でポリスチレンになるので誤り。(d)=Qの不斉炭素:1-フェニルエタノールは不斉炭素をもつので誤り。(e)=ヨードホルム反応が陽性の数:アセトン(N)と1-フェニルエタノール(Q)の2つで、正しい。

→ (b)と(e)で⑦。

🎯 問6の答え
41:⑦
Sora先生の総整理表

第4問:構造決定の流れ

問型着眼点
問1燃焼の量計算$\mathrm{C_6H_{12}}+9\mathrm{O_2}$。物質量→体積
問2水素付加と置換体の数Eの一塩素置換体の数=水素の種類の数
問3水付加・不斉炭素二重結合の両端のH数でマルコフニコフ則。不斉炭素は4つの異なる基
問4オゾン分解対称なアルケンは1種類のカルボニル化合物。Iの性質を知識で
問5構造式の空欄C=2-メチル-2-ペンテン。指定の位置に当てはめる
問6反応の流れKを全異性体から1つに決め、L〜Qを順に追う
TMPSコーチング診断

🩺【自己診断】第4問で手が止まった人への処方箋

  • 問1体積が合わない → 物質量は 4.2/84.0。酸素は9倍。温度は絶対温度に直す
  • 問2Eが決まらない → AとBが同じEになる=炭素骨格が同じ。一塩素置換体の数は水素の種類で数える
  • 問3不斉炭素が数えられない → 4つの異なる基が付いた炭素を探す。ヘキサノールは2位と3位に注意
  • 問4Iが決まらない → Dはオゾン分解で1種類だけ。対称な構造から決める
  • 問6反応の流れが長くて混乱する → K→L→(M,N)→O→P→Qの順に1つずつ書き出す。(e)はヨードホルムの構造の数え上げ
TMPS ORIGINAL

国際医療福祉大2026型 そっくり類題セット
(全4大問・解答解説つき)

2026年度の本番と同じ4大問・同じ解答番号の数(1〜41)で、題材・数値・設定を変えたTMPSオリジナル問題です。計算を一本道で解く力と、データを順に当てはめる力の練習に使ってください。

試験時間の目安 60分(理科2科目で120分)小問集合・電気分解・鉄・アルケン
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印刷して本番と同じように60分で解けます。解答・解説はこのページの下に掲載しています。

※ 国際医療福祉大学の入試問題ではありません。本文・設問・人物・団体(架空)はすべてTMPS医学館が作成したオリジナルで、出典のある引用ではありません。

類題 第1問 小問集合
  • 必要であれば,次の値を用いよ。また,指示がない場合,気体は理想気体として扱ってよい。
  • 原子量:H=1.0,Li=6.94,C=12.0,O=16.0,Na=23.0,Fe=56.0
  • 気体定数:$R=8.31\times10^{3}\ \mathrm{Pa\cdot L/(mol\cdot K)}$,ファラデー定数:$9.65\times10^{4}\ \mathrm{C/mol}$
  • $\log_{10}2=0.30,\ \log_{10}3=0.48$,$\sqrt{3}=1.73$,標準状態(0℃,$1.013\times10^{5}$ Pa)の気体1 molの体積:22.4 L
  • 数値を答える場合は,解答欄が 12 13 のように1桁ずつ分かれているものは,指示に従い有効数字2桁で①〜⑩(⑩は0)から選ぶ。

次の設問に答えよ。

問1 化学反応と熱に関する文として誤っているものを,次の選択肢①〜⑥のうちから一つ選べ。(解答番号 1)
① 酸化カルシウムに水を加えると熱が発生する。この反応は発熱反応である。② 水酸化バリウム八水和物と塩化アンモニウムを混ぜ合わせると,温度が下がる。この変化では,周囲から熱を吸収する。③ 黒鉛が完全燃焼して二酸化炭素になるときの反応熱は,二酸化炭素の生成熱に等しい。④ 水素の燃焼熱は,水(気体)の生成熱に等しい。⑤ 水酸化ナトリウムの固体が多量の水に溶けるとき,溶液の温度は上がる。⑥ 強酸と強塩基の希薄水溶液の中和熱は,酸と塩基の種類によらず,ほぼ一定である。
問2 中和滴定について述べた次の文(a)〜(c)のうち,用いる指示薬が正しいものとして適切なものを,下の選択肢①〜⑦のうちから一つ選べ。(解答番号 2)
(a) 酢酸水溶液を,水酸化ナトリウム水溶液で滴定し,メチルオレンジを指示薬に用いる。
(b) アンモニア水を,塩酸で滴定し,メチルオレンジを指示薬に用いる。
(c) シュウ酸水溶液を,水酸化ナトリウム水溶液で滴定し,フェノールフタレインを指示薬に用いる。
① (a)のみ② (b)のみ③ (c)のみ④ (a)と(b)⑤ (a)と(c)⑥ (b)と(c)⑦ (a)と(b)と(c)
問3 次の図は二酸化炭素の状態図である。図中の点X,Yでは,ある状態が共存しており,i〜ivの矢印はある操作における状態の変化を示している(i・iiは横向き,iii・ivは縦向きの矢印)。下の文(a)〜(c)に該当する状態と変化の組合せとして最も適切なものを,下の選択肢①〜⑧のうちから一つ選べ。(解答番号 3)
二酸化炭素の状態図。三重点X,臨界点Yと,矢印i〜iv
図 状態図(TMPS作成)
(a) この点では,固体・液体・気体の3つの状態が共存できる。
(b) 大気圧(約1.0×10⁵ Pa)のもとで,ドライアイスの温度を上げると,液体にならずに気体になる。
(c) 温度を一定に保ったまま,容器内の液体の二酸化炭素の圧力を下げると,沸騰して気体になる。
(a)(b)(c)
①Xiiii
②Xiiv
③Xiiiii
④Xiiiv
⑤Yiiii
⑥Yiiv
⑦Yiiiii
⑧Yiiiv
問4 グリシンの水溶液中では,次の電離平衡が成り立つ。(解答番号 4)
$\mathrm{H_{3}N^{+}{-}CH_{2}{-}COOH}$ $\rightleftarrows$ $\mathrm{H_{3}N^{+}{-}CH_{2}{-}COO^{-}}$ + $\mathrm{H^{+}}$ ……(1)
$\mathrm{H_{3}N^{+}{-}CH_{2}{-}COO^{-}}$ $\rightleftarrows$ $\mathrm{H_{2}N{-}CH_{2}{-}COO^{-}}$ + $\mathrm{H^{+}}$ ……(2)
また,(1),(2)式における電離定数 $K_1,\ K_2$ は,$K_1=1.0\times10^{-2.4}\ \mathrm{mol/L}$,$K_2=1.0\times10^{-9.6}\ \mathrm{mol/L}$ である。pH=5.0の緩衝液中でのグリシンの陽イオン:双性イオン:陰イオンのモル濃度[mol/L]の比として適切なものを,次の選択肢①〜⑥のうちから一つ選べ。なお,数値は双性イオンのモル濃度[mol/L]を1とし,陽イオン:双性イオン:陰イオンの順でのモル濃度の比を示している。
① $2.5\times10^{-3}:1:2.5\times10^{-5}$② $2.5\times10^{-2}:1:2.5\times10^{-4}$③ $4.0\times10^{-3}:1:4.0\times10^{-5}$④ $2.5\times10^{-5}:1:2.5\times10^{-3}$⑤ $4.0\times10^{2}:1:4.0\times10^{4}$⑥ $2.5\times10^{2}:1:2.5\times10^{4}$
問5 次の構造式で示されるトリペプチドがある。このトリペプチドに関する文(a)〜(c)のうち,正しいものとして適切なものを,下の選択肢①〜⑦のうちから一つ選べ。(解答番号 5)
$\mathrm{H_{2}N{-}CH(CH_{2}SH){-}CO{-}NH{-}CH_{2}{-}CO{-}NH{-}CH((CH_{2})_{4}NH_{2}){-}COOH}$
(a) 水酸化ナトリウムを加えて加熱した後,酢酸鉛(II)水溶液を加えると黒色沈殿が生じた。
(b) pH=2の緩衝液に入れ,直流電圧を加えて電気泳動を行うと,陰極側に移動するのが確認された。
(c) 濃硝酸を加えて加熱すると,黄色になった。
① (a)のみ② (b)のみ③ (c)のみ④ (a)と(b)⑤ (a)と(c)⑥ (b)と(c)⑦ (a)と(b)と(c)
問6 化学反応に関する次の文中のア〜エに入る語句の組合せとして適切なものを,下の選択肢①〜⑧のうちから一つ選べ。(解答番号 6)
化学反応が自発的に進むかどうかを考えるとき,二つの量が重要になる。一つは,物質の乱雑さ(粒子の散らばりやすさ)を表すアで,化学反応はアがイする方向に進みやすい。もう一つは,物質がもつ熱の出入りを表すウで,化学反応はウがエする方向に進みやすい。
アイウエ
①エントロピー増加エンタルピー増加
②エントロピー増加エンタルピー減少
③エントロピー減少エンタルピー増加
④エントロピー減少エンタルピー減少
⑤エンタルピー増加エントロピー増加
⑥エンタルピー増加エントロピー減少
⑦エンタルピー減少エントロピー増加
⑧エンタルピー減少エントロピー減少
問7 分子式が $\mathrm{C_{5}H_{10}O_{2}}$ で示される化合物のうち,次の条件(a)〜(c)をすべて満たすものとして適切なものを,下の選択肢①〜⑧のうちから一つ選べ。(解答番号 7)
(a) 希酸による加水分解で生じる物質の中に,銀鏡反応を示すものがある。
(b) 希酸による加水分解で生じるアルコールを二クロム酸カリウムで穏やかに酸化すると,ケトンが得られる。
(c) 希酸による加水分解で生じる物質の中に,ヨードホルム反応を示すものがある。
① $\mathrm{H{-}CO{-}O{-}CH_{2}{-}CH_{2}{-}CH_{2}{-}CH_{3}}$② $\mathrm{H{-}CO{-}O{-}CH(CH_{3}){-}CH_{2}{-}CH_{3}}$③ $\mathrm{CH_{3}{-}CO{-}O{-}CH_{2}{-}CH_{2}{-}CH_{3}}$④ $\mathrm{CH_{3}{-}CO{-}O{-}CH(CH_{3}){-}CH_{3}}$⑤ $\mathrm{CH_{3}{-}CH_{2}{-}CO{-}O{-}CH_{2}{-}CH_{3}}$⑥ $\mathrm{(CH_{3})_{2}CH{-}CO{-}O{-}CH_{3}}$⑦ $\mathrm{CH_{3}{-}CH_{2}{-}CH_{2}{-}CO{-}O{-}CH_{3}}$⑧ $\mathrm{CH_{3}{-}CH_{2}{-}CH_{2}{-}CH_{2}{-}COOH}$
問8 スチレン(分子量104)と p-ジビニルベンゼン(分子量130)を4:1の物質量比で共重合させた樹脂8.19 gを,濃硫酸でスルホン化すると陽イオン交換樹脂が生じた。スルホン化はスチレン部分のベンゼン環にだけ生じ,ベンゼン環1個につきスルホ基は1個だけ置換されたものとする。スチレン部分のベンゼン環の75%がスルホン化されたとき,生じる陽イオン交換樹脂の質量[g]として適切なものを,次の選択肢①〜⑥のうちから一つ選べ。(解答番号 8)
① 9.6 g② 10.4 g③ 11.8 g④ 12.4 g⑤ 13.6 g⑥ 15.0 g
▶ 第1問 の答えと解説を見る

第1問 小問集合 の答えと解説

問1
④
  1. 誤りは④。燃焼熱は「物質1 molが完全燃焼するときの反応熱」で,水素の場合は生成する水が液体のときの値を使う。つまり水素の燃焼熱は水(液体)の生成熱に等しく,気体の水の生成熱とは蒸発熱の分だけ違う。
  2. ①②は発熱・吸熱の例,③は黒鉛が単体なので燃焼熱=CO₂の生成熱,⑤は溶解熱が正,⑥は H⁺+OH⁻→H₂O の熱(約56 kJ/mol)なので正しい。
問2
⑥
  1. (a) 弱酸と強塩基の滴定では中和点が塩基性になるので,変色域が塩基性側にあるフェノールフタレインを使う。メチルオレンジは不適で,誤り。
  2. (b) 弱塩基と強酸の滴定では中和点が酸性になるので,メチルオレンジが適する。正しい。
  3. (c) シュウ酸(弱酸)と強塩基の滴定は中和点が塩基性なので,フェノールフタレインが適する。正しい。→ (b)と(c)で⑥。
問3
②
  1. (a) 三つの状態が共存する点は三重点。図のXが三重点(Yは臨界点)。
  2. (b) 圧力が三重点より低い(大気圧)ところで温度を上げると,固体が液体を経ずに気体になる(昇華)。昇華曲線を右へ横切る矢印はi。
  3. (c) 温度一定で圧力を下げると,蒸気圧曲線を下へ横切って液体が気体になる。下向きの矢印はiv。→ X,i,ivで②。
問4
①
  1. (1)より $K_1=\dfrac{[\text{双}][\mathrm{H^+}]}{[\text{陽}]}$ なので,$\dfrac{[\text{陽}]}{[\text{双}]}=\dfrac{[\mathrm{H^+}]}{K_1}=\dfrac{10^{-5.0}}{10^{-2.4}}=10^{-2.6}=2.5\times10^{-3}$。
  2. (2)より $\dfrac{[\text{陰}]}{[\text{双}]}=\dfrac{K_2}{[\mathrm{H^+}]}=\dfrac{10^{-9.6}}{10^{-5.0}}=10^{-4.6}=2.5\times10^{-5}$。($10^{0.4}=2.5$)→ ①。
問5
④
  1. このトリペプチドはシステイン(硫黄を含む)・グリシン・リシンがつながったもの。
  2. (a) 硫黄を含むので,NaOHで加熱すると S²⁻ が生じ,酢酸鉛(II)と反応して PbS の黒色沈殿ができる。正しい。
  3. (b) pH 2ではアミノ基はNH₃⁺で,リシン側鎖も正電荷。カルボキシ基はほとんど電離しないので全体は正に帯電し,陰極側へ移動する。正しい。
  4. (c) 黄色になるのはベンゼン環をもつアミノ酸(キサントプロテイン反応)。このペプチドにはベンゼン環がないので誤り。→ (a)と(b)で④。
問6
②
  1. 乱雑さを表すのはエントロピーで,増加する(乱雑になる)方向に進みやすい。熱の出入りを表すのはエンタルピーで,減少する(発熱する)方向に進みやすい。→ ア=エントロピー,イ=増加,ウ=エンタルピー,エ=減少で②。
問7
②
  1. (a) 銀鏡反応を示すのは,ギ酸(HCOOH)を生じるギ酸エステル(①②)。
  2. (b) 酸化するとケトンになるのは第二級アルコール。①は1-ブタノール(第一級)で不適,②は2-ブタノール(第二級)で適する。
  3. (c) 2-ブタノールは CH₃-CH(OH)- の構造をもつのでヨードホルム反応を示す。→ すべて満たすのは②。(⑧はエステルではなくカルボン酸なので加水分解しない。)
問8
③
  1. 4:1で共重合した「スチレン4個+ジビニルベンゼン1個」の1組の質量は $4\times104+130=546$。8.19 g では $8.19/546=0.0150$ mol の組があり,スチレン部分は $0.0150\times4=0.0600$ mol。
  2. そのうち75%がスルホン化され,$0.0600\times0.75=0.0450$ mol。ベンゼン環のHをスルホ基($\mathrm{SO_{3}H}$)に置き換えると1個あたり $81-1=80$ 増える。
  3. 質量は $8.19+0.0450\times80=11.79\approx11.8$ g → ③。
類題 第2問 電気分解

次の文章を読み,下の設問に答えよ。

電気分解は,薬品の製造や金属の精錬などに用いられている。さまざまな電気分解について調べるため,以下の(実験1)〜(実験4)を行った。なお,いずれの実験でも電極では1種類の反応のみが起こり,副反応は起こらないものとする。

(実験1) 炭素電極を2枚ずつ用いた4つの電解槽A〜Dを用意し,それぞれ別の直流電源に接続した。電解槽Aには塩化ナトリウム水溶液,電解槽Bには硫酸銅(II)水溶液,電解槽Cには硝酸カリウム水溶液,電解槽Dには塩化銅(II)水溶液を適量ずつ入れた。溶質が消失しない範囲で電気分解を行ったところ,各電解槽の両極で反応が見られた。

(実験2) 陽イオン交換膜で2つの室に仕切った電解槽を用意した。I室には炭素電極(陽極)と飽和塩化ナトリウム水溶液,II室には鉄電極(陰極)と水を入れ,通電を開始した後はI室には塩化ナトリウム飽和水溶液を,II室には水を連続的に供給するものとする。大きさが $I_\mathrm{A}$ で一定の直流電流のもと32分10秒間電気分解を行ったところ,0℃,$1.013\times10^{5}$ Pa のもとで0.336 Lの体積を占める気体がII室から発生した。

(実験3) 実験2と同じ装置を用いて,大きさが $I_\mathrm{B}$ で一定の直流電流のもと電気分解を行うと,毎分0.10 gの新たな水酸化ナトリウムがつくられた。

(実験4) 次の図のように,陽イオン交換膜と陰イオン交換膜を交互に設置し,第I〜V槽には0.10 mol/Lの塩化ナトリウム水溶液を1.0 Lずつ入れ,電極として第I槽に炭素電極,第V槽に鉄電極を浸して電気分解を行う。大きさが一定の直流電流を用いて,電子を0.060 mol流した。

5つの槽を膜で仕切った電解装置。炭素電極(陽極側)から鉄電極(陰極側)へ,陽・陰・陽・陰の順の交換膜
図 実験4の装置(TMPS作成)
問1 (実験1)について,次のア,イに該当する電解槽の組合せとして適切なものを,下の選択肢①〜⑩のうちからそれぞれ一つ選べ。(解答番号 9・10)
ア 陽極から,下方置換で捕集できる気体が発生する。
イ 陰極から,水上置換で捕集できる気体が発生する。
① Aのみ② Bのみ③ Cのみ④ Dのみ⑤ AとB⑥ AとC⑦ AとD⑧ BとC⑨ BとD⑩ CとD
問2 (実験1)について,陰極と陽極それぞれで生成する単体の物質量の比が2:1である電解槽として適切なものを,次の選択肢①〜⑩のうちから一つ選べ。(解答番号 11)
① Aのみ② Bのみ③ Cのみ④ Dのみ⑤ AとB⑥ AとC⑦ AとD⑧ BとC⑨ BとD⑩ CとD
問3 (実験2)の電気分解を,電源としてリチウムイオン電池を用いて行ったとき,リチウムイオン電池の正極活物質の質量は 0.1213 g増加する。12,13に入る適切な数字を,下の選択肢①〜⑩のうちからそれぞれ一つ選べ。ただし,リチウムイオン電池の放電時の正極における反応は次のように表され,電源で生じた電流はすべて電気分解で消費されるものとする。(解答番号 12・13)
$\mathrm{Li_{1-x}CoO_{2}}$ + $x$ $\mathrm{Li^{+}}$ + $x$ $\mathrm{e^{-}}$ $\longrightarrow$ $\mathrm{LiCoO_{2}}$ ($0<x<0.5$)
問4 (実験2),(実験3)について,$I_\mathrm{A}$ と $I_\mathrm{B}$ の比 $\dfrac{I_\mathrm{B}}{I_\mathrm{A}}$ として適切なものを,次の選択肢①〜⑥のうちから一つ選べ。ただし,流した電流はすべて水酸化ナトリウムの生成に使用されたものとする。(解答番号 14)
① 0.37② 1.5③ 1.9④ 2.7⑤ 3.7⑥ 5.4
問5 (実験4)について,電気分解後の第V槽のpHとして適切なものを,次の選択肢①〜⑧のうちから一つ選べ。ただし,電解液の体積変化は無視できるものとし,温度は25℃で一定であるとする。(解答番号 15)
① 1.2② 1.8③ 2.9④ 11.1⑤ 12.8⑥ 13.2⑦ 13.5⑧ 13.8
問6 (実験4)について,電気分解によって第I槽,第IV槽の塩化ナトリウム水溶液のモル濃度はどのように変化するか。その変化の組合せとして適切なものを,次の選択肢①〜⑨のうちからそれぞれ一つ選べ。(解答番号 16)
第I槽第IV槽
①変化しない変化しない
②変化しない増加する
③変化しない減少する
④増加する変化しない
⑤増加する増加する
⑥増加する減少する
⑦減少する変化しない
⑧減少する増加する
⑨減少する減少する
▶ 第2問 の答えと解説を見る

第2問 電気分解 の答えと解説

問1
9=⑦10=⑥
  1. 実験1の電極反応は,A:陰極 H₂・陽極 Cl₂,B:陰極 Cu・陽極 O₂,C:陰極 H₂・陽極 O₂,D:陰極 Cu・陽極 Cl₂。
  2. ア 下方置換で捕集するのは空気より重く水に溶ける Cl₂ → A,D(⑦)。
  3. イ 水上置換で捕集できるのは H₂ → A,C(⑥)。
問2
⑧
  1. 電子2 molあたり,Cu,H₂,Cl₂ はそれぞれ1 mol,O₂ は0.5 mol。Aは H₂:Cl₂=1:1,Bは Cu:O₂=2:1,Cは H₂:O₂=2:1,Dは Cu:Cl₂=1:1。→ BとCで⑧。
問3
12=②13=①
  1. II室の気体は H₂:$0.336/22.4=0.0150$ mol。H₂ 1 molに電子2 molなので,流れた電子は 0.0300 mol。
  2. 正極では電子1 molにつき Li⁺ 1 mol(6.94 g)が増える。$0.0300\times6.94=0.2082\approx0.21$ g → 12=2(②),13=1(①)。
問4
④
  1. $I_\mathrm{A}=\dfrac{0.0300\times9.65\times10^{4}}{32\times60+10}=\dfrac{2895}{1930}=1.50$ A。
  2. 実験3:NaOH(式量40.0)は毎分 $0.10/40.0=2.5\times10^{-3}$ mol,電子も同じ物質量。$I_\mathrm{B}=\dfrac{2.5\times10^{-3}\times9.65\times10^{4}}{60}=4.02$ A。比は $4.02/1.50=2.68\approx2.7$ → ④。
問5
⑤
  1. 陰極(第V槽)では 2H₂O+2e⁻→H₂+2OH⁻ が起こり,電子0.060 molで OH⁻ 0.060 molが生じる。
  2. 第V槽と第IV槽の間は陰イオン交換膜。陰イオンは陽極側(第I槽の方向)へ動くので,第V槽の Cl⁻ が0.060 mol 第IV槽へ移る。陽イオンは膜を通れず,Na⁺ は0.10 molのまま。
  3. 第V槽には Na⁺ 0.10 mol,Cl⁻ 0.040 mol,OH⁻ 0.060 mol(電気的に中性)。$[\mathrm{OH^-}]=0.060$ mol/L より $\mathrm{pH}=14+\log_{10}0.060=14+(0.78-2)=12.78\approx12.8$ → ⑤。
問6
⑧
  1. 陽極は第I槽。Cl⁻ が0.060 mol消費される。第I槽の隣(第II槽との間)は陽イオン交換膜なので,Cl⁻ は第II槽から入ってこず,Na⁺ が0.060 mol第II槽へ出る。→ 第I槽は NaCl が0.060 mol減って「減少する」。
  2. 第IV槽は,第III槽との間が陽イオン交換膜で Na⁺ が0.060 mol入り,第V槽との間が陰イオン交換膜で Cl⁻ が0.060 mol入る。→ 「増加する」。→ ⑧。
類題 第3問 鉄

次の文章を読み,下の設問に答えよ。

鉄は,周期表のア族に属する遷移元素である。単体は灰白色の金属光沢をもち,単位格子が次の図で表されるような(a)結晶構造をとっている。なお,この単位格子は立方体である。

体心立方格子の断面。体対角線に沿って原子3個が接する
図 単位格子(TMPS作成)

鉄は塩酸には溶けるが,濃硝酸には不動態をつくって溶けにくい。一方,(b)希硝酸には溶解する。

鉄の水溶液について,鉄(III)イオンを含む水溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えるとイ色の沈殿が生じ,鉄(II)イオンを含む水溶液にヘキサシアニド鉄(III)酸カリウム水溶液を加えるとウ色の沈殿が生じる。

鉄の酸化物には酸化鉄(II)や酸化鉄(III)などがあり,(c)酸化鉄(II)は空気中で加熱すると酸化鉄(III)になる。

(d)鉄(III)イオンは,チオシアン酸イオンと反応して赤色の錯イオン $\mathrm{[Fe(SCN)]^{2+}}$ を生成する。

問1 文中のアに入る数字,周期表のア族に属さない元素の組合せとして適切なものを,次の選択肢①〜⑨のうちから一つ選べ。(解答番号 17)
アアに属さない元素
①8Ru
②8Os
③8Co
④9Ru
⑤9Os
⑥9Co
⑦10Ru
⑧10Os
⑨10Co
問2 文中のイ,ウに入る語句の組合せとして適切なものを,次の選択肢①〜⑨のうちから一つ選べ。(解答番号 18)
イウ
①赤褐濃青
②赤褐白
③赤褐赤
④緑白濃青
⑤緑白白
⑥緑白赤
⑦黒濃青
⑧黒白
⑨黒赤
問3(i) 下線部(a)について,図の結晶格子の名称,およびこの結晶の単位格子に含まれる原子の数の組合せとして適切なものを,次の選択肢①〜⑨のうちから一つ選べ。(解答番号 19)
① 面心立方格子 2② 面心立方格子 4③ 面心立方格子 8④ 六方最密構造 2⑤ 六方最密構造 4⑥ 六方最密構造 8⑦ 体心立方格子 2⑧ 体心立方格子 4⑨ 体心立方格子 8
問3(ii) 鉄の原子が球体であり,近接する原子どうしが互いに接していると仮定すると,鉄の原子半径は 20.21$\times10^{-\boxed{\text{22}}}$ cmとなる。単位格子の一辺は $2.8\times10^{-10}$ m とする。20〜22に入る適切な数字を,次の選択肢①〜⑩のうちからそれぞれ一つ選べ。(解答番号 20・21・22)
問4 下線部(b)について,鉄が希硝酸に溶解する反応の化学反応式は次の通りである。(解答番号 23・24・25・26・27)
23 $\mathrm{Fe}$ + 24 $\mathrm{HNO_{3}}$ $\longrightarrow$ 25 $\mathrm{Fe(NO_{3})_{3}}$ + 26 $\mathrm{NO}$ + 27 $\mathrm{H_{2}O}$
23〜27に入る適切な数字を,次の選択肢①〜⑨のうちからそれぞれ一つ選べ。なお,係数が1となる場合は選択肢①を選べ。ただし,同じ選択肢を重複して使用してもよい。
問5 下線部(c)について,酸化鉄(II)と酸化鉄(III)のみを含む混合物Xが6.32 gある。Xを空気中で十分に加熱したところ,すべて酸化鉄(III)となり,その質量は6.80 gであった(酸化鉄(II)は $4\mathrm{FeO}+\mathrm{O_2}\to2\mathrm{Fe_2O_3}$ で変化する)。加熱前の混合物X中の酸化鉄(II)の質量パーセントは 2829 %である。28,29に入る適切な数字を,次の選択肢①〜⑩のうちからそれぞれ一つ選べ。(解答番号 28・29)
問6 下線部(d)について,$1.0\times10^{-3}$ mol のFe³⁺を含む水溶液1.0 Lにチオシアン酸カリウムを加えていくと,錯イオン $\mathrm{[Fe(SCN)]^{2+}}$ が生成した。以下ではある物質Aのモル濃度[mol/L]を[A]と表記し,[$\mathrm{[Fe(SCN)]^{2+}}$]は錯イオンのモル濃度[mol/L]を表している。水溶液中の錯イオンと鉄(III)イオンの濃度比 $\dfrac{[\mathrm{[Fe(SCN)]^{2+}}]}{[\mathrm{Fe^{3+}}]}=4.0$ となったとき,水溶液中のSCN⁻と錯イオンに含まれるSCN⁻の物質量の合計は 30.31$\times10^{-\boxed{\text{32}}}$ molである。30〜32に入る適切な数字を,次の選択肢①〜⑩のうちからそれぞれ一つ選べ。ただし,SCN⁻はFe³⁺との反応のみが起こるものとし,鉄は水溶液中ではいずれかのイオンの形のみで存在しており,沈殿は存在していないものとする。なお,この反応の平衡定数は次の値を用いよ。(解答番号 30・31・32)
$K=\dfrac{[\mathrm{[Fe(SCN)]^{2+}}]}{[\mathrm{Fe^{3+}}][\mathrm{SCN^-}]}=1.0\times10^{3}\ \mathrm{L/mol}$
▶ 第3問 の答えと解説を見る

第3問 鉄 の答えと解説

問1
③
  1. 鉄は8族。8族は Fe,Ru,Os。Co は9族なので「8族に属さない」のは Co。→ ア=8,Co で③。
問2
①
  1. Fe³⁺+OH⁻ → 水酸化鉄(III)の赤褐色沈殿。Fe²⁺+[Fe(CN)₆]³⁻ → ターンブルブルーの濃青色沈殿。→ ①。
問3(i)
⑦
  1. 頂点8個(各1/8)と中心1個の構造は体心立方格子。含まれる原子は $8\times\frac18+1=2$ 個。→ ⑦。
問3(ii)
20=①21=②22=⑧
  1. 体心立方格子では,立方体の対角線(長さ $\sqrt3\,a$)に沿って原子3個が接し,対角線の長さは原子半径の4倍。$r=\dfrac{\sqrt3\,a}{4}$。
  2. $a=2.8\times10^{-8}$ cm より $r=\dfrac{1.73\times2.8\times10^{-8}}{4}=1.21\times10^{-8}$ cm → 1.2×10⁻⁸ cm(20=1,21=2,22=8)。
問4
23=①24=④25=①26=①27=②
  1. Fe が Fe³⁺ になって3個,N が+5から+2になって3個の電子をやりとりするので,Fe:NO=1:1。
  2. Fe(NO₃)₃ に含まれる NO₃⁻ が3個,NO として出る N が1個で HNO₃ は4個,H₂O は2個。→ Fe+4HNO₃ → Fe(NO₃)₃+NO+2H₂O。
問5
28=⑥29=⑧
  1. 質量の増加は $6.80-6.32=0.48$ g で,これは吸収した O₂ の質量。$0.48/32.0=0.0150$ mol。
  2. 4FeO+O₂→2Fe₂O₃ より FeO は $0.0150\times4=0.0600$ mol,質量は $0.0600\times72.0=4.32$ g。割合は $4.32/6.32\times100=68.4\approx68$ % → 28=6(⑥),29=8(⑧)。
問6
30=④31=⑧32=③
  1. 鉄の総量 $1.0\times10^{-3}$ mol が $[\mathrm{Fe^{3+}}]:[\text{錯イオン}]=1:4$ に分かれるので,錯イオンは $8.0\times10^{-4}$ mol,Fe³⁺ は $2.0\times10^{-4}$ mol。
  2. $K$ の式より $[\mathrm{SCN^-}]=\dfrac{4.0}{1.0\times10^{3}}=4.0\times10^{-3}$ mol/L。錯イオン1個に SCN⁻ が1個含まれるので,合計は $4.0\times10^{-3}+8.0\times10^{-4}=4.8\times10^{-3}$ mol → 30=4(④),31=8(⑧),32=3(③)。
類題 第4問 アルケンの構造決定

次の文章を読み,下の設問に答えよ。

分子式が $\mathrm{C_{6}H_{12}}$ で表される,異なる種類のアルケンA〜Dがある。これらの構造を決定するために,下の(実験1)〜(実験3)を行った。なお,マルコフニコフ則およびオゾン分解に関する説明は次の通りである。また,立体異性体については区別しないものとする。

※マルコフニコフ則:炭素間二重結合に対して対称でないアルケンの炭素間二重結合に,H-OHのような分子が付加するとき,二重結合の炭素原子のうち,結合している水素原子の多い方にHが,少ない方に-OHが付加しやすい。例えば,プロペンに水が付加すると,2-プロパノールが主生成物,1-プロパノールが副生成物になる。なお,本問では,マルコフニコフ則が成り立つものとする。

※オゾン分解:アルケンにオゾンを適切に作用させた後,亜鉛で還元すると二重結合が開裂してカルボニル化合物が生成する。例えば,$\mathrm{CH_{3}{-}CH{=}CH_{2}}$ からは $\mathrm{CH_{3}{-}CHO}$ と $\mathrm{HCHO}$ が得られる。

(実験1) A,Bに白金触媒を用いて水素を付加すると,同じ化合物Eが得られた。また,Eの分子中にある水素原子の1つを塩素原子で置換した化合物は2種類存在する。

(実験2) A,Bに対して,酸性条件のもと,水の付加反応を行うと,AからはアルコールFのみが得られ,Bからは主生成物としてFが,副生成物としてアルコールGが得られた。また,Dに同様の水の付加反応を行うと,アルコールHのみが得られた。

(実験3) C,Dそれぞれの炭素間二重結合にオゾンを適切に作用させた後,亜鉛で還元すると,Cからは化合物Iと化合物Jが,DからはIのみが得られた。なお,Iは分子量58で,銀鏡反応を示した。

問1 5.04 gの $\mathrm{C_{6}H_{12}}$ を完全燃焼させる際に消費する酸素の27℃,$1.00\times10^{5}$ Paにおける体積[L]は,3334 Lとなる。33,34に入る適切な数字を,次の選択肢①〜⑩のうちからそれぞれ一つ選べ。(解答番号 33・34)
問2 Eの構造式として適切なものを,次の選択肢①〜⑤のうちから一つ選べ。(解答番号 35)
① $\mathrm{CH_{3}{-}CH_{2}{-}C(CH_{3})_{2}{-}CH_{3}}$(2,2-ジメチルブタン)② $\mathrm{CH_{3}{-}CH(CH_{3}){-}CH(CH_{3}){-}CH_{3}}$(2,3-ジメチルブタン)③ $\mathrm{CH_{3}{-}CH(CH_{3}){-}CH_{2}{-}CH_{2}{-}CH_{3}}$(2-メチルペンタン)④ $\mathrm{CH_{3}{-}CH_{2}{-}CH(CH_{3}){-}CH_{2}{-}CH_{3}}$(3-メチルペンタン)⑤ $\mathrm{CH_{3}{-}CH_{2}{-}CH_{2}{-}CH_{2}{-}CH_{2}{-}CH_{3}}$(ヘキサン)
問3 F,G,Hのうち不斉炭素原子をもつものの組合せとして適切なものを,次の選択肢①〜⑥のうちから一つ選べ。(解答番号 36)
① Fのみ② Gのみ③ Hのみ④ FとG⑤ FとH⑥ GとH
問4 Iに関する文として適切なものを,次の選択肢①〜⑥のうちから一つ選べ。(解答番号 37)
① 1-プロパノールの穏やかな酸化によって得られる。② 2-ブタノールの酸化によって得られる。③ Iを質量で37%程度含む水溶液は,動物標本の保存溶液として用いられる。④ 酢酸カルシウムの乾留によって得られる。⑤ 塩化パラジウム(II)と塩化銅(II)を触媒にして,エチレンを酸化することで得られる。⑥ 高圧下での一酸化炭素と水酸化ナトリウムの反応によって生じた生成物に希硫酸を加えることで得られる。
問5 Cの構造は次に示した構造式のようになる。38〜40に入る構造として適切なものを,下の選択肢①〜⑤のうちからそれぞれ一つずつ選べ。ただし,同じ選択肢を重複して使用してもよい。また,39と40に入る構造が異なるものである場合は,39に入る構造を構成する原子の原子量の和は,40に入る構造を構成する原子の原子量の和よりも大きいものとする。(解答番号 38・39・40)
左の炭素には $\mathrm{CH_{3}}$ と 38 が,右の炭素には 39 と 40 が結合し,この2つの炭素が二重結合でつながっている。
選択肢:① $\mathrm{H}$ ② $\mathrm{CH_{3}}$ ③ $\mathrm{CH_{2}CH_{3}}$ ④ $\mathrm{CH_{2}CH_{2}CH_{3}}$ ⑤ $\mathrm{CH(CH_{3})_{2}}$
問6 次の文に関して述べた下の文(a)〜(e)のうち,正しいものとして適切なものを,下の選択肢①〜⑩のうちから一つ選べ。(解答番号 41)
分子式が $\mathrm{C_{11}H_{16}O}$ である化合物Kは,芳香族一置換体であり,不斉炭素原子を持ち,ナトリウムと反応させると気体が発生する。Kを二クロム酸カリウムで酸化するとケトンが得られた。Kを濃硫酸中で加熱すると,分子内脱水が起こり,主生成物として化合物Lが得られた。Lをオゾン分解すると,化合物Mと,分子式 $\mathrm{C_{8}H_{8}O}$ で銀鏡反応を示さない芳香族化合物Nに分解した。化合物Mを適当な還元剤で還元すると,アルコールOが得られた。このアルコールOを濃硫酸中で加熱すると,分子内脱水が起こり,化合物Pが得られた。化合物Pに触媒を用いて水を付加すると,主生成物として化合物Qが得られた。
なお,主生成物は,マルコフニコフ則,ザイツェフ則に従って生成したものとする。ザイツェフ則:分子内脱水では,-OHが結合している炭素原子の隣の炭素原子のうち,結合している水素原子の数が少ない方から水素原子が取れた生成物が主に得られる。
(a) 化合物Kは第3級アルコールである。
(b) 化合物Nはヨードホルム反応を示す。
(c) 化合物Pを付加重合すると,ポリエチレンが得られる。
(d) 化合物Qは不斉炭素原子をもたない。
(e) 化合物K,L,M,N,O,P,Qのうち,ヨードホルム反応陽性であるものは3つある。
① (a), (b)② (a), (c)③ (a), (d)④ (a), (e)⑤ (b), (c)⑥ (b), (d)⑦ (b), (e)⑧ (c), (d)⑨ (c), (e)⑩ (d), (e)
▶ 第4問 の答えと解説を見る

第4問 アルケンの構造決定 の答えと解説

問1
33=①34=③
  1. $\mathrm{C_{6}H_{12}}$(分子量84.0)5.04 gは 0.0600 mol。$\mathrm{C_{6}H_{12}}$+9$\mathrm{O_{2}}$→6$\mathrm{CO_{2}}$+6$\mathrm{H_{2}O}$ より O₂ は $0.0600\times9=0.540$ mol。
  2. $V=\dfrac{nRT}{P}=\dfrac{0.540\times8.31\times10^{3}\times300}{1.00\times10^{5}}=13.5\to13$ L(2桁で13.46)→ 33=1(①),34=3(③)。
問2
②
  1. 一塩素置換体の数=水素原子の種類の数。2,2-ジメチルブタンは3,2,3-ジメチルブタンは2,2-メチルペンタンは5,3-メチルペンタンは4,ヘキサンは3。2種類になるのは2,3-ジメチルブタンだけ。→ ②。
問3
⑥
  1. E=2,3-ジメチルブタンから,A・Bは 2,3-ジメチル-2-ブテン,2,3-ジメチル-1-ブテンのどちらか。2,3-ジメチル-2-ブテンは左右対称で水付加の生成物は1種類だけ(F)。2,3-ジメチル-1-ブテンはマルコフニコフ則で主生成物が第三級アルコールの F,副生成物が第一級の G。よって A=2,3-ジメチル-2-ブテン,B=2,3-ジメチル-1-ブテン,F=2,3-ジメチル-2-ブタノール,G=2,3-ジメチル-1-ブタノール。
  2. D は(実験3)で I のみを生じる対称なアルケンで,分子量58の I(プロパナール)を生じる3-ヘキセン。H=3-ヘキサノール。
  3. 不斉炭素は,Fにはなし,Gの2位(H,CH₃,CH(CH₃)₂,CH₂OH)とHの3位にあり。→ GとHで⑥。
問4
①
  1. I=プロパナール(分子量58で銀鏡反応を示す)。①1-プロパノールを穏やかに酸化すると得られる。②は2-ブタノンが得られる。③はホルムアルデヒド(ホルマリン)。④はアセトン。⑤はアセトアルデヒド。⑥はギ酸。→ ①。
問5
38=②39=③40=①
  1. (実験3)より,C は I(プロパナール)と J に分かれ,C≠D なので J は炭素数3の別のカルボニル化合物。J=アセトン。よって C=$\mathrm{CH_{3}CH_{2}CH{=}C(CH_{3})_{2}}$(2-メチル-2-ペンテン)。
  2. 左の炭素に $\mathrm{CH_{3}}$ が固定なので,左の炭素は $\mathrm{(CH_{3})_{2}C{=}}$:38=$\mathrm{CH_{3}}$(②)。右の炭素は $\mathrm{H}$ と $\mathrm{CH_{2}CH_{3}}$。39と40が異なるので,原子量の和が大きい $\mathrm{CH_{2}CH_{3}}$ が39(③),$\mathrm{H}$ が40(①)。
問6
⑥
  1. K=2-フェニル-3-ペンタノール $\mathrm{C_{6}H_{5}{-}CH(CH_{3}){-}CH(OH){-}CH_{2}CH_{3}}$(第二級・不斉炭素あり)。ザイツェフ則でHの少ない隣の炭素(CH(CH₃)Ph)からHが取れて L=$\mathrm{C_{6}H_{5}{-}C(CH_{3}){=}CH{-}CH_{2}CH_{3}}$。
  2. Lのオゾン分解で,M=プロパナール $\mathrm{CH_{3}CH_{2}CHO}$,N=アセトフェノン $\mathrm{C_{6}H_{5}{-}CO{-}CH_{3}}$($\mathrm{C_{8}H_{8}O}$,銀鏡反応なし)。O=1-プロパノール,P=プロペン,Q=2-プロパノール。
  3. (a) Kは第二級なので誤り。(b) アセトフェノンは $\mathrm{CH_{3}{-}CO{-}}$ をもつのでヨードホルム反応を示す(正しい)。(c) Pはプロペンなので得られるのはポリプロピレン(誤り)。(d) Q(2-プロパノール)は不斉炭素をもたない(正しい)。
  4. (e) 陽性は N と Q の2つ(K は $\mathrm{CH_{3}{-}CH(OH){-}}$ 構造をもたないので陰性)。「3つ」は誤り。→ (b)と(d)で⑥。

※ 類題は、本番の解き方の骨格は残しつつ、題材・数値・符号を変えて作っています(例:第2問は食塩電解の槽と5槽の膜の並びを変え、第3問は銅を鉄に、第4問はアルケンの骨格と最後の反応の流れを変えています)。計算は数値で、構造・反応は分子の全異性体の列挙でスクリプトにより確かめてあります。知識で決まる設問は「要確認」の扱いです。

CHECK

30秒 得点診断

本番の過去問、またはそっくり類題セットを60分で解いた結果を選んでください。次にやるべきことを表示します。

第1問(小問集合・8問)
第2問(電気分解)
第3問(銅)
第4問(有機・構造決定)
FOR PARENTS

保護者の方へ:国際医療福祉大の化学で知っておきたい3つのこと

① 「広く浅く」ではなく「広くきちんと」
電気分解・無機・有機・理論と範囲が広く、解答番号は41個。各分野の基本の計算と性質を、取りこぼさず押さえる準備が得点に直結します。
② 計算は「一本道」で落とさない
電気量・結晶格子・質量パーセント・平衡など、式を立てれば必ず答えが出る問題が多い試験です。単位と有効数字を確かめる習慣が効きます。
③ 秋からは「答案を見てもらう」
理科2科目で120分という配分は、独学では直しにくい部分です。どこで時間を失ったか、第三者の目で見ると最短で伸びます。
FAQ

よくある質問

Q. 国際医療福祉大学 医学部の化学2026年度は、どの順番で解くのがよいですか?

TMPSのおすすめは、第1問の小問集合を12分、第2問(電気分解)を18分、第3問(鉄・銅などの無機と計算)を15分、第4問(アルケンの構造決定)を15分の合計60分です。本番は理科2科目で120分なので、化学に60分を使う想定です。第1問は1問あたり1〜2分で取り切り、迷う知識問題は消去法で先へ進みます。

Q. 問題文が載っていなくても、どんな問題か分かりますか?

分かります。著作権に配慮して問題本文・図は掲載していませんが、各小問の最初に「どういう問題か」として、設定・何を答えるか・解答番号の形をTMPSの言葉で説明しています。

Q. 計算の答えは、どうやって確かめていますか?

本番の計算問題は、pythonで有効数字・単位まで再計算し、構造決定は分子の全異性体を列挙して条件に合うものを絞り込んで、独立に確かめています。ただし、用語や性質の真偽(色・捕集法・製法など)はスクリプトでは確かめられないので、ページ内に「要確認」と明記しています。

Q. そっくり類題セットとは何ですか?

2026年度と同じ4大問・同じ解答番号の数(1〜41)で、題材・数値・設定を変えたTMPSオリジナル問題です。全問の答え・解説をこのページに掲載し、本番形式の問題冊子PDFも無料で配布しています。

Q. 解説に誤りを見つけたらどうすればいいですか?

公式LINEからお知らせください。確認のうえ修正し、更新日を記載します。

安心安全・継続更新システム

問題等で誤りを発見された場合、修正しますので、TMPS医学館までLINEを下さい。

受験生・指導者の皆様からのご指摘を真摯に受け止め、最も信頼できる過去問解説・類題ライブラリーとして随時アップデートいたします。

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